第46話:事件解決に面白いオチが付いた
――憲兵詰所
俺の通報により駆け付けたルード率いる憲兵により全員無事確保、俺も事情聴取という形で取調室で待たされているが、、、。
「悪いな、長時間」
と皮袋をもってルードが現れた。
そのまま皮袋をどさっと置く。
「犯人であることは間違いない、よって報酬だ。確認してくれ、したらいつものとおり受取書にサインを」
「はいよ」
と金を取り出して、数えてみる。
「ひーふーみーよーいつむーななやー、っと今何時でい!?」
「なんだそりゃ」
「落語だよ、落語、面白いぞ、色々な物語があって洒落たオチがつくのさ、それで笑いを取ると」
「らくご、か、なら今回の話も洒落たオチが付いたぜ、笑えるかどうかはお前次第だが」
「?」
「結論から言う、あの2人組は釈放だ、理由は正当防衛が成立したからだ」
「正当防衛?」
ここからルードは語りだす。
簡単に言えばあのチンピラ3人組は、俺が助けた後、もう一度あの女の子を発見、再びカツアゲ目的で絡んだ際、相手が女の子だと分かり、、。
「強姦しようとしていたと?」
「そうだ、それに対しての正当防衛、あの護衛やらの2人が3人を殺害したと」
「出来過ぎにしか聞こえない」
「自称目撃者あり」
「信用できるのか?」
「完全な第三者だが、明らかに買収されているね」
「そんなんでいいのか?」
「目撃者ってのは、どんな状況でも疑いだしたらキリがない。だが少なくとも金銭のやり取り以外の利害関係は無い、これはマジな結論だ。これが意外と馬鹿に出来ない話でな、俺達も犯人を殺処分する時に、目撃者の有無は大きいんだよなぁ」
「…………」
例えばとある人物が不当に国家権力による暴力を受けたと主張すれば信じる人間は多い。
だがその人物がクズで警察に暴力をふるっている映像が残っていれば、擁護の声が強くなる。
「ルード、あの2人は何者なんだ? 凄腕だぜ、見立てのとおり素人じゃない」
「だから言っただろ、洒落たオチがついて笑えるかどうかはお前次第って」
「は?」
「実際、今回の釈放は「身元引受人」の存在が大きいのさ」
「誰だよ」
「お前がヒモやってる人だよ」
――クォイラ邸
俺が手続きを終えて向かったクォイラ邸には、既にクォイラはジウノアとファルと共にいた。
「お疲れ様でした、すみません、状況が状況だったもので、貴方には未報告でした」
「構わんよ、報酬はたっぷりともらったし、労せずして貰った金だ。久々に、旅行にでも行けるぐらいになったぜ」
「それと」
クォイラは俺に近づいて耳打ちをする。
「貴方の正体も明かしています」
「わかった」
俺は視線を移す。
そこにはさっき絡んだばっかりの1人の女の子と護衛の2人がいた。
「さて、まずは改めて自己紹介からだな」
俺は、すっとチートを解除する。
向こうからは、まさに目の前で姿が別人になったように見えるだろう。
3人が口を開けて、そのまま放心状態になった。
「ほ、ほんもの、ほんとうに、あなたが」
女の子が俺を見る。
「クラスS、ガクツチ・ミナト、、、」
「そうだ、俺の名前はガクツチ・ミナト、クラスS冒険者、失踪中につき内密にお願いするよ、さて」
俺はどかっと目の前に椅子に座る。
「今度はそっちの自己紹介を願おうか」
俺の言葉を受けて女の子はすっと立ち上がり、そのまま優雅に頭を下げる。
「私は、コヴィスト王国の第一王女、ルデエルと申します、ガクツチ・ミナト、貴方に我が国の窮状を救っていただきたく、参上しました」




