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第45話:事件解決(?)



 心に深い傷を負った俺は何とか復活して、殺されたチンピラ3人組の死体発見現場に来ていた。


 裏路地、という程でもないが人通りも少ないがあるってことか。



「殺されたってさ」

「ざまあねえな、アイツら俺の店に頻繁に万引きに入りやがって」

「この間もカツアゲしてたって」



 と事件のことを噂程度に話す人がいるぐらい、既に現場保存は終わっている。


 なるほど、ファルが入手したチンピラってのは、正しそうだな。


「…………」


 俺はすっと立ち止まる。



(見られているな)



 この体にまとわりつく感じ、、、。


 見ているのは、、、ふむ、左方と右方に1人づつ、気配はほとんど消えている、かなりの手練れだな。


 なれば、、、。


(はっ!!!)


 と相手に向かって殺気を飛ばす。


「「!!!」」


 驚いたのだろう、視線や殺気が分かりやすく出たり消えたりする。


 俺は、隠れている相手に視線をやり。


 笑顔で手を振る。


「…………」


 まだ来ないか、だったら。





 俺はその後、散歩を始めた。


 飯を食ったり日向ぼっこしたり、大衆浴場にも入ったりしたが、一向に仕掛けてこない。


 その間もずっと視線はまとわりついていて、殺気も少し感じる。


「…………」


 の割には仕掛けてこない。


 そうこうしているうちに日が落ちて、向こうから来ないのなら、こちらからかなぁと思って、自宅に帰った時だった。


「「…………」」


 フードを被った男2人が目の前に現れる。


「やっと現れたか、遅いんだよ」


【おまえ、昼間は何の真似だ?】


(ふーん)


 声を変えている。


「あのチンピラ3人組の殺し方、あれは注目を浴びる為にわざとああいう殺し方をしたな?」


【…………】


「そもそも論として、あのチンピラ3人組、あんな殺し方で殺すような価値のある奴らじゃないのさ」


「それが尋常じゃない方法で殺された死体で発見されれば、憲兵は当然にそこに注目する。だから「本気」で動き出す、それが狙い」


「そして死体発見現場でお前達2人は待機して、視線や殺気をわざとまき散らしていた、それはそれに「引っかかった人間」を選別するためだ」


「ここで一つ質問だ、お前ら、誰を探していたんだ?」


【…………】


「答えないか? 当然に素人じゃないお前らは、気が付いたはずだぜ、このチンピラ3人組がリンチをしながら無傷だった男がいたことを、その男も素人ではないことを」


「だがここで一つだけ分からない、そもそもどうしてその男を探す必要があったのかという話だ」


【…………】


 まだ答えないか、まったくまどろっこしい。


 そのまま、静かに対峙する、なら駄目押し。



「俺は憲兵から依頼を受けている冒険者だ、犯人を確保しろってな」



 その言葉が合図だった。


 瞬時に距離を詰めてきて、隠し持っていたであろう千石通しの様なものが見えた瞬間だった。


 俺は二人の手を持つと同時ににじり上げると、そのままテコの原理を使って受け身が取れないように地面にたたきつける。


 思いっきり背中を打ち付けて呼吸が止まり、更に手を離さないまま、そのまま傍の壁に2人を叩きつける。


「グァ!!」


 流石に声が出たのか動かなくなった。


 割と強めに打ち付けたからな、ひとたまりもあるまい。


「「~~っっ!!」」


 蹲って、呼吸困難の苦しさに必死に耐えている。


「まさか、こんな形で解決するとは、まあ犯人逮捕は一日でも早い方がいいだろう」


 と近づいた時だった。


「待ってください!!」


 と声が木霊する、視線を移すと、、、。


「やあ、二日ぶりだね」


 チンピラに絡まれた例の子がいた。


「やれやれ、あれは君を助けたつもりだったんだが、まさか恩を仇で返されるとはね」


「すみませんでした!!」


 勢いよく頭を下げる。


「え?」


「おっしゃるとおりです、ですが恩を仇で返すつもりはありませんでした」


「あ、うん、そう」


 な、なんだ、なんか調子狂うな。


「…………俺に何の用だ?」


「それは、その、お話が、あって」


「お話って?」


「…………」


「言えないか? 悪いが憲兵にこいつらに殺人容疑の手配がかかっている、この2人は憲兵に引き渡す」


「…………あの」


「説得は無理だぜ、おっと自己紹介がまだだったな、俺の名前はジョー・ギリアン、クラスDの冒険者だ。今は憲兵の依頼で動いているのさ、チンピラ3人を殺した奴を捕まえてくれってね、憲兵はお得意様だ、信用を失いたくない」


 ここでうずくまっていた1人が俺を睨む。


「ちっ、憲兵の犬風情が、ぎゃあ!!」


 俺は肩を力強く引っ張って関節を外す。


「そのとおり、犬ですワン、ワンワン♪」


 と更にもう別の腕の関節を外す。


「グアアアアアアア!!」


「辞めてください!!」


「はいよ、さて、話し合う状況が整ったようじゃないか、まずは帽子を取れよ」


「…………」


 おずおずと帽子を取ると、、。


「……女だったのか」


 年は十代後半から二十代前半ぐらいか、褐色肌の女の子がそこにいた。


「はい、あの、先日はありがとうございました」


「……は?」


「そのチンピラ3人から助けてくれて、そのお礼をしていなかったと」


「あ、ああ、別に、構わないが」


 な、なんか、独特のペースを持っている子だな。


「あのお怪我は?」


「大丈夫だよ、鍛えているんでね、素人の攻撃なら何ともならんよ」


「かなりの凄腕の方だと従者たちが言っていました」


「凄腕? まさか、言ったろ、俺はクラスDだよ、無能って言われるのは心外だが有能ってのには程遠い」


「貴方が今倒したここにいる2人は、戦闘能力を取れば冒険者でクラスBに匹敵します、我が王国トップの凄腕の暗殺者です」


「そうかい? なら運がよかったんだな、全く馬券は外れる癖に、こういう時はついているんだよね」


「貴方は本当にクラスDなんですか?」


「くどいなぁ、ギルドカードを見るかい? ほれ、どこにでもいる万年クラスDの貧乏冒険者だよ」


 女の子は俺のギルドカードを一瞥すると視線を俺のギルドの方へ移す。


「あそこは、自宅、、、、のようですけど」


「お察しのとおり、自宅兼ギルドも兼ねていてね、ってそうだ、この2人が凄腕ってのなら営業をかけさせてもらっていいかい? 我がギルドはクエストの手厚いサポート、冒険者登録をするのなら今なら洗剤をつけるぜ!」


「…………」


 女の子は何やら考え込んでいる、さてさて、どうするのかなと思ったが、、。



「分かりました、憲兵を呼びましょう」



 と予想外のことを言い出した。


「…………」


「そちらの望みでしょう?」


「そりゃそうだ、分かったよ、元より予定に変更はないからな」


 と通信魔法を起動した。



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