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第42話:アマテラス再生篇・転換


――翌日・クォイラ邸



「…………」


 クォイラはじっとティンパファルラを見ている。


 彼女は今、椅子型の魔法機械から伸びたコードを背中と腕に身につけて、ゴーグルをつけている。何かリズムを取って音楽を聴いているようにも見えるし、寝ているようにも見える。


 これが彼女の日課、知恵の樹への泳ぐ姿、アマテラス時代から何度も見ているが、未だに新鮮さが失われない不思議な光景だ。


 彼女曰く、実際には半覚醒状態で外部の会話とかもちゃんと聞こえているそうで、それでいて終わった後はひと泳ぎしたような疲れもあるそうだ。


 なんか、聞いているだけで頭痛がしてくるが、本人は居心地最高らしい。


「ふう、久々にアップデートが出来たよ」


 とゴーグルを外してコードを抜く。


「変わらずに素晴らしい海だった、なあわかるかい? ボクしかいない海で裸で泳ぐ快感、異性はもちろん同性にすら遠慮する必要がない」


「まあ、言わんとしたいことは分かりますよ」


 とティンパファルラは、いそいそと外行きの格好をする。


「? どこかへ出かけるのですか? 例の用件については?」


「それは追々、まずは面白い物を見に行かないとね」


「? 何処へ?」



「留置場」




――憲兵詰所・留置場




「だせーー! こっからだせー!」


 と俺は牢屋の中で吠えていた。







「これは不当な拘束である! 国家権力による恣意的な横暴を断じて許してはならない! 弁護士を呼べ!! 世間に是非を問う!!」


「うるさい!! 黙ってろ!!」←看守


(´・ω・`)スンマセン


 まあ、とりあえずお約束をやったところで、寝転がる。


「へっへへ、なあ兄ちゃんよ」


 と目の前の牢屋に入っている男が話しかけてくる。


「なんだよ」


「弁護士だなんだと偉そうなことを言っているが、分かるぜ? 下着ドロか痴漢かなんかだろ? 男としては駄目だなぁ」


「うるせーよ! ちげーよ!!」


 俺の抗議に男はへらへらと笑っている、くっ、軽く殺意を覚えるが我慢我慢。


 と思った時だった、ガチャリと牢屋の扉が開き、将校の階級章を付けた憲兵が入ってきて、俺の姿を見ると。


「あははは!! マジで捕まってる!!」


 とルードが大爆笑を始めた。


「あはははじゃねーよ!! 捕まえたのはそっちだろーが!!」


「えーっと、ギリアンさん、罪名は下着ドロだっけ? 痴漢でしたっけ?」


「下着にも痴漢にも興味ないっすね、普通に巨乳好きなんですわ(#^ω^)ピキピキ」


「いいかい、ジョーギリアンさん、貴方の国には黙秘権はあるみたいだがこの国にはない、何故なら全部録画されているからだね、さあさ、下着ドロと痴漢についてイエスかハイかウィか是かで答えなさい」


「だからやってないっすわ憲兵さんよ(#^ω^)ピキピキ」


 刑事司法。


 これもまた、元いた世界でも、国によって全然違うから一概に言えない。


 日本の場合も細かく語ればキリがないが、一つ言えるのはどんな逮捕形態であろうと嫌疑が濃くなければならないという点は共通している。


 だけど、ルザアット公国は「怪しい奴はとりあえず捕まえて、なにも無ければ釈放」ってな感じ、要は逮捕の重たさが全然違うのだ。


 ルードは、看守に出ていくように言うと、俺に向き直る。


「ルード、んで、まじなのか?」


「ああ、そうじゃなきゃ、捕まえたりはしない」


「…………」


 俺の逮捕理由、それは。



 若い子に絡んでいたチンピラ3人が、死体になって見つかったことによる殺人容疑だ。



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