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第41話:アマテラス再生篇・大衆浴場に向かう途中で



 公国が統治する上で各都市に地方自治機関はあるが、ゼカナ都市においてクォイラ邸は事実上の治外法権状態となっている。


 ゼカナ都市でただ一人の上流であり貴族に名を連ねるクォイラは、使用人から封書を受け取っていた。


「……いいでしょう」


 と返事をして封書をしたためると封蝋をして使用人に返した。



――ガクツチ



「~♪」


 その日は、久しぶりに大浴場に行こうとギルドを早めに閉めてルンルン気分で歩いていた時だった。


 ちなみにギルドの経営時間はまちまち、有力ギルドなんかは有事の際に備えて24時間営業しているところもあるが、俺みたいな弱小ギルドは、まあ夜になったら閉めるって感じ。


 んで俺の自宅にもちゃんと風呂がある。風呂に拘る俺は大家さんに無理を言って風呂桶を準備してもらった。水は潤沢にある国なので毎日体をごしごしと洗えるから不自由はしていない。


 とはいえ、偶にはデカい風呂に入りたい。んで都市には日本と同じく有料の大浴場があってそこは庶民の場での交流みたいなもの、ホヴァンともそこで知り合った。


 そんなこんなで風呂道具をもって裏通りを歩いている時だった。



「おい、お前さ、誰の許可貰ってさ歩いてんの?」

「ここら辺さ、マフィアの縄張りなの知ってる?」



「…………」


 なんだ、犬か、別に何事もない……。



「俺達さぁ、ここを通る奴らから金取れって脅されててさ」

「分かるよね?」



「…………」


 やっぱり、聞こえて来たなぁ、はーーーー。


 と声がした方向を覗いてみると。


 チンピラの3人組が、大体10代ぐらいの若い子に絡んでいた。


(ベタに絡まれているなぁ)


 治安。


 ルザアット公国は世界では強国の一つに数えられている。


 だからちゃんと国家が暴力装置を独占している。っとそこら辺は語ると長くなるから機会があれば語るとしてだ。


 これも国によって様々だけど、まあ、大体アメリカの中程度ぐらいと思ってもらえれば良し、貧困層もいるし普通にマフィアもいる、ざっくりいうと日常生活を送る分には問題ないが、当然に凶悪犯罪も起こるといった感じ。


 それにしても見た、見てしまったなぁ。


 はぁ、しょうがないかぁ。


 とコツコツと近づくと、俺に気が付いたチンピラ3人組は俺の方を見る。


「あ? なんだお前?」


 と睨んできた、それを受けて俺は。


「いけないでゲス!!」


 と睨んできたチンピラ1人の腰にしがみつく。


「カツアゲは悪いことでゲス!! 辞めるでゲスーー!!!」


 と思いっきり大きな声で騒ぎ立てた。


「ちょ、こ、こいつ!!」

「てめえ!!」


 と振り上げた手がバキっと顔面に直撃、殴られた俺は地面に転倒して、更に。


「「「ごらあぁあ!!」」」


 と叫びながら、チンピラ3人組から殴る蹴るの暴行を受ける。


「はあ、はあ」


 ひとしきり殴る蹴るの暴行を受けた俺はグッタリとしている。


 反撃しないと判断した一旦チンピラ3人組は息を切らしながら俺を上から睨む。



「な、なんだよ」

「ちっ」

「弱え、くせによ!!」



 と一呼吸置いた瞬間。



「だから駄目でゲスよーーー!!!」



 と復活して俺は再び腰にしがみつく。


「な! なんだ!」

「やめろ!!」

「う、うるせええええ!!!!」


 と首根っこを掴まれてなぎ倒されると再び。


「「「ふざ、けんじゃ、ねえ!!」」」


 と再び殴る蹴るの暴行を受ける。


 そんな中チラッと見ると、まだ男の子がいた。


(早く逃げろ!)


 と視線をじっと送ると、やっと気が付いたのか、ハッとして走って逃げて行った。


 よしよし、後は時間稼ぎのため、ひたすら殴る蹴るを受けた後。


「はー! はー!」


 と怒りが収まるのではなく、息切れしてチンピラが離れるが。


「勘弁してくださいでゲス! 助けてくださいでゲス! ボクは後衛担当で物理は無理でゲス! でも無理矢理絡むのは良くないでゲスよーーーーー!!!!」


 と再び膝にしがみつく。


「う、う、うるせーー!!」


 とスタミナが切れたチンピラたちは、怒鳴るだけで。


「暴力はいけないでゲス!! 親御さん泣いているゲス!! よくないでゲスヨオオオオォォォ!!」


 と膝に頬ずりをしまくると。


「「「ギャアアア!!!」」」


「なんだこいつ!!」

「もう行こうぜ!!」

「頭おかしいんだよ!!」


 と罵りながら消えていった。


「…………」


 姿が見えなくなったところですっと立ち上がる。


 もちろんダメージなんてない、無敵の戦闘能力万歳だ。


 まあ、ボコってもボコってもケロッと立ちあがって膝にしがみつかれて頬ずりされては怖いだろうな、まあ、あれで逃げるのなら可愛いものだ。


 向こうが殺すつもりならこっちも殺すつもりだった。


 これがアメリカの中程度と称した理由、ちなみに本当に治安の悪い国は、そもそも相手の生死なんて気しないレベルの犯罪を日常で敢行してくる。


 ってな訳でボコボコ程度なら穏便に終わらせたる、近所で騒ぎを起こすと色々と面倒だし、大家さんにも迷惑かけるし。


「それにしても、アイツら見ない顔だったな、全くもう、すっかり汚れてしまったけど、まいっか~、風呂行く途中だったし♪」


 と風呂道具を拾い上げると最後に男の子が逃げた方向に視線を送る。


(ちゃんと逃げ切れよ)


 悪いが最後の面倒まで見る程お人よしじゃない、今回みたいに偶然が味方しない限りはもう助けないからな。


 表通りなら憲兵もよく巡回しているから、そこを歩きなさいね。





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