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第106話:作戦説明


 高難易度クエスト。


 討伐クエストにおいてクラスC以上の魔物の討伐クエストが高難易度に位置する。


 今回の場合、依頼者は公国となり、実は公共クエストに位置する。


 ただ一つ違うのはクエスト受注は、管理が冒険課、実務が世界ギルド支部が仕切る事になる。


 何故冒険課と世界ギルドが連動するかというと公共クエストは「税金で運営されているから誰でも受注できる」という建前が存在するためだ。


 高難易度クエストに対して当然そんなことをしたら無用な手間や事故が多発するのは容易に想像できるため、世界ギルド支部を間にかませるのだ。


 その建前を通した後に誰も受注者がいない場合に、都市の有力冒険者が参加する仕組みになっている。


 そして受注の信用についてヒュレンの名前を使い受注する事が出来たのが現在の状況。


 クラスCの魔物については何回か触れているが、単純な強さでは人は絶対にかなわない、ただ弱点が存在して、そこをついて勝つことができる。


 とはいえ繰り返すとおり一歩間違えれば殉職者も出しかねない危険なクエストであることに変わりはない。


 だから、やるときまったらマジにやる。


 ルアに死を与える言った言葉は嘘ではないが、最良を目指すのは当然のことだ。


「なれば皆さん、まず体制表と、討伐報告書を配りますので皆さん読んでください」



前衛 

 ホヴァン、ルア

中衛

 ギリアン、テック(回復魔法使い)

後衛

 テドン、キキイド、シプラー3名(弓兵)、サラット(バフ・デバフ魔法使い)



「さて、まずこのクランの総指揮官は私です、そしてそれぞれの指揮官についてですが、まず前衛については、ルア」


「はい!」


「お前がやれ、ホヴァン、いいか?」


「分かってるよ、指揮官としての能力はルアちゃんの方が上だからな」


「サンクス。ルア、ホヴァンは自分で言ったとおり今回の魔物と交戦経験が何度かある、だから先輩でも遠慮なく使え、躊躇は死に直結するぞ」


「はい! 頼りにしています、ホヴァンさん!」


「えへへぇ~、もちろん(デレデレ)」


「(……まあ本人が納得しているのならいいか)そして中衛についてですが、俺が総指揮官を兼務します。そして私とテックがコンビを組んで所謂、遊撃隊として動きます。そして撤退時の殿を兼務、テック」


「はい!」


「疲労回復をさせることができるお前は、全員の回復役に徹底しろ、お前のことは俺が守る」


「はい!」


「さて、後衛ですが、今回の肝となるのは、お三方の弓兵です。商会長さんの号令の下、弓での攻撃をお願いします」


 俺の言葉にシダの面々が頷く。


「後は、作戦時の指揮官の序列を決めておきます」


 指揮官の序列。


 今指定した指揮官が指揮不能となった場合にも備えておかなければならないから、普段から決めてあるクランも多い。


 厳密に決めてある場合もあるけど、例えばアマテラスでは、俺の不在時はクォイラとなっているが、俺が1人行動する事も多く、最初から最後までクォイラだったりするから、それはクランの運用により異なる。


 んで、指揮官の序列を決める目的は如何に無事にクエストを終えられるかだから、俺達の場合は生き残る可能性が高くかつ冷静に状況判断ができる人材、つまり。


「シダのクラン長であるテドンさん、よろしくお願いします」


「わかった」


「それと、今回の魔物に誰か1人でも殺された場合は無条件撤退とします、当然助けません。というよりもテックは知っていますが、この魔物は食べている間は獲物に夢中になる習性があるため、食べられている間にさっさと逃げましょう」


「「「「「「…………」」」」」」」


「さて、次は生態報告書と討伐報告書です」


 敵を知り己を知れば百戦危うからずとはまさにそのとおり。


 全ての情報は共有される。


 別に特別な事じゃない、ゲームだって敵を倒すときに攻略情報を仕入れて戦いを挑む、弱点属性やら行動やらで戦い方を変える、それは現実でも変わらないというだけだ。


 今回のターゲットはクラスCトカゲ型。


 最強の攻撃手段は噛みつき、咬合力は10トンに及び、噛まれたらそのまま一巻の終わり、助からない。


 次に尾を振り回しての攻撃、この場合ルアとホヴァンなら喰らっても即死する程ではないが、打ち所が悪い場合は致命傷となりうる。


 防御力については固い皮膚で覆われており、近接武器は通らない。弱点は腹の部分だが、潜り込んだところで体重は15トンになるため押しつぶされる。


 とにかく防御力特化型で、その代わりスピードとスタミナは低い。


「討伐例はありますが、報告書のとおり一番安全なのは落とし穴に嵌めて上から一方的な重量攻撃です。ですがそれだけの穴を掘り誘導し、あの固い皮膚を通す重量攻撃は、とてもこのメンバーではできません、そして」


 殉職事例。


「報告書のとおりこの種類の魔物は実際に人を殺して食っています。更にこのクランは仲間を襲われてパニックになり助けようとしたり、逃げる時に動転して崖から転落したり等の二次災害を生み全滅、ギルドへの報告もなく、最終的に巣で食い散らかされた状態で発見になった事例ですね」


 全員がシンと静まり返る。


「よって私の命令違反があった場合、若しくは皆さんがパニックになろうものなら、私の身の危険にもなりますので、私もまた皆さんを置いて逃げます。1人でも多く生還するのがより良い結果となりますから」


 俺の言葉に全員の顔を見てみる。


「「「「「「…………」」」」」」


 そうか、ある程度の覚悟は決めてあるか。


「さて以上が心構えです。つまり我々は安全な策が取れないのでリスクを取る必要があるということ」


 俺はいったん言葉を切り。



「今回の作戦について伝えます、今回の作戦は二段階に分けて行いますので、心して聞いて下さいね」



 と説明を開始した。




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