3-1 Medal of Honor and Assassination
ミュジケール襲来から一週間が経過した。当初は街も入口付近がほぼ崩壊しており死者も50人以上出ておりかなりの大事件と街の人々に記憶されたらしい。これを皮切りに1日2日はノピリ教の方々が街を巡回しながら魔人の差別、本人がいうには魔属が今回のことを起こしたので魔属はやはり悪、人と共存などもってのほか。今すぐ魂の浄化のために入信しなさいなどと騙っていたが店の方々などに「んな事行ってる間があったらお前もとっとと修復を手伝え馬鹿野郎。」のようなことを言われ全く意に介さなかったため諦めてくれたらしい。
一方俺含めそのほかの人達は街の修復に出た。早馬からの騎士団も来てくれており、ギルドの人も騎士団の人もみんな一緒に街の修復を手伝った。特に魔人や人獣はめちゃくちゃ力持ちなのを活かして材木を山ほど持っていた。そこら辺大丈夫なのか?とナサールに聞いてみたところ「まぁ、魔人の力を使って、人を手伝えるなら、それこそ、私は、魔人冥利に尽きるよ。」と言いながら材木を10本くらい運んでた。そういうもんなんだな。獣の体した種族まで出てきて手伝っているし。
まぁ、そんなこんなで家の片付けや修繕をしながらこの一週間は過ごしていた。最終日になると全壊になってる家を除きほぼ修復は終わっており全壊の家も代わりに住む家が決まったようだった。なので本当の建築家と騎士団等一部の人々や希望者の魔人などを除き自由行動になった。ギルドの任務も王都から一週間は休んで街の修復に活かせと言われたため最後の一日はどうしようとなりみんなで話した結果、みんなそれぞれもっと詳しく街を探検し、それぞれ良かった店などを紹介してみようってことになり、ウトナをウロウロしていた。すると一店のポーションなどを売ってる魔法雑貨を含めた雑貨屋さんがあった。看板の名前……読めない。でもなんか雰囲気がすごいいいな。入ってみるか。
「失礼します。」
「はーい。っときゃあ!」奥からすごい女性の叫び声が聞こえたので大丈夫なのか?と思いながら駆け寄ると1人の魔人の少女がすっ転んでいた。
「い……いらっしゃいませ。」
2
いつも通り、起きて、服を着替え、外に出るとアリシア達が待っていた。今日は昨日行って気になったお店を1人1店舗紹介するらしく、まずは誰から発表しよっか。ってなった。
「まず大体どんなお店か把握したいんだけど。あ、私は食べ物系だから出来ればお昼前後がいいな〜。」
「じゃあ、アリシアのをお昼前後にしましょうか。私は何時でもいいですよ。」
「マレはね〜。ちょっとお茶会のイメージだからおやつ時が1番いいかも〜。」
「自分は、何時でも、」
「私はそもそもアリシアと一緒に言ったしね〜。」
「そだね〜。」
「俺も何時でもいいよ。」そのあとも朝飯を食べながら話は進み結果、ソリス→ナサール→アリシア&ルーナカミ→俺→マレという結果になった。
「じゃあまずはソリスだな。どこ行くんだ?」
「そうですね。私の趣味は様々なものを集めたりするので、武器とかも鑑賞するんですよ。なので今回は武器屋さんに行きましょう。前行った武器屋さんとはちょっと違いましてあまり見た事がない武器も売ってるんですよ。」
「へ〜。前の戦いの中で剣バキって折れたというか食われたからな。」
「食われた?鉄の剣が?」
「あぁ、あの暴食の女にな。」
「あ〜。なるほどね〜。」
「じゃあ新しい剣揃えていかないとですね。」僕らはそのあとソリスが紹介していた武器屋に行った。内部はほんとよく手入れされた武器屋って感じだった。武器もよくある剣や刀、大斧や弓矢盾や鎧の他に杖もありさらにほかに見たことないような武器まであった。和弓やブーメランは分かるけどほんとに見たことない武器まであるな。
「いっぱいあるね〜。」
「なんか、魔界輸入の武器もない?」
「お?お前さん魔人か?」
「ん。そだね。それとあれ、」
「あぁ。あれか?」武器屋の店主はナサールと話しながらバランスボールぐらいはありそうな鉄球と大鎌がついたモーニングスターを指した。あれ当たるだけで大抵の魔獣は骨砕け散って跡形も残らなそう。
「あれは数年前から置いてるものだな。魔界最強と言われてるアダマンタイトで出来てるんだがな。サビに強いものの問題はあの大きさだ。恐らく1.5tはあるだろう。破壊力こそ抜群だが、人間一人じゃろくに持てないし、あの重さはさすがの魔人や悪魔でも重すぎるってことであそこにずっと買うこともなく置かれてるんだよな。どうだ?買うか?」
「いや、大きすぎるし、やめとくよ。売主に売却した方がいいんじゃない?」
「まぁ、そうしたいのは山々なんだがこれを売りに来た魔界商人は独特でな。父親にも聞いてみたんだが俺の前に来たのはないらしい。父親は50年前からやっているからな。恐らく50年前か1回ぐらいしか来ないだろう。遠い未来にまた戻ってくる可能性もあるがとりあえずは来るまではここに置いておくつもりだ。」
「そうなんだ。」
「ね〜ね〜!これは?」
「それはチャクラムだな。南東にあるイディアという国が由来の輸入武器だな。フリスビーのように投げて攻撃するのが主な攻撃方法だ。弓矢よりかは威力は低いが刺されば広範囲を傷つけることができるな。」
「これは、手裏剣ですね。確かワという国で作るんでしたっけ?」
「あぁ、鐡という鉄に似た鉄より硬い何かで出来ているんだ。投擲武器で距離さえ良ければ弓より強い投擲武器になるんだぜ。あと、小さいところでも打てるぞ。」
「へ〜。」
「そうなのか。刀もあるし、これは薙刀か?」
「あぁ。他にも金棒にスリングショット、クナイまであるぞ。」
「ほんとにこの世のほとんどの武器が揃ってるんだな。剣折れたしちょっと後でもしいいのがなければここの武器買うか。」
「そうですね。」
「うん!私もそろそろ矢が切れちゃいそうだからね〜!」そのあと色々話し、1時間ぐらい回ってナサールのところに行くことにした。
「ナサールはどこをおすすめするの?」
「お店というか……図書館なんだけどさ。結構大きいんだよね。」
「へー。それも魔女がやってんのか?」
「ん。魔法少女と精霊1人ずつという感じ。ただちょっと特殊な魔法少女でまぁ、見れば分かるでしょ。」
「ふーん。」
「じゃあ連れてって!?」
「ちょっ……抱きしめないで」ナサール達はその後イチャイチャして図書館に向かってった。確かにかなり広く体育館をふたつ横にくっつけたようなサイズをしていた。この中に数々の蔵書があるし、2人でしか居ないんだ。管理とか大丈夫なのかな。
「失礼します。」ナサールはそう言うとガチャとドアを開けた。そこには2人の少女というか幼女がいた。
「お!ナサール!と……あぁ!昨日言ってた仲間ってこの子達か!」125cmぐらいの片乳が頭より一回り大きいぐらいのロリ超乳。紫色の魔女帽子を来て黒髪を腰までのロングにしてるのとほよっとした感じの黒目。薄紫色のロングワンピースに黒いロープを羽おり今にもはち切れそうな紫色の極太のボタンみたいな紐で脱げないようにしている13歳ぐらいの女子が言った。
「ん。」
「じゃあ!自己紹介するね!私はムーンディスク!魔法少女!」
「そして私はムーンディスクの精霊!バームホルデ!よろしくねー!」140cmぐらいのロリ巨乳。金髪を肩までの緩く絞った癖付きのツインテールにしたのと緑色の目。薄レモン色のロングワンピースを着て革靴を履いた女の子がムーンディスクの後ろからピョコンと現れた。
「2人で図書館の司書さんやってるのか?」
「うん。まぁ、私が分身できるから単なる1人って訳じゃないけどね!」
「ふ〜ん。」
「分身?」
「うん!分身魔法うちめっちゃ得意だからね!」
「ん。」
「自分はね〜。体を変化させる魔法が大の得意なの!例えば巨大化魔法とか〜!膨乳魔法とか〜!分身魔法とかね〜!」
「おっぱいただでさえ大きいのにもっと大きくできるの〜?」
「ん!任せて!」
「おい。やるとしてもあまり人目のつかない場所でやれよ。」
「そもそも人前でお風呂でもない限り裸になったりしないようにして欲しいんですけど……。」
「まぁ、そこは。」
「この子の特性上ある程度は仕方ないからね。」
「じゃあせっかくの図書館だし本でも読もっか。」
「そだね。」その後僕らはバラバラになり本を読み始めた。見た感じさすがに王都の図書館よりかは量は減っているが幅が広く本棚と本棚の間に結構大きな感じの長机と椅子があった。どうやらそこに座って本を読むらしい。王都の図書館は勉強施設も兼ねてるせいで勉強してる横で本を読まないと行けないから何となく罪悪感があるもんな。
そう思いながらそこにある長机や本を読んでるといつの間にかかなりの時間が経っているようでフラっとムーンディスクがきた。
「よ。」
「おう。それにしてもかなり広いなここ。2人で大丈夫なのか?」
「そりゃね。う〜んしょ。こんな感じで私おっきく出来たり分身が出来たりするからね〜。」そう言うとムーンディスクは俺と同じくらいの目線まで巨大化した。体全体が大きくなる感じなのか。なんか体よりも胸の方がギチギチ言ってて今にも破裂しそうだけど大丈夫なのかな。そう思ってると「バン!」という凄い音がして紐ボタンが取れた。紐ごとちきれなくて良かったな
「あっちゃー。また取れちゃったか〜よいしょ。最近ちょっと巨大化するとすぐ取れちゃうし最悪ちょっと無理な姿勢とると巨大化しなくても取れちゃうんだよね〜。新しいの買おうとしてもこんなロリ超乳サイズに合う服なんて中々ないしね〜。」ムーンディスクはそう言いながら元のサイズに戻り無理やり紐ボタンを閉めた。ものすごい窮屈そうでパンパンだな……
「そうなのか。」
「うん。ある程度は服のサイズをそのまま巨大化させることができるし元に戻すことも出来なくは無いけどさ〜。元々の服のサイズから大きくしてるからね。まぁ、仕方ないよ。元々巨大化って服を犠牲にしやすいって感じだしね。それなのにこんなに扇情的な体してたら合うサイズも自然と少なくなるのは当たり前だよ!」
「扇情的ね……そもそも何歳なんだ?」
「12歳!だけど誕生日は来月ぐらいに迎えるからほぼ13歳と考えて支障はないね!」
「ふーん。12歳ね〜。」僕は少し呆れるように言った。まぁ、確かに胸は非常に、というか、異常に膨らんでいるが体がそもそも年が13歳というのに身長が8-9歳の子供と同じぐらいしかないからな〜。それはもはや扇情的と言えるのか?というか稀とはいえ125cmぐらいでロリ超乳の12歳に110cm~120cmぐらいなのに上半身や膝まで胸に包まれてる女の子がいるこの世界……ちょっとおかしいな。まぁ、アリシアとかプオラートの時点で非現実的なサイズだからおかしいと言えばおかしいのか。
「うん!」
「その割には背小さくないか?125cmぐらいしかなくない?」
「む〜。確かにおっぱいのものすごい成長に栄養を吸い取られた影響で背は小さいけどさ〜。ある程度は巨大化してどうにかするよ。体全体の巨大化だからちょっと見た目はおかしくなるかもしれないけどまぁ、140-150位に巨大化するぐらいだったら見た目にある程度違和感を生じないんじゃな〜い?」
「まぁ、そうかもな。」
「あ、そういえば何時なんだ今。」
「そろそろ12時になりそうだよ。そろそろお昼になるから今分身使って呼んでるところだよ。」
「分身ね。もしかして盗みが発生した時もそれやってるのか?」
「うん!巨大化と分身で犯人をおいつめて捕まえるんだよ〜!」
「そうなのか。あまり捕まりたくはないな。」
「ま、違法行為しない限りは捕まえたりはしないからね!そこら辺は大丈夫だよ〜!」
「ふ〜ん。ならいいや。時間的にもうそろそろお昼の時間帯だし呼んでくるか。」そう言うと僕はその本を元々あったところにしまい入り口で待っていた。
「お、みんな来たな。」僕が入り口で少しだけ待ってると確かに分身されたムーンディスクと一緒にみんな戻ってきた。アリシアは天井よりちょっと低い程度に巨大化しているムーンディスクの隣に居るし、ルーナカミはムーンディスクの胸をわしゃわしゃ揉みながら帰ってきてたし。ほんとそういうのは自由なんだな。もしかして本棚と本棚の間が長机と椅子が置かれるほど広かったのはそのせいか?
「じゃあそろそろ行きましょうか。」
「そだね〜!ルーナカミ〜こっち〜。」
「ほいほーい!」そう言うとルーナカミはアリシアに抱っこされた。この後は2人で紹介するらしい。最初はバラバラだったがアリシアが途中でプオラートを見つけ、そこで色んな話をしている途中にルーナカミが同じ店を見つけ、その結果同じところになったらしい。2人が気に入るってことはちょっと、いやかなりHなお店なのかな?お昼時にちょうどいいお店ってことからサキュバスたちが運営する性風俗店でないことだけは分かるけど。なんか心配だな。
「一応聞くけどえっちいお店では無いんだよな。」
「うん!」
「私も入ることが出来たんだから風俗の店でないことだけは確実だよ!」
「一応先にお店の内容言っといた方がいいかな?ランチが食べれる店だよ!」
「ならいいや。」
「なら安全ですね。」
「そうそ〜う!だから安心して〜!」その後僕らは2人が決めたお店の前に辿り着いた。「そのお店はメイド喫茶 カリューナ」と書いてあった。メイド喫茶か。まぁ確かに2人にはピッタリな店紹介だな。
「メイド喫茶ですか。」
「そう!」
「しかもただのメイド喫茶じゃなくてね〜!」
「ん〜?まだ何かあるの?」
「まぁ、そこら辺は来てからのお楽しみにしましょうか。」
「ん。」
「まぁ、そうだな。」そういったあと僕らは店の中にはいった。
『お帰りなさいませ!ご主人様方!』店に入るとメイド喫茶独特の挨拶「お帰りなさいませ」構文が店内に大きく響いた。うるさ。
「こちらはお客様で宜しいでしょうか。」
「お仲間みたいな感じ!」
「そうなんですね。大変失礼致しました。」
「こちらの席にお連れしますのでどうぞお座りください。」
「了解!」僕らはその後アリシアに着いていき玄関に近い席に座った。
「見た感じ結構本格的なメイド喫茶なんだな。」
「そうですけどメイド喫茶なら普通に何店舗か存在すると思いますしおすすめするにはなんかの理由があるでしょうね。」
「ん!そだよ〜!このメニューを見て〜!」アリシアはそう言うとメニュー表を全員に渡した。そこには普通のメニューとともに「お昼時でちゃんとルールを守ってくれる人限定、メイド服体験セット。6000L」と書いてあった。
「ほう。」
「メイド服を着せてくれるんですか。」
「そだよ〜!サイズがある人限定でもあるけどさ〜。普通のお昼ご飯のパンケーキとかと一緒にメイド服が着れるセットがあるんだよ〜!これかなりレアじゃない?」
「かもね〜!」
「私も気になりますね。」
「私も、きれるのかな?」
「サイズが合えばきれると思うよ〜!」
「子供服の方がいっぱいサイズもあると思いますからね。おそらくサイズはあると思いますよ。」
「じ、じゃあ、私も……」
「私も着てみましょうかね。気になりますし。」
「私も着れない?」
「妖精サイズのメイド服はあったかな〜?ま、そこら辺は相談だね〜?」
「そだね〜!あ、湧太はどうすんの?」
「そうだな。大盛りのランチパンケーキセット頼むとするよ。」
「分かった!すいませ〜ん!」
「どうかしましたか?ご主人様?」
「あ、すいません。質問なんですけどこのメイド服セットって妖精用のやつはありますか?
「そうですね……この子のサイズなら1着だけあると思いますね。ただ使ってる可能性もあるのでそこら辺はご了承ください。」
「あって良かったね〜!」
「ならそれを5つください。それとランチパンケーキセットの大盛りをください。」
「わかりました。それぞれのお飲み物を教えてください。」
「オレンジジュースで。」
「ミルクティーお願いします。」
「ぶどうジュース!」
「麦茶で頼むわ。」
「んと……レモネード。」
「オレンジジュースお願いします!」
「わかりました。それでは。5人こちら来てください。」店員さんがそういったのでアリシア達は店員さんの後ろをついて歩き出した。
「ちょっとまっててね〜!」
「おう。」そう言われた通り五六分待つとみんなメイド服衣装になって帰ってきた。アリシアは普通の服だとメイド服のサイズがないのか北半球がしっかり見えておりソリスも少しだけ谷間がみえていたのもあって結構セクシーな衣装になっていた。特にアリシア見えちゃいけないギリギリまで見えてないか?露出度高すぎだろ。
「帰ってきたよ〜!」
「ただいま。アリシアの服大丈夫なのか? 」
「うん。なんかさ〜私のサイズになるとソリスみたいな服はさおっぱいが大きすぎるせいで着れないからこういう風におっぱいの上の方が見えるような服しかないらしいよ。プオラートも私と同じくらいのおっぱいあるから同じような服きてたんだけどさ〜。すっごい恥ずかしがってたんだよね〜。」
「まぁ、プオラート恥ずかしがり屋さんですもんね。それにそのような服を着ることになったら確かに恥ずかしいのもよく分かりますよ。」
「まぁ、とりあえず座ろ〜。」
「ん。」
「そだね〜!みんなすっごく可愛いっし〜!」
「あぁ、似合ってるぞ。」
「……ほんと?」
「あぁ。ナサールも似合ってる。可愛らしいぞ。」……なんか恥ずかしいな。
「……良かった。」
「それじゃぁ料理を待とうか。」
「そだね〜!」その後数分待ってるとパンケーキとベーコンと目玉焼きとコーンポタージュとジュース類が届いた。僕らはぺちゃくちゃ話しながらそれらを食べた。
「そういえば帰る時はどうしたらいいんだ?」
「店員さんに行って〜。また着替えて〜。その時に汚れがないか確認。洗って落ちるものなら普通にそのまま返すけど血とかの洗っても落ちないものが付いてるならメイド服代を弁償してもらった後着替えるって感じだよ〜。」
「そこら辺結構厳格なんだな。」
「そうですね。まぁ、だからこそこんなこともできるって感じがしますが。」その後気が済むまで喋りメイド服も飽きたところでそろそろ帰るか。と促し、着替えてお金を支払い店の中から出た。
「次は僕だな。」
「そだね〜!次はどんな店なの〜?」
「えーと、魔法雑貨というかもうほんと色んなポーションとか武器とかを売ってる店でな。魔人が経営してるんだよ。結構珍しいしもしかしたら今後なんかの役に立つのかもしれないしな。」
「かもね〜!」
「魔人が経営してるってのもなんか面白そ〜。」
「どこにあるの?」
「楽しみ〜!」
「それじゃあいっこいっこ〜!」
「おう。こっちだ。」そう言うと僕は道を紹介し始めた。10分ほど食後のウォーキングも兼ねてゆっくり歩き店の前に辿り着くことができた。
「これだな。看板は読めないけど見た目上すぐ分かる。」
「デジャラー・ロイ。魔界語で友情って意味ですね。どうやら今日は開店中ですね。入ってみますか。」ソリスは看板の名前をよんだ。そんな名前してたんだ……。魔界語。確かに読めないわけだ
「そうだな。」そう言いながら僕らはドアを開けた。
「あら、いらっしゃいませ。……?」
「あ……」ナサールはそう言うと一気に崩れた。どうした?
「ナサール?どうかしたの?」
「ま……待ってください。ナサール?」
「はい。そうですが……?」
「レルルお姉ちゃんだよね?」
「は……はい。」ナサールとその子はそう言うと互いに近づき泣きながら抱きしめあった。
「え?」
「なにこれ?」
「どういうこと?」
「……とりあえず今はそっとしときましょう。落ち着いた時に一体何があったのか聞きましょう。」
「う、うん。悪そうな感じでは無さそうだしね。」その後ふたりが泣き止むまで待った。
「……ぐすん。」
「おつかれ!で、誰なの?」
「あ……説明してなかったね。この子はレルル。魔界のにいた頃の隣人で500歳、人間に換算すると10歳ほど歳が離れてたこともあってお姉ちゃんみたいな感じで仲良くしてもらっていたの。」
「というわけで皆さんこんにちは。レルルと言います。言われた通りナサールが魔界にいた頃のお隣さんです。先程は会えると思ってなかったのに再会したことに感極まって泣いてしまいました。」155cmぐらいの普乳。黒髪を腰までのポニテールにしたのと黒い目と黒の真っ直ぐでちょっと短い一対の角。黒い半袖とロングスカートの上に黒いエプロンを着て黒のスニーカーを履いた20歳ぐらいの女の子はそう言った。そっか……幼なじみか……。
「いや〜いいよいいよ。数百年ぶりの再会なんて喜ばしい限りだしね〜!」
「久しぶりの再会、しかも会えるとは思ってなかった人との再会ですからね。」
「泣くのも分かるよね〜!」
「まぁ、良かったな 。」
「ん〜。そだね〜!」
「それにしても数百年以上前ってすごい前だな。よく覚えてたな。」
「まぁ、人間に換算すると7年ぐらいしかたってないし、それに意外と見た目とか変わってなかったしね。」
「これでも背は5センチは伸びたんですけどね。」
「あ、そうなんだ。」
「そちらはかなり伸びましたね。」
「まぁ、これでも成長期のときにこっち来たからね。」
「なんで帰って来れなかったんですか?」
「ん〜とね。お母さんとお父さん殺されちゃってさ、それでその村に300年間取り残されちゃってさ。それでやっとこの人たちに色々あって助けてもらったの。」
「どうも〜。アリシア!エルフだよ〜!」その後僕らは自己紹介をした。レルル曰く、ナサールが居なくなったあとはナサール探しのために出る前に旅行の行先として上げられたこちらの国の言葉を覚え、ついでに手に職をつけるためにこちらの3級魔導師試験も受け、さらにクリス王国内で数年間修行したあとウトナに来てこのデジャラー・ロイを建てたらしい。数年前から来てたんだなと思ったが大都市はほとんど探し当てていなかったから半ば諦めていたらしいらしい。まぁ、ナサール住んでたところ数百人ぐらいしか居ないって言ってたもんな。そんな小集落なんて全部探すのは無理だし。
そういえば……
「ん?今更だけどさ。なんか手おかしくない?」
「あぁ。気づいてしまいましたか。私指が6本あるんですよね。ほら。」レルルはそう言うと手をグーパーグーパーした。確かに手の指が6本あり普通の人とは違ってた。
「珍しいね〜!」
「そうですね。」
「すごいすご〜い!」
「いいな〜!」
「湧太も驚いたでしょ。」
「まぁ、初見時は確かに驚いたよな。」
「私もこれで相当苦労しましたけどね。ほら、例えば、ポーションの一部の材料とか扱い品って最悪魔人でも手が爛れるのがあるじゃないですか。それで手袋を買う必要があるんですけど普通手袋と言えば5本指用か防寒や火傷防止用に人差し指から小指が一緒くたになってる手袋か人獣属用の手袋しかないじゃないですか。だからオーダーメイドしてもらう必要があったんですけどそれに気づいたのは実技試験の数日前のことでして……何とかして作ってもらったのはほんとありがたいことでした。」
「そうだったんだな。」
「はい。」
「……そういえば働いてる人はレルルだけなの?」
「私だけで働いてますね。」
「へ〜。」
「小さいとはいえ個人経営は凄いですね。」
「まぁ、色々手を貸してもらってますので。例えば商人の場合は人獣属の人と一緒に買い物したり経営のノウハウを周りの人から教えてもらったりして何とか経営を繋いでるってところです。」
「そうなんだな。」
「へ〜!なんかすごいね!」
「それで何か用があってきたんですか?」
「あぁ。色々あって紹介しながらこの街を巡ってたんだけどそのうちの紹介の中にここが入っていたってわけだ。」
「なるほど。」
「あと湧太が剣折れちゃって新しい剣を探さないと行けないからそれも兼ねてですね。」そのあと僕らは30分ぐらい色んなことを話した。特にナサールの話は盛り上がり昔の話をめいっぱい聞くことが出来た。
「そ〜そ!あ、あと思ったんだけどさ〜。結構品揃え豊富なんだね〜!」
「あ、そうですか?」
「うん!3級がどれぐらいなのかは分からないけどさ〜。結構多くて珍しいポーションも扱ってるしさ〜。攻撃ポーション、防御ポーション、回復ポーション、ほんとに色んなポーションあるね〜。」
「まぁ、さすがに惚れ薬やどちらかと言うと医者が扱う方の嘔吐ポーションや下熱ポーションはないですけど3級で買えるポーションはほとんど揃えておきました。水晶玉とかは2級試験を合格しないといけないのでそこまでは我慢ですね。」
「ポーションってな〜に?」
「ポーションは回復魔法が使えなかったり自らの体を突発的に強くしたい時に使われますね。生憎体魔法には身体能力増強魔法なんてものは存在しないのでポーションで身体能力を無理矢理あげる感じです。」
「そうなんだね〜!」
「ん〜。」
「ところで……剣が折れたって話しましたよね?」
「あ、あぁ。それがどうかしたか?」
「ちょっと待ってください。後ろの方にどうしようもなかったから隠されてたいい武器があるんですよ。」レルルはそう言うと後ろの従業員のみ立ち入り可のところに入った。すこし待ってると僕らが入ってきたドアから馬車に乗ってきた猫の姿した大きい人がきた。
「どうも。あれ?レルルは。」
「レルルは奥にいるよ!」
「あ、なるほどな。なら少し待たせていただく。」その人?獣?猫?どれ?はレルルを待ち始めた。数十秒待ってるとレルルが長い箱を持って戻ってきた。
「お待たせしました。あ、ギャナティ。今ちょっと話してるんで後で荷物とかで構いませんか?」
「分かりました。ならちょっと時間潰しますわ。どれぐらい時間潰せばいいですか?」
「恐らく10分もかからないかと」
「分かりました。それでは。」ギャナディと言われたそいつはそう言うとまた馬車に乗ってどこかへ行った。
「さて、ちょっと時間かかりましたがこれが探してた武器です。剣というより刀ですけど。これです。」レルルはそう言いながら紫色の布に包まれた黒の漆に金色の模様が着いたすごい高そうな刀がでてきた。
「すごい高そうだな。」
「そうですね。私はこの刀を最初の店で貰ったんですよ。いつか自分の店を持った時に売り物として売れよな。そっからどうしていいかよく分からなかったんですよ。すごい高かった見た目なので。でも。ナサールに会わしてくれたお礼ですのでこれ差しあげますね。」
「いいのか?」
「はい。使われないより誰かに使ってもらった方が刀も喜ぶと思いますので。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ貰うぞ」
「良かったねー!」
「ん〜!」
「じゃあもともと!」
「あぁ。」そういうと僕は刀をもった。すると刀がカタカタ震え出した。
「な……なに?」
「うぉ。」カタカタ震え出した刀をどうした?と思いながら持っていると刀が白く光だし1人の少女が現れた。少女は125cmぐらいの貧乳。白髪をおかっぱにしたのと黒目と白いお花が着いた簪。薄水色の落ち着いた感じの和服を来て下駄を履いた小学低学年ぐらいの子だった。……付喪神?
「ふ〜。……あ!こっちか。こんにちは!私のご主人様!」その子は周りをキョロキョロした後僕に向かって挨拶してきた。
「あ、あぁ。そういうことだな。」
「こんにちは〜。」
「精霊ですかね……。」
「いや、どちからって言うと付喪神だろ。」
「えーと、お名前は?」
「私の名前?鐡緋刀美。刀の名前で言うと鉄流花。よろしくね!」その幼女は飛び跳ねながら言った。その後僕らは挨拶と自己紹介をした。
「それであなたはなんですか?」
「付喪神……。まあ簡単に言うと精霊じゃな。かなり前にこの刀が作られた時にこの刀から生まれてきたのじゃ!」
「なるほど。もの精霊ですか。」
「くろがねが名前なの?」
「ううん。緋刀美が名前じゃ。名前の後に苗字じゃなくて苗字の後に名前じゃな。だからひとみって呼ぶことをお願いするのじゃ。」
「うん!分かった!」
「ひとみよろしくお願いします。」
「よろしくね〜!」
「よろしくね!」
「よろしく〜。」
「よろしくお願いします。それじゃあ湧太。精霊入ってたのは知りませんでしたけどよろしくお願いしますね。」
「あぁ。任されたわ。」
「それじゃあ別の人行こっか。」
「うん!ルーナカミの人だよね!よろしくね!」
「ん〜。ん?ナサールどうかした?」
「んとさ。最初にソリスが言った武器やさんあるじゃん。それに後で寄らして。ヌンチャク買うから。」
「了解!」
「それで……お前はどうするんだ。」
「ん?戻って欲しい場合、『戻れ』と言うと刀に戻るぞ。」
「分かった。戻れ。」僕がそう言うと刀の中に戻ってきた。
「おう。」
「精霊中に住んでいたんですね。今日は会えると思ってなかった人に会わしてくれてほんとにありがとうございました。」
「ん。こっちも嬉しかったよ。たまに会いに来ていい?」
「うん!いいよ!」
「むしろ思う存分会ってください。」
「それじゃあ〜!」
「バイバイ。」
「さよなら〜!」
「じゃ〜な。」
「ありがとうございました。また来てくださいね。」その後一旦街の中央部に戻りその後ルーナカミの所に行った。
「ジム・アリファ……?」
「そだよ〜!筋トレするところなの!」
「よ〜し!運動いっぱいするよ!」
「ランニングとかあるのか?」
「ないですよ。」
「まぁ、なら別のやつやるか。」
「そだね。」
「私用のあるかな?あったらいいんだけど……」
「まぁ、妖精用のはあるのを祈りましょうね。」
「ワクワク!」その後僕らはジムの中に入ってった。中は結構混んでおり男性だらけだったが数人女性もいた。
「こんにちは。一日体験でよろしいですか?」
「そうですね。」
「分かりました。それでは、1人あたり1000ルナシェスとさせていただきます。」
「わかりました。今払いますか?」
「いえ。少々お待ちください。」店員さんはそう言うとちょっと後ろの方に行き鍵を6つ持ってきた。
「こちらがあなた方のロッカーの鍵となっております。当店では希望者にはタンクトップとホットパンツを貸し出しております。奥の更衣室でお着替えください。シャワーも15分300ルナシェスで使えるので使ってください。」
「ねぇねぇ〜。」
「妖精用のバーベルとダンベルもあるのでご安心ください。ただ。妖精用のタンクトップ等は提供サイズが少なくなっていることをご了承ください。」
「ん!ありがとう!」
「私はスカートなので着替えてきますね。」
「私も〜。」
「私もいってくる。」ソリス、マレ、ナサールの3人はそう言うとタンクトップとホットパンツを貰い奥に入ってった。……あれ?元からズボン履いてるルーナカミはともかくとして……アリシア?
「お前は着替えないのか?」
「ん〜。」
「めっちゃ汗かくと思うぞ。それにスカートだったら問題点大ありだろ。」
「湧太は?」
「僕?僕はこれジャージって言ってタンクトップと同じようなもんだからいいんだよ。なんかルーナカミも通常の服で行ったけどあっちはあっちで多分タンクトップとかが未対応だったんだろ。子供がジムに来ることなんてそうそうないと思うし。そもそもルーナカミはズボンだし。」
「ん〜……。だね。パンツ見えると思うし着替えてきますか〜。」アリシアもゆっくりとタンクトップとホットパンツを貰い更衣室に向かった。その後運動の準備をしてるとタンクトップとホットパンツに着替えたみんなが戻ってきた。アリシアへそが見えてるし下から胸が見えないようにピチッとした感じのタンクトップを着てるのもあってほぼスポブラにしか見えない……。
「戻ってきたよ。」
「おう。じゃあ終わったらいうから。」
「ん。」その後僕らは2時間以上運動をして汗をしっとりしっかりかいた。
「あ〜。……どうする?終わる?」アリシアがびっちり汗をかき、それをタオルで吹きながらいった。アリシア150kgはあるバーベルを全力で持ち上げてたしやっぱりすごい力持ちなんだな。多分元は弓を力強く引き威力を出すことが出来るために力をつけてたと思うけどそのうちに力がつきすぎて筋トレの方が趣味になっちゃったんだろうな。
「そうだな。充分疲れたし、これで終わるか。」
「ん。みんなにも聞いてみるね。」その後僕らはみんなにどうか聞いてみ、終わることにした。
「終わりですね。」
「疲れた〜。」
「まぁ、魔人用の数百kgのバーベルもあったしね。ダンベル数百kgはさすがになかったけど持てる大きさじゃないしね……。持てる人もいないしバーベルを片手で持てばいい話だし。」
「こっちもかなり疲れました。」
「ん〜。こっちも疲れた〜。」
「でも楽しかった〜!」
その後、僕らは別々のシャワー室でシャワーを浴び着替えて外に出た。
「ん……あぁ。そういえば途中に教会あったじゃん。あそこ行かなくていいの?」
「昨日行きましたし。私別に熱心な信者って訳じゃないですよ。前に修繕の途中にナサールと一緒に壊れた教会を直すついでにみんなと一緒に祈祷していたらナサールが薄くなってしまったってのもありますし。」
「ナサールが薄くなる……?どういうことだ?人間とかは薄くなんないんだろ?」
「うん。」
「そだね〜。」
「ん〜。どゆこと〜?」
「えっと、魔属とかってさ。ちょっと聖なるものとか精霊とかに弱くてさ……。精霊に触れたり天上人に触れるぐらいなら問題ないんだけど教会に長居しているとさ体が薄くなるの。更に長居するとしたから消えていくんだけど多分それによる死亡事故とかは無いはず。ただ端から消えていくから結構早めに歩けなくなる。お腹とかが消えた場合息とかご飯とかがどうなるかはよく分からない……。」
「そうなのか。まぁ、気をつけろよ。」
「うん。」
「じゃあ。マレだね。」
「うん。でもさ……時間がまだだからね〜。ちょっとその時間まで待とうよ。」
「あ、うん。じゃあ、その間に武器とか買いに行きましょうか。」
「うん!」その間僕らはソリスがさっき紹介してくれた武器屋に戻り、武器屋でナサール用のヌンチャクを買った。その頃には大分日が傾いていた。
「よ〜し。じゃああの山の上登るよ〜準備はいい〜?」マレはそう言うとちょっと遠くにある山の方をさしながら言った。
「今から山登りですか。」
「まぁ、頑張っていこーね〜!」
「うん。」
「あぁ。この後全身かなり痛くなりそうだな。」
「ま、頑張ろ〜か〜!」その後僕らは10分ほどかけて山の麓にたどり着きその後1時間近くかけて山登りをして頂上にたどり着くことが出来た。
「よ〜し!これが見せたかった景色だよ〜!よく見て!」僕らはマレにそう言われたので頂上の景色を見た。ちょうど街の上に夕日がかかりすごい綺麗に街が見えていた。
「うわぁ〜!」
「綺麗綺麗!」
「すごいすごい〜!」
「そうですね。」
「へ〜。山の上の景色ってこんなに綺麗なんだな。」
「う〜ん!色々巡ったんだけどやっぱり自然の山から見える景色がいいって思っちゃってさ〜!ここにしたの!綺麗だしいいでしょ!」
「ん。外から山登りをするのは想定外だったけどいいかもね。」
「そうだな。山登りもたまにはいいかもな。」その後僕らは山の上からの景色を楽しみその後は景色の感想をだべりながら山を下ってった。既に全身が疲れているためゆっくり宿の中に入って夕ご飯を食べてお風呂に入り寝た。
4 Nassar ver.
――同日、夜、ウトナ近くの山にて――
「なぁ、そろそろ試してみたらどうじゃ?」
「どうじゃって何を試すの?」
「壹の上、貮じゃ。」
「貮、ね。」
「そうじゃ。」
「上になればなるほど暴走するんじゃないの?」
「まぁ、そうなのじゃが、力がその度に強くなるのであってきちんと特訓すれば大丈夫なんじゃよ。それに、どうやらお前には壹と貮の間には大した差はないらしいのじゃ。參の間には結構大きな差がありそうなんじゃなが。」
「なるほどね。じゃあ……やるか。悪魔・貮」ん……ん。何?ん?……しっぽ、増えてる……。1本から……2本に?どういうこと?
「……しっぽ増えてる。」
「そうじゃな。悪魔の場合は1につき、1本ずつしっぽが増えて来るのじゃよ。邪魔だと思うが我慢してくれ。」
「まぁ……分かった。」――――――――――――――
……かなり力強くなってる……
「もう深夜じゃぞ。」
「もうそんな時間か。布団に帰るか。」
「そうじゃな。はよ寝るといい。」
「ん。そうするよ。」