2-1 Riding in a carriage to King's Landing
遅くなりました。相変わらず稚拙ですが許してください
1
「……はよ!」寝てるところを急に声が聞こえたので起きてみるとタンクトップでカチューシャすらかけてないアリシアがそこにはいた。
「……ん。……あ。おはよう。今何時だ?」
「ん〜。朝の6時半を少しすぎたところって感じかな?どう?よく眠れた?」アリシアはそういうとくるりと回ってクシシと笑った。ちょっと背が高すぎるからデフォルトでお腹が見えてるんだな。もう少しで下乳も見えそうだしほんと色々危ないな。
「全身痛いけどよく眠れたよ。全身痛いのも筋肉痛だからだしな。」
「そう!なら良かったね!じゃあ、着替えるの待ってるから着替え次第早く出てね〜!」アリシアはそういうとバタバタと危なっかしく外に出ていった。それを見たあと、僕はゆっくりと着替え外に出たあと、アリシアに許可取ってトイレに行き、戻った。
「今日は……ん〜はぁ。どうしましょうか。」
「そだね〜。」
「とりあえず、ギルドに、任務の終了は、伝えるとして。」
「売らないといけないから、そこに行くためにギルドにでも聞いてみるか?」
「そうだね。」
「じゃあレッツゴー!」アリシアはそう言うとジャンプスキップで階段を下ってった。その後、階段を降りて、朝飯を食べたあと、ゆっくりとギルドに向かって行った。
ギルドに行ってみたものはいいものの、まだ8時前は営業時間前らしくてギルド自体は空いてなかったが、その代わり、ヨーレ達が浮浪者に向かって朝ごはんを上げていた。なんかヨーレの近くに妹みたいなエルフと人間の男子いるけど誰なのかな?
「あ、おっはよ〜!」
「おはようございます。はい、どうぞ。」
「ありがとな……」
「あれ?」
「まだ早いらしいですね。」
「そだね〜。」
「手伝うか?」
「大丈夫です。」
「うん。」
「まぁ、いつもやってることですし。」ヨーレ達はそういいながら、浮浪者にご飯を上げていた。
「そっか。そういえばこの二人の子は誰だ?」
「あたし達のこと?あたしはヨーレの隣に住んでるシャルロッティアだよ。お母さんもお父さんも仕事してて家に居ないことが多いからヨーレの家によく遊びに行ってるの。」130cm強の爆乳、金髪をボブにしたのと緑色の目、水色のお腹が出てる半袖と紺色のミニスカートを着てサンダルを履いてる12歳ぐらいの女の子が言った。歳の割に胸がでかいな。
「僕はエーミール。シャルロッティアの兄さ。」160cm弱、金髪をサイドアップにしたのと黄緑色の目。水色の半袖と紺色の半ズボンを着てサンダルを履いた13-4歳ぐらいの男の子が言った。兄妹なのか。可愛い。
「そっちはギルドの子だよね。自己紹介はいらないよ。後でヨーレ姉ちゃんに聞いておくからね。」
「うん!」
「では、終わるまで少々お待ちくださいね。昨日来なかったですからダンジョンのことですよね?」
「はい。」
「なら、これが終わり次第。ヨーレがお世話するので。」
「ん〜!だからさ、ちょっと待ってて〜。」ヨーレ達がそう言ってたので数分待つと浮浪者に食べ物を渡し終え、片付けをいそいそとやり、ドアにかかってる掛札を「CLOSE」から「OPEN」に変え、ポンポンポンと魔法でランタンみたいなのに火をつけながら戻って行った。その後、僕たちは一番乗りにギルドに入り、ヨーレの所に行った。ヨーレは分厚くて重そうな眼鏡をかけており、紙を見ながらココアを飲んでいた。メガネつけるのか。いつもはつけてないところ見ると0.7ぐらいで近くがちょっと見にくいぐらいなのかな?
「お、改めておかえり〜。あ、これ、ルーナカミちゃんのギルドカード終わってるよ〜。早く申請済んで良かったね〜。」
「あ、ありがとうございます。」
「ダンジョンどうだった〜?」
「いや〜。大変だったよ〜。」
「そうですね。ダディワス。これがダンジョンの内訳です。」
「お、ありがとね〜!じゃあこれは貰って次の会議で上層部に伝えとくからね〜!」
「そいえば。素材、いっぱい取れたんだよね。」
「お?そなのそなの?」
「そだよね〜。」
「ん!いっぱいい〜っぱい取れたよ!」
「あぁ。ソリス、見せられるか?」
「いいですけどみんなも中に入って荷物出すの手伝ってくださいね。」ソリスはそういうと中に入っていった。その後僕たちも中に入り、ブロウクボアの牙や火猫の革等、素材と何を倒したのかの証拠のものを出してきた。
「おぉ〜。いっぱいあったね〜。ちょっと中身みさしてもらうね〜!ふんふん。この歯や鱗ってもしかしてブロウクボア?」
「うん!」
「倒すの大変でしたのでかなり倒した後は疲れましたね。」
「そりゃそうだもん!ブロウクボアってさ、普通は中級から上級ギルドが倒す物なんだもん!どうやって倒したの?」
「落盤でダメージ与えて、更にナサールが剣をブロウクボアの舌に突き刺してくれてなんとか倒すことが出来ました。」
「なるほど〜。で、こっちは火猫か。鞣すといい防具にもなるし、結構高値で売れる素材ばっかりだね!」
「そうなんだな。」
「ところでこれ売れる場所ってどこにあるの?」
「ウトナにありますか?出来るだけウトナの中になると嬉しいんですけど。」
「あったら行きやすいのはボクも分かるんだけどね〜。この素材が売れる店はこのクリス王国には王都にしかないんだよ〜この下の2級ならウトナにも売れる場所があるし、3級ならここでも買取できるんだけどね〜。1級と特級が買取できるのは王都にあるイカゲ買取屋さんだけなんだよ〜。だから、え〜と、ちょっとまってて。今許可証明書と地図書くから。」ヨーレはそう言うとココアをちょっと離れたところに置き、2枚の紙を取り出すとペンでサインを書いたり地図を書いてくれた。
「ほい。こっちが地図だよ。王都は真ん中に噴水があって12個の道があるの!その中の馬車のところについてから左直角に曲がって5分ぐらいあるくとあるの。ちなみに、その馬車の道を真っ直ぐ行くと王宮や王立学園とかがあるからそこが正面に見える方向から見て左に90度曲がるって感じで覚えてくのもいいかもね!そして、売る時はギルドの証明書がどうしても外せないからさ〜。……ふんふ〜ん。店主さんにこれ渡してね。」
「分かりました。」ソリスはそう言うとそれを受け取りダディワスに入れて、ダディワスを閉めた。
「入るね。ヨーレお姉ちゃん……あ、まだいたんだ。」シャルロッティアの声がしたので後ろをむくとシャルロッティアの後ろに10人ぐらいの様々な種族の人がいた。いや、多いな。ギルドの最高人数と同じかそれ以上か?
「だれ〜?」
「ヨーレさんおはよう!」
「いっぱい来たね〜。」
「そうですね。1、2、3……12人ですか。人数上限までいますね。」
「この子達もギルドなの?」
「まぁ、そうですね。」
「今日が初任務!」
「そうなんだな。」
「お名前は?」
「覚えてられるの?」
「でも3つ子などがいる私の妹や弟、一部のお兄さんやお姉さん、更にお母さんとお父さんの名前も全員1回聞いただけで覚えてましたからね。多分行けると思います。」
「じゃあ言うね。さっきも言った通り私の名前はシャルロッティア。エルフだよ!」
「イリシア。獣人族の子供です。よろしくお願いします。」145cmぐらいの普乳。黒い髪を脇下までに伸ばしたポニーテールと水色の目。白いTシャツに黄緑のノースリーブを合わせたのと緑色のロングスカートと灰色のスニーカーを履いた12歳ぐらいの女の子がいった。
「レベッカ。妖精だよ。」150cmぐらいの貧乳、金髪を腰までのサイドポニーテールにしたのと青い目と長い耳。青い半袖ワンピースを着たのと裸足の12歳ぐらいの女の子が言った。
「アンネ。人間だよ。よろしくね。」155cm強の貧乳。赤髪に脇までの三つ編み、黄緑色の目に鼻ら辺についた雀斑。水色の水玉模様のノースリーブワンピースを着て赤いスニーカーを履いた12歳ぐらいの女の子がいった。
「ルシアーノ。吸血族!」
「ルピシア!ルシアーノの双子の妹!」145cmぐらいの貧乳。ピンク色の髪をボブにしたのと赤い目。真っ赤なドレスを着て赤いローヒールを履いた12歳ぐらいの同じぐらいの双子の女の子が手を合わせて言った。
「アトナ。魔人と悪魔のハーフ。」150cm弱の貧乳。紫髪を肩までの癖っ毛ツインテールにしたのと紫色の目と黒いツノと黒いスペードの模様みたいな尻尾。黒いノースリーブに白いノースリーブワンピースのような感じの服を着て、黒いスニーカーを履いた12歳ぐらいの女の子がちょっと恥ずかしめに言った。悪魔もいるのか……しかもハーフ。アティーファも鬼と魔人のハーフだったし魔人はハーフが限界で魔人以外の魔族がギルド入るのダメなのかな……
「フローラ。天上人族だよ〜。」155cmぐらいの貧乳。銀髪を脇ぐらいまでの三つ編みにしたのと白い目。黒い半袖とエプロンのような赤と青のワンピースを着て黒いパンプスを履いた12歳ぐらいの女の子が言った。
「ナターリア。鳥人族!」165cm弱の貧乳緑色の髪と黄色い目と黄緑色の鳥のような感じの髪飾りのような羽。青いジャージとホットパンツのようなジーパンを着て白いサンダルを履いた12歳ぐらいの女の子が羽をパタパタさせながら言った。
「アナスタシア。ハーフエルフなの。よろしくなの。」145cm強の普乳。白い髪を肩までのツインテールにしたのと青い目。白い簡単なワンピースのような衣服を着て、白い革のような靴を履いた12歳ぐらいの女の子が言った。
「バーバラなのじゃ。魔人族。さぁ、我の名をその胸にしかと刻むが良い!」
「落ち着いてよ。お姉ちゃん。あ、私の名前はルピーナです。」140cmぐらいの普乳。金髪を腰までのポニーテールにしたのと緑目と片方の目が黒くて模様が入ってる眼帯と白い尖った角。黒と紫が混ざった色をしたロングスカートのノースリーブワンピースを着た12歳ぐらいの厨二病っぽい女の子を宥めるように150cm強の貧乳、白い髪をお団子にしたのと真っ赤な目と白いツノ、白い半袖半ズボンを着て、レモン色のパンプスを履いていた12歳ぐらいの女の子がいった。
「みんな若いな……」
「うん!」
「まだ人間年齢に換算すると全員12歳ですからね。シャルロッティアが最近12歳になったのでギルドに申請することにして、流石にこんな子供に近い人を危険な場所に送り出すのは親の許可が必要じゃない?とか言ってたので全員で許可を母親や父親にとったりしてやっと認められたので今日ついに初任務を受けるに至りました。」
「そうなんだね〜!」
「何を受けるの〜!?」
「まぁ、最初だし、薬草取りにするつもり。」
「お〜。」
「まぁ、それならまだ安全だな。」
「頑張ってくださいね。」
「う〜ん。」
「じゃあ、私達そろそろ行こっか!」
「そうですね。ヨーレさん。素材じゃないもの廃棄しておいてくれませんか?」
「オッケー!わかった!それじゃ、行ってらっしゃ〜い!」
「行ってらっしゃい。」その後僕たちは外に出て中央広場に集まり、馬車を待った。中央広場では1日十何便かのコーチが走ってるため次のコーチを待つことにした。
「あ、アリシアではありませんか。」
「あ!メルアニア!」
「お久しぶりだね〜。」
「そうですね。」
「今日はどんな任務受けるんですか?」
「いやさ〜。今日は任務じゃないんだよ〜。」
「そうなんだ。」
「どこに出かけるんですか?」
「王都に行くんだよ。」
「昨日ダンジョン行ってさ〜。そこでいっぱい素材取れたんだよね〜。」
「でも、ここでは売れなくてさ。王都に行かないといけないんだよ。だから一日かけて王都に行くつもり〜。」
「そうなんですか。」
「プオラート。もしかしたらちょうどいいかもな。」
「そうですね。」
「ん……いいかも。あのさ、ちょっとお願いあるんだけどいい?」
「ん?」
「なんですか?」
「あのさ、クォーリア。ダディワス出して。」
「分かりました。ダ〜ディワス。」クォーリアはそう言うとプロラートの横にダディワスが開き、プオラートはその中から大きく綺麗な箔がかかった本を取り出した。なんか高そう。
「これさ、妹に渡してきてくれない?」
「妹?」
「ん。私の一歳したにさ、リンネルっていう妹がいるの。王都学園二年生薬草科。」
「あら、王都学園に所属しているんですか。」
「王都学園?なんだそれ?」
「ここの国唯一の国立学園及び最大の学園ですね。形式は六年制の全寮制高等学校となっております。厳しい試験をくぐり抜けた貴族が主に通ってますが更に厳しい試験をくぐりぬけたら我々平民も入学することが出来ます。それとそこにある図書館は一般開放されてますね。」
「へ〜。ありがとな。で、そこにリンネルっていう妹がいるんだっけ?」
「……ん。で、資料としてこのグレゴリオ=ヨハネス=メンデルフの『魔法薬品学取扱説明書』を図書館で借りたいと思って行ったんだけどどうやら王都の図書館や本屋さんにはないらしくて、だから私が古本屋さんで買ってきたから封筒に入れて送ろうとか思ったけど丁度王都に行くための用事があるなら。お願い、この本妹に届けてくれない?」
「はい。分かりました。王都学園かその寮内にいるんですよね。」
「はい。日中は学園内にいると思うから入口の受付で2年B組のリンネル=エファリーさんお願いしますと言えば伝わるはず。」
「分かりました。見た目に特徴とかはありませんか?」
「そ〜そ〜。例えばプオラートみたいにおっぱいおっきいとかね!」マレはそういいながらくるくる飛び回りアリシアの胸に着地した。僕もキラトもその言い方にはおし黙るほかなく、ソリス達も困った顔をしていた。
「胸大きく……はありますか。……それに、こんなに大きいのも大変なんですよ。もう片方が上半身と同じサイズなんですから。」
「そ〜なの〜?大きいし柔らかいしかなりいいとは思うけど〜。」
「確かに大きいのはいいことだけどプオラートとほぼ同じ大きさと重さもってる私でもさ。たまにこのおっぱいが大変になるんだよね。例えば足元ほぼ見えないし片方の胸に20kgの米袋入れてるのより重いからね〜。肩凝ったりするの。だから私より小さい上にほとんど同じぐらい大きいものをその身長で持ってるプオラートは背も小さいから尚のこと大変だよね〜。」
「ん。たまに体勢崩して何も無いところで転ぶこともあるからね。まぁ、それは置いといて、とりあえず特徴ね。私より背、少し低い。大体135cmぐらい。あと、魔法銃を習っているので腰の辺りに銃を持ってると思う。前に帰ってきた時に大きさを見たんですけど拳銃程の大きさのものを腰に着けてます。」
「魔法銃ですか。薬草使ってるからてっきり魔法が主な攻撃かと思いましたよ。」
「まぁ、自分を守るための保護用の武器だと思っておいてね。魔法の方が得意らしいけど、私の家系って魔力少ないからそっちも魔力少ないと思うし。ともかく。特徴はあと、髪の毛が長い程度。まぁ、受付の人に聴けば分かると思うよ。」
「オッケー!じゃあ、その本頂戴?」
「はい。」
「お願いしますね。」
「頼んだよ。」
「ん〜!」
「分かりました。任せておいてください。」
「大丈夫〜。」
「ん。」
「分かった!」
「あ、馬車来たな。じゃあ僕たち乗るから。」
「では、さようならですね。」
「バイバイ。」
「さようなら。」
「ありがとうね。」
「ば〜いば〜い。」
「じゃあな。」僕たちはそれを聴くと、馬車に乗り、ついに王都に出発した。
2
お昼ご飯を食べ夕飯も食べ、更に夜まで走ってた頃、道の先から1人の男が慌てながら走ってきた。
「助けて、助けてくれ!」
「どうした?」
「ん?なに?」
「ゴ、ゴブリンが!20体ぐらいの群れで攻めてきたんだ!抵抗はしてるんだが魔法の呪文知ってる人もいないからいつかは負けてしまう!助けてくれ!」
「分かりました。」
「あのさ、そこ迎える?」
「道教えて貰えれば行けなくもないがお前らもしかしてギルドか?」
「うん。」
「あぁ。」
「……分かった。乗れ。道案内しろ。」
「は、はい。」
「状況説明お願い出来ませんか?」
「村には100人ぐらいの人間が住んでいるんだ。魔人も1人も居ない簡素な村だ。だから細々と野菜とかを売ったりして生活してたんだけど、何故か急にゴブリン達が攻めてきたんだ。」その後、急かした馬車でそこの少し前に着くと、急いで村のところに来た。村はもう襲われており壊滅状態までとは行かなかったもののかなりぶっ壊れていた一部燃えており壊れている感じがあった。アリシアやソリスは何事もなく向かっていったが僕はそれを見て足がすくんで動けなくなってた……恐怖を今の今まで感じなかった理由が分かった……。 今まではモンスターがものを壊す対象は木や自己などの自然で人などは関係なかったが今回は人間だ……。他人が襲われてるのは怖すぎるし、周りの環境が人里だから傷つけるかもしれないのもあって全く動けない……。動けよ!俺の体!
「なに、やってんの?怖くて、動けないの?」
「あ、あ。急に人が襲われてるのを見たから、足がすくんじゃって動けないんだ。」
「前までは動けてたのに?」
「あぁ。どうやら今までは人が襲われてなかったからいけてたらしい。こういう風に人が襲われてるのを見ると何故か足が動かないんだよ。」
「ふ〜ん。ちょっとさ、ごめんね。」ナサールはそう言うと背中を思いっきり叩いた。痣出来そう……。
「痛った!?」
「ごめん。あのさ、怖いのは分かるよ。でもさ、やってくしかないじゃん。それともなに?人が殺されるのを目の前で見たい?」
「……分かった。ありがとう。」
「ん。ルーナカミは……あそこか。じゃあ。」そう言うとナサールはルーナカミのところへ向かってった。ルーナカミも馬車の中で怯えてるな……。その後、僕たちは村人が離れていくまで防戦に徹し、その後村人が居なくなったのを確認して、ゴブリンに一気に攻撃を開始した、剣で腕を切り、ナサールは膝打ちで頭蓋骨をかち割りアリシアは殴り、ソリスとルーナカミは魔法を使ってどんどん数を減らしていった。20頭以上居たので時には囲まれることもあったがそれでも、何とか戦い続けた。ダンジョンのゴブリンと違って棍棒持ってるしかなり一撃が重いな。魔力以外のものも食ってると思うし、盾も持ってるから力も防御力も高いし。しかし、やはり知能も低いので回り込んだりすることが出来なく囲まれても一斉に攻撃するのが関の山なため、楽に倒すことが出来た。囲まれたら火で周りをぐるんと1周すればいいし、囲まれた場合の対処法結構楽だな。
「アイスブレイク!」
「ファイラスト!」
「イヤ!」そのあとも僕たちは2-30分程度ゴブリンと戦いを続け、ついに全部のゴブリンを倒すことが出来た。前のダンジョンのゴブリンより疲れた……。まぁ、数も多いし攻撃や防御も高かったから当然と言えば当然だけど。僕たちはその後傷を負ったものを魔法で治したり、死んでしまった人を埋葬したり、ゴブリンを処理したりしてさっきの馬車に戻りお礼を言われながら近くにある大きな街に行き、風呂に入って、泥のように眠った。
3
翌日眠気眼を擦りながら馬車に乗り朝飯を食べて11時頃(ゴブリン討伐と寝る時間が原因で1日以上かかったらしい。)王都ラミアについた。……流石に途中戦いもあったとはいえ、1日も馬車に乗り続けると背中や尻等がくそ痛かった。首や腰がクソ凝ってるし……
「2万ルナシェスだ。お疲れ様。」
「ん……はぁ。分かりました。」
「ついたついた。おお〜。やっぱりウトナより人多いね〜。」
「そだね〜。」
「ルーナカミ、降りるよ。起きて。」
「んにゃ……ふわぁぁ……。おはよう。やっと着いたんだね。」
「そだな。あぁ、痛い……まぁ、長く座ってたんだから当たり前と言えば当たり前か。」
「じゃあ最初どうする?」
「お腹すきましたし昼飯食べてから学園に行きましょうか。」
「そだね〜。」その後、僕らはウロウロしながら昼飯を探しに行き、イタリアンレストランにした。なんかウトナの時以上にナサールちょっとキョロキョロしてるけどやっぱり怖いのかな。まぁ、任務以外でも飲食店の時は上着脱いでてツノ見せてるもんな。
「あの、すいません。ハンバーグー1つ。それとコンソメスープバーで。」
「ピザのダブルチーズって出来ないか?それとこのチキン。それと、ドリンクバー頼むわ。」
「ドリアとあと、ペペロンチーノ!あとね〜。ショートケーキ!それとね〜。ドリンクバー!」
「妖精用のステーキと、小ライスで。それに、スープセット。」
「小エビのサラダとパンと、コンポタージュ。それと、プリン。飲み物は、お茶でいいや。」
「グラタンとね〜、ジャンボデラックスチョコレートパフェ!それとドリンクバー!」
「了解しました。では少々お待ちください。」店員さんはそう言うと去ってった。僕らはその後、ドリンクバーやスープバーのために、ナサールを残して、バー置き場に行った。
4 Nassar ver.
……はぁ。あとは待つだけか。それにしても、ほんとにあの村から出ることができてよかった……。最初はほんとに不安だったんだけど……。アリシアとかに迷惑かけちゃうし、でも。もしもあのままだったら、殺されて、きっとその人は聖人扱い、私は惡童として永遠に惡者として語り繼がれると思うし。それを考えればまだ、アリシア達の方にいたのが良かった……のかな?
それにしても、最初に誘われた時にはほんとに驚いたよ。ずっとあのまま虐められながら生活すると思ってたら、アリシア達が虐めっ子達を退けるような形でこっちに來てさ、一緒に來ない?とか言うんだもん。思わず聞き返しちゃったよ。まぁ、リスクとかを考えた結果、最初は勸誘を激しく断ったけどさ。それでも、自殺未遂までやってもまだ勧誘するのに呆れて、仲間になっちゃったんだよね。
でも、どうなんだろう。一応、素直に生きれるようにはなったけど臆病なのは完全に消えたわけでもないし、まだ虐められたりされた時の悪影響はまだ残ってるしな……まぁ、そこら辺は時がどうにかしてくれるだろうし、……とりあえず。私もお茶取りに行くか……。ちろっと見てみたけどどうやらお茶も飲料自由所得所にあるらしいし。
「うわぁ。」
「痛った!おい!何しやがる!」え?私は立ち上がってお茶取りに行こうとしたら破落戸らしき人ぶつかられたんだけど……後ろ見てなかったとはいえさ、ぶつかってきたのは、多分そっちだよ。
「え?私?」
「お前以外の誰がいるんだよ!」そう言うと男は蹴りを噛ましてきた。というかもしかして……
「いや、ぶつかってきたのは、そっちでしょ?」
「うるせぇ!元はと言えばそこにいたお前がいけねぇんだろ!?魔人の癖にこんなところに来るなんてお前なんて泥水でもすすっとけばいいんだよ!」はぁ、やっぱり。魔人虐め、魔人いびりか……。謝ったら……どうにかなるはず……ないか。いつも謝っても何しても関係ないもんね。まぁ、ぶつかったところは私も悪いしそこは謝っておくか。
「ぶつかったのは、ごめんなさい。」
「ふん。やっと言えたか。ただお前が悪いのにおれに悪さを押し付けたのも悪いしそもそもお前がそこに立ってるのも悪いんだ!そこから謝れこの馬鹿魔人!」来たよ。……ゴリ押しで魔人が悪いとか言ってくる理論。魔人の癖に生きてること自体が悪いとか何とか言ってくるからもう、こういうのとは話さない方がいいんだよね。……っと。
「どうした!謝んないなら殴ってでも謝らしてやるぜ!」その男はそう言うと殴りかかってきた。ここ、飲食店なんだけどな。
「ちょっとさ、ここ。飲食店だよ。」
「関係ねぇ!魔人を締めるのは善なのだからどこでやっても迷惑にはなんねぇよ!」いやさ、動物を締める場合でも邪魔にならないようにするのにさなんで魔人をいじめる場所はどこでもいいと思ってんだろ……とりあえずみんなに迷惑にならないようにさっさと土下座しよ。
「はぁ、謝ればいいのね……ごめんなさい。」
「そうだそうだ!謝ればいいんだ!」男はそう言うと頭に足を乗せてきた。……はぁ。お願い。アリシアたち。早くさ、戻ってきて。
「な〜に、やっとんじゃあわれ〜!」アリシアの声が聞こえると男が吹き飛んだ。え?後ろにアリシア立ち入るのは分かるとして……
4 Yūta ver.
ドリンクバーから帰ってくるとナサールが土下座しており、さらに男に踏まれていた。それを見た僕たちは怒りが込み上げてきたがアリシアは今まで見た事がない顔をするとコップをソリスに渡し「何やっとんじゃぁわ〜れ〜!」と叫びながら男の腹を蹴って数メートル吹っ飛ばした。カンカンに怒ってるのはわかるけどなんだその怒り方。男っぽいな。その体型で男声は普通に怖いけど。
「なんだその喋り方。」
「アリシア度を超えた怒り方すると男っぽい喋り方になるんですよ。どうやら、昔男っぽい喋り方してたみたいなので今でも起こるとそんな喋り方になるらしいです。」
「そうなんだな。」
「何してんだ!」アリシアはそう言うと男を羽交い締めにした。男の大きさ2m超えてるし筋肉もかなりついてるのに羽交い締めにするなんて結構すごいな。流石筋肉おバカ。
「ありがとう……。」
「いいいい。だって仲間だもんな。」
「あ、ほんとに男っぽい喋り方になるのね。」
「ソリス!店員呼んで!」
「分かり、あ、もう騒動聞き付けてきてますね。」
「失礼します。一体何が起こってるんですか?」
「魔人が外に立ってた時にこの男が急に肩をぶつけてきた後、ぶつかったそっちが悪いだろとか色々言ってきて、土下座したら、その子の頭を踏んできたんだよ。そしたらその女の子が蹴って羽交い締めしてきたんだよ。」僕らの近くに座っていた席の男性が第三者の目線で何があったのかを伝えてくれた。助かる。
「分かりました。とりあえず男は逮捕しますね。アリシアさん。羽交い締めするのは結構なんですけどこのままだと説明が面倒臭いので羽交い締め解除してくださいね。その代わり魔法によって手足を締め付けたいと思いますので。ちょっと私は別の人よんできますね。」店員さんはそう言うと、どっかへ行った。その後、別の人が来て、魔法の輪っかによって男の手足を縛った。
「そういえば、まだ食事食べてませんよね。騎士団にはちゃんと伝えておきますのでそのままご飯食べといてください。え〜と、物も壊してないですね。これ。では、そのまま食べてください。」
「分かりました。」
「ふ〜。ふ〜。分かったよ。」
「ほんと、さ、魔人だからって何してもいいわけないからね!」
「痛み感じるんだからね。私も。」
「それに、魔人も人と同じ心持ってるんだからな。」
「そうだよ!」
「あったとしても!魔人が悪の時点で虐めてもいいだろ!」
「じゃあまずその前提を崩せよ!魔人全員が悪って言う前提をよ……。」
「魔人には100パーセント悪はありえないよ。人間だってそうでしょ?人間も100パーセント悪って訳じゃないんだから。」
「は?んなわけないだろう。」
「いや、魔人もいっぱいいるんだから人間と同じで絶対悪ってのはないですよ。」
「そうだよ。」
「すいません。お客さん。話すのも結構ですが。話このまま続けても一方通行ですし、邪魔になってると思いますし、騎士団呼びに行かないと行けませんので、ちょっと元あった席に座ってくれませんか?」
「あ、すいません。ほら、行きますよ。」
「ちっ。仕方ね〜。」アリシアはそう言うとイライラしたように席に座りジャンボいちごパフェスペシャルを追加注文した。イライラを落ちつかすにはやっぱり甘いものが1番なんだろう。
「ごめんね。私が上着、脱いだばっかりに。」
「いいのいいの。ああやって魔人に差別意識持ってる方が悪いんだから。」
「すいません。こちら、ハンバーグ。ピザのダブルチーズと香味チキン。ドリアとあと、ペペロンチーノ妖精用のステーキと、小ライス。それに、スープセット。小エビのサラダとパンと、コンポタージュ。最後にグラタンでよろしかったでしょうか。」
「いいけどデザート類は?」
「当店の決まりとしてデザート類は食べ終わったらもう1回呼ぶことで運ぶこととなっております。ご了承ください。それと、もうまもなく騎士団が到着するそうなので、そちらにいる魔人さんはあらぬ疑いをかけられる可能性もありますので、角を隠すことをおすすめします。」
「ん。」
「あらぬ疑いって……」
「しょうがないですよ。国王や聖騎士さんは魔族に寛容とはいえ、騎士団の中には魔人が加害者と一方的に決めつける人もいるんですから。」
「そうそう。まず魔人を疑えなんて言う格言まであるんだから。」
「ほんと!?」
「酷いなそれ。魔人がいない場合は流石に魔人は疑われないよな。」
「流石にそれはないよね。」
「ええ。過去には魔人が心を乗っ取ったんだとか言ってる人もいたらしいですけど、それは魔人より悪魔や魔女の所業だろ。ということで無視されたらしいです。」
「そうなのか。あ、騎士達来たな。」
「ご苦労さまです。」
「こんにちは。被害者はどこですか?」
「あ、私です。」
「よろしい。後で騎士団本部に来なさい。」
「なんで?」
「なんでってそりゃ、被害者だろ?だったら事情聴取しないと不平等だろ。それとも何だ?完全にあっちのこと信用していいのか?」
「あ、いや、なら、来ます。」
「よろしい。なら、私は容疑者を牢屋に連行していく。ほら、行くぞ。」騎士はそう言うと男を連行していった。ざまぁ。
「さ、ご飯食べたら騎士団本部に行きましょうね。」
「ん。分かった。」この後、僕らはご飯を食べ終わり、騎士団本部の場所聞いて、そこに行き、一時間ぐらいかけて事情聴取を完了させた。ナサールは少しぐったりした顔をした。差別とか煽ったりしたんだろとかは言われなかったものの、一時間も事件のことについて質問などが繰り返されたため少しぐったりしてたんだろう。この後一旦お疲れ様としてチョコレートソフトクリームをナサールが食べ、その後、ついに王都学園に行くことにした。
5
王都学園は王都についてから、ずっと見えている王宮から少し離れたところにあるらしく、まず、王宮の近くに行き、そっから真っ白なめちゃくちゃでっかいお城のような所を見つけてそこに入り、受付を尋ねた。
「あの、」
「なんでしょう。」
「薬草科2年のリンネル=エファリーさんっていらっしゃらないですか?」
「リンネル=エファリーさんですね。少々お待ちください。」受付係はそう言うと奥に籠った。数分後受付係が戻ってきて、「2階の談話室にいるらしいです。今現在昼休み中なのでそこに行けば会えると思います。行く場合はこちらの学校内通行許可証にサインをしてこれを首にかけてください。」と言われたので言われた通りにサインを書き控えをコピーし、それを肩にかけて談話室に向かってった。どうやら校内は男女混ざって、色んな授業を受けてるらしい。
「次の授業の準備なんだっけ?」
「鼠の頭蓋骨と蜥蜴のしっぽ。それと大鍋だよ。」
「鼠の頭蓋骨か〜。あれすり潰すのちょっとめんどくさいんだよね〜。」通り過ぎる時に男女二人が次の授業について話してた。鼠の頭蓋骨?どんな魔法薬作るんだよ。
「すごい材料だな……今の声。」
「何に使うのかな?」
「鼠の頭蓋骨と蜥蜴のしっぽ……確か解熱ポーションか嘔吐防止ポーションの一部だったような気がします。まぁ、私言えども専門範囲外の魔法薬の材料は余り、覚えてないんですよね。」
「逆にそこまで覚えてるってのがえげつねぇな。」
「そだよね〜。あ、ちなみに確か嘔吐防止ポーションの材料一部であってるよ〜。後は、カボヤズンっていう植物とミンティールの果汁だね!それに体魔法石を混ぜた炎でグツグツ煮込めば完成だね!」
「そうなんだ。」
「マレ知ってんの〜!?」
「うん!家族が魔法薬作ってたからね!まぁ、回復用ポーションとかの方で毒薬とかは作ってなかったけどね。」
「そうなんだね。」
「あ、ここが談話室なんですね。」
「リンネル探さないと!」
「あの、リンネルは私です。」135cmぐらいの貧乳。金髪を腰までのポニーテールにしたのと黒い目。白いワイシャツの上に赤く、金色の縁どりが施された上着と紅色のスカート。白いタイツと白いパンプスを履いた12 3歳ぐらいの女の子が話しかけてきた。この子か。大声でアリシアが話していたこともあってすぐわかったな。
「こんにちは!」
「こんにちは。えーと、なんか私に御用ですか?」
「ありますね。ダディワス。えーとあなたのお姉さんのプオラートから、魔法薬学の本が届いてますよ。私はプオラートに言われてそれを渡しにに来ました。ちょっと王都に用があったのでそのついでです。」
「あ、ありがとうございます。そういえば、お姉ちゃん、ギルドに入ったんですよね……。あなたは、その、お仲間さんなんですか?」
「あ、違うよ?私はプオラートが所属しているギルドチームのライバルのチームだよ。」
「あ、そうなんですか……。」
「あら、そちらは誰ですの?」話してると155cmぐらいの巨乳、金髪を脇ぐらいまでの横にロールがかかったツインテールと金眼。リンネルと同じような服を着て、赤いハイヒールを履いた13歳ぐらいの女の子が言ってきた。
「あ、ナコール伯爵公女。こちら、姉のチームのライバルてです。」
「ふ〜ん。平民の姉の友達ということですか。」
「平民?」
「そうですわ。」
「あのさ、魔法薬学のテスト何点だっけ?」
「クッ……143点ですわ……。」
「言ったよね。勝ったら一般人とかのことを平民っていうの辞めるって。」
「どういうこと?」
「ナコール伯爵公女は頭も良いし、位も高いんだけど、ちょっと権力を傘に来ちゃうんだよね。でも、ナコール伯爵は去年度の薬草科3位だったけど、私は2位だったからね。私の方が勝ったら人のことを平民とか位で呼ぶのをやめるというのを賭けてたのもあって、位は兎も角、点数の方に関しては私の方が上なので点数のこと言うと黙るの。」なるほど。所謂悪役令嬢なのかな?
「うるさい!」
「まぁまぁ、落ち着いてください。」160 cm弱の普乳。黒髪をボブにしたのと黒い目、リンネルと同じような服を着て、黒のパンプスを履いた14歳ぐらいの女の子が2人を宥めるようにいった。そういえばここってエルフと人間以外居ないのかな……と思いながらキョロキョロしてると何人か獣人族などの人を見かけたので魔人族は居ないけど他にはいっぱいいるんだな。
「あら、没落貴族じゃないですか。」
「あ、クロントライン元男爵公女さん。」
「まぁまぁ、落ち着いて話してくださいよ。」クロントライン2人をなだめながら少し離れていった。確かにちょっと道塞いでるから邪魔かもなと思い僕らも同じ方向に離れていった。
「あれ?あそこにいるのって、」
「お、こんにちはなのじゃ。」150cmぐらいの巨乳、白髪を腰までのロングにしているのと水色の目、リンネルと同じ衣装を来て革靴を履いた14歳ぐらいの女の子がいった。なんか、今までの人たちとかとは格が違うレベルの女の子出てきたな。すごい高貴な感じ。
「あ、あなたは……」ソリスがそう言いながら震えていた。息飲んでるかんじもあるし。
「ん?ソリスこの人誰か知ってるの?」
「そうだよ?」
「ん。ん?」
「そうだね〜。」
「あぁ。」
「知ってるも何も、この人……」
「まぁ、前に新聞に出たの半年前じゃからのう。覚えてないのも当たり前じゃな。妾の名はミラル。ミラル=フローラル=クリス=フォン=ドナウザー。ここ、クリス王国の第1王女じゃ。リンネル達とは別の科じゃがクラス自体は同じなのでよく話し相手になっとるわけじゃ。」その女の子はそういった。え……?王女様?道理で今までの人とは桁違いの気品があるわけだ……。おれら不敬罪で訴えられてもおかしくないぞ。
「し、失礼しました。誠に申し訳ありません。」
「いいいい。気にするでない。魔法学園内では全てのものが平等じゃし、メイドだろうと、誰だろうと合格してれば授業を受けることが出来るのじゃからのう。妾も同じ人間として接して欲しいものじゃ。」
「はぁ、ほんとにいいのか?」
「いいいい。」
「それにしても王女様までこの学校に通ってるんだな。」
「まぁ、ここは王都唯一の高等学園じゃからな。元々この学園は貴族や王族しか通えなかったのじゃが100年ほど前に没落貴族と一部の頭のいい人も入れるようになって10年ほど前、妾の父親の時代に一般の人も試験さえ合格すれば入れるようになったのじゃよ。」
「結構、最近なんだな。入れるようになったの。」
「まぁ、色々あってのう。15年以上前に計画したんじゃがノピリ教の反感がうるさかったらしくて、5年以上かかって何とか実現さしたらしいんじゃよ。」
「そうなのか……。」
「まぁな。」
「そういえば今更だけどさ〜。自己紹介してなかったね!」
「そうですね。」
「じゃあ、するか〜。私はアリシア!」
「ソリスと申します。」
「マレ〜。」
「ナサール。」
「湧太といいます。」
「ルーナカミだよ〜。」そういい自己紹介をした瞬間チャイムの音が鳴り響いた。予鈴かな?
「そろそろ次の授業だね。」
「そうだな。」
「ミラルはどうします?薬草科はまだ授業があるとはいえ、確かミラル王女はもう授業ないんでしたよね。」
「そうじゃな。魔法科の授業もないし、武器科の授業も3時間目にやったばかりじゃからのう。だから、家に帰ることにするわい。そうじゃ。ちょうどいい。お前らも一緒に来るかの?」みんながトコトコと談話室から様々な教科書を持って教室に向かっていく中ミラル王女はそう言いながら手を差し伸べてきた。は?家にとか軽々しく言ってるけどさっき知ったばかりの人を家に招くのもどうかだし家と軽々しく言ってるけどミラルは王女だから王宮が家なんだよな……つまり王宮に来ると言われてるよと同じで……王宮にいっていいのか?
「え?」
「いいんですか?」
「家ってつまりは王宮だよな。」
「まぁ、構わないぞ。ただ王宮なのでさすがに入る時に身体検査等をして中に武器などが入ってないかは調べるじゃかな。まぁ、それさえ承諾と突破してもらえれば構わないぞ。それと、お母さんやお父さんに一旦帰って連絡してから再度来ないといけないんじゃが……その間図書館で本を読んだりしで待っといてくれないか?」
「うん!」
「分かりました。でも、本当にいいんですか?」
「あぁ。王都では週一回から2回ほどこうやって国民を招待してるんじゃよ。それが今回たまたまお主達に当たっただけなんじゃよ。じゃから、王女の不可解な戯事とでも思って付き合ってくれ。」
「うん!」
「まぁ、分かりました。」
「OK!」
「ん。まぁ、そこまで言うなら。」
「おう。」
「わかったよ〜。」
「じゃあ一旦帰るわい。」
「あ、あの、予定済ませてきても構いませんか?」
「予定?なんじゃ?」
「王都に来た目的はこの前ダンジョンに行ってきた素材を売りに来たんですよ。」
「そうか。……スマンがその予定は王宮の後にしてもらえぬかの?許可とるのも時間かけても30分ぐらいなんじゃが鑑定は1時間はかかるらしいからのう。」
「そうなんだね〜。」
「なら、何分ぐらいかかるのか?」
「アフターヌーンティーまでは招待することは頭の中でもう既に確定しておる。そのあとは自由じゃからのう。遅くても16時半には終わることができるじゃろう。そこまで待ちたまえ。」
「OK!」
「分かりました。」僕たちはそれにしたがいここの1階にある図書館に行くことにした。図書館の中には2人の女の子がいた。1人は160cmちょっとの貧乳。黒髪を腰までのツインテールにしたのと黒い目と大きな黒い魔女帽子。リンネルと同じような感じの服の上に黒いロープを羽織り、黒い革靴を履いた12歳ぐらいの女の子、もう1人は150cmの普乳。緑色のウェーブがかかったような髪を脇ほどまでの肩にかかったおさげにしたのと檸檬色の目。冴えるような青い長袖と真ん中に白い線が入ったミニスカートを着て、緑色のパンプスを履いた13歳ぐらいの女の子だった。
「こんにちは。私はメリッサ。魔法少女でここでの魔法科1年生及び図書館の司書をやっております。自己紹介はいりません。どうせ、ここの学生じゃない場合1回ぐらいしか会わないと思いますし。本を借りたりなにか質問がある場合は私に質問してください。知ってることならなんでも話します。」
「私はシャネル、メリッサの魔法精霊です。よろしくお願いします。」
「よろしく〜!」
「よろしくお願いします。ちょっとここで人待ちますね。」
「構いませんよ。」僕らはそう言うと図書館の中で2-30分ほど待った。その間種族のことが書かれた本を読み、魔族の中の種族をさらに知った。アラクネやナーガみたいなやつまでいるのか。岩女族ってメデューサみたいなもんなのか?見たものを岩にすることが出来るとか書いてあるし。
「あの、来ましたね。」
「許可取れたぞい。ほら、一緒に行くぞ。」ミラル王女がそういい近づいてきたので僕は「あぁ、わかった。」と言いながら本を本棚にしまい王宮に向かった。王宮ってほんと……すごいな。学校よりも広い庭に王都学園より広い王宮……それに住んでる人は恐らくメイド含めても数十人ほど……一人一人の居住面積が広すぎんだろ。
「ここが王宮なのじゃ。衛守さん。今日はこの人たちを招待したので検査してくれなのじゃ!」
「了解しました。……ちょっと女性呼んできますね。」衛守の1人はそう言うとどっかへ行き、女性(といっても鎧をつけてるので兜をつけてない顔から判別するしか無かった)を連れてきた。さすがにこの大人のようなボンキュッボンの体型の異性の体を男がベタベタ触って検査する訳にはいかなかったのだろう。その後一旦ロープ着てるナサールは中に刃物を仕込んでる可能性もあると言われたので脱ぎ、数分間身体検査を行い、検査が完了し、もしもの場合にロープは外したままでと言われナサールはロープを外したまま、王宮に向かった。
「お帰りなさいませ、王女さま。」140cmぐらいの爆乳。金髪ショートと黄緑色の目とメイドカチューシャ。谷間が見えるようなメイド服を着て、白いローヒールを履いた16歳ぐらいの女の子が言った。メイドさんか。王宮のメイドさんだからやはり今の少しの仕草だけでも高貴さが感じられるな。
「おう、パレンティーただいまなのじゃ。プリチャーポーンはどこじゃ?」
「ただいまチラ王女と一緒に喋ってるところです。それとエザーさんがエリザベータ男爵公子のことについて話があると言ってました。」
「エリザベータか……わかった。ちょっと待っておれ。」
「分かりました。」
「男爵公子?」
「そうじゃな、エリザベータ男爵公子は今、色んな教養を教えてもらうためにここに出向中なんじゃよ。」
「そういう事ですか。」
「なるほどね〜。」
「で、お母様とお父様は今どこにいるのじゃ?」
「王妃様は今庭でお花に水をやってます。王様は自室でランペルザー執事長とチェスを楽しんでおられます。ただもうすぐ終わるかと、形勢が今の所ランペルザーが有利なので。」
「王様に手加減しないんだな。」
「まぁ、父上とランペルザーの実力拮抗してるので両者ともに本気でやるようにお願いしとるらしいのじゃがな〜。それじゃあ対面の場に妾はおるから饗宴の間にて、アフターヌーンティーの準備でも進めといてくれ。」
「了解致しました。」そう言うと、パレンティーはそう言うとトタトタと走って戻っていった。
「今のって。」
「あぁ、アフターヌーンティーの準備を始めて貰ったのじゃ。そろそろその時間じゃからのう。」
「そうなのか。」
「アフターヌーンティー、どんなやつなんですか?」
「まぁ、ケーキとモンブランなどのおやつを楽しめるんじゃよ。」
「なんで、メイドにやらせるの?」
「まぁ、彼女はこれが仕事じゃからな。一応給金は払っておるし、休暇も貰えているので安心してほしいのじゃ。」
「うん!分かった〜。」
「分かった!じゃあ対面の間にいこっか。」
「うん。」
「行こ〜。美味しそうなケーキなんて食べるの何年前なんだろ〜。というか、始めてだよ〜。」
「俺も久しぶりだな。」僕たちはそんな話をしながら対面の間に向かった。中には誰もいなかったが10m×5m以上はありそうな部屋に驚愕しっぱなしだった。もう理科室から体育館並みの広さあるじゃん……こんなの広すぎだろ……これが対面の間?これが1室?この1室だけで家が2つは余裕で埋まるやん。
「ほへ〜。」
「広いね〜!」
「さすが王宮ですね。広さが桁違いです。」
「マレが見てる世界もこんな感じなの?」
「まぁ〜ね!人間の10分の1ぐらいの大きさだからね〜。これぐらいの大きさなら狭めの廊下ぐらいがちょうど人間サイズこの部屋の大きさに該当するかな?まぁ、この部屋でも私は人間の10分の1の広さだからもっと広く感じるけどね〜。」
「確かにさらに10倍広くあるもんな。」そのような話を数分間続けると魔人のメイドさんと、ちっちゃい女の子がこの部屋に来た。メイドはともかくちっちゃい女の子は妹かな?チラ王女ってさっき言ってもんな。
「あ、お姉さん!今回の人ってこの人たちですか?」
「そうじゃよ。前から、アリシア、ソリス、湧太、マレ、ルーナカミ、ナサールじゃよ!みんなこの子は私の妹、第2王女、チラ王女じゃ。」
「皆さんこんにちは。チラ王女です。ミラル王女の妹でこの国の第2王女です。この国では今の所女性しか後継者がいないので、ミラル王女に次ぐ第2後継者です。年齢は11歳です。今は初等科に通いながら魔法や歌唱詠唱などを学んでいます。よろしくお願いしますね。」135cmぐらいの貧乳。白髪を背中までの三つ編みツインテールにしたのと青眼。真っ白いドレスを着た10歳ぐらいの女の子が恥ずかしながら挨拶をした。なんか人に大声で挨拶されるのなんか恥ずかしいな。
「こんにちは!よろしく!」
「よろしくです。あ、自己紹介が遅れましたね。私はプリチャーポーン。魔人です。よろしくお願いします。」150cmぐらいの爆乳。白髪を肩までの結び位置が高いポニーテールにしたのと紫色の目と大理石色の羊のようなくるくるの角とメイドカチューシャ。メイド服と黒い宝石がついてる大きなブレスレットをつけ、黒いパンプスを履いた16歳ぐらいの魔人のメイドさんが言った。魔人のメイドさんか。珍しいな。
「魔人のメイドさん最近雇ったと言われてましたが本当だったんですね。」
「まぁ。そうじゃな。といっても雇ったのこの数ヶ月前じゃがの。奴隷として買われそうになってた所をメイドとして雇ったんじゃよ。案の定猛反対食らったんじゃがのう。どうにかして通したらしい。そこは教えて下さらなかったからどうして猛反対を無かったことにできたのかは一向に不明なんじゃけどな。まぁ、雇えて良かったわい。」
「ほんとですよ。」
「ナサール。」
「ん?」
「ただでさえ酷い扱いの魔人が奴隷になるとどうなるんだ?」
「う〜ん。私奴隷だったわけじゃないんだから憶測でしか言えないんだけどさ、彼女の場合、良くて胸の大きさを買われて四肢を着られて肉便器、悪ければ達磨までゆっくりと加工されてサンドバッグからの死かな?どっちにしろ。普通の奴隷より悲惨な目に合うのは間違いないね。」
「うわ、えぐいと言うかグロいな。」
「そだね。」
「何の話してたんじゃ?」
「魔界の童謡を教えていました。ルーナックス峠やポロナーさんの羊とかですね。相変わらず歌唱詠唱魔法マスターしてるだけあって上手いです。」
「ありがとうございます。」
「歌唱詠唱魔法?」
「歌によって呪文を詠唱する魔法ですね。歌なのでイントネーションの他に音程も合わせないといけない代わりに威力がどの詠唱魔法よりも更には莫大な魔力を使わないといけない無詠唱魔法よりもめちゃくちゃ強いので使える人は積極的に使いますね。何しろ、普通の魔法ではほとんど出来ない人心掌握までできてしまうんですからね。私も何度か習得しようとしたんですけど難しすぎて頓挫してしまいました。ルーナカミにも教えようか今悩んでるところです。魔力の才能の他に歌の才能も必要となってしまいますからね。」
「ルーナカミ歌下手なのか上手いのかが威力に関わって来るからな。それに歌なら詠唱時間が長くなるから折角の威力もダメになっちゃう可能性もあるし。」
「そうですね。」
「他に何人のメイドさんと執事さんがいるの?」
「料理系のメイドさんが10-15人ほど。それと、掃除などの身の回り系の世話してくれるメイドさんが15人ほどいるのじゃよ。合わせて30人程度じゃな。」そういってると奥の部屋から老人の執事と王様みたいな人が出てきた。チェス終わったのかな?
「ほう。そちらが今回の招待相手か。ワシの名は第42代国王アンドルザー=クリス=アイゼンベア=キンガル=ドナウザーだ。アンドルザーが名前なのでみんなからはアンドルザー国王と呼ばれておる。よろしく。」2m越えの大男、金髪を七三分けにしたのと黒い目、エメラルドの宝石が留め金具に着いた白いマントをはおり、黒い白のハンカチみたいなやつが着いた金ボタンのタキシードと白の長ズボンを履いて革靴を履いた40代ぐらいの男性が挨拶した。ついに国王と謁見できたのか……現実味が無さすぎて本当に会えたのか多分この後も疑問に残るレベルだな。
「国王様ですか。お会いできて光栄です。」
「そうか。まぁ、ミラルの気まぐれに付き合わされたんじゃ。そんなに身構える必要もない。いつも通り過ごしてくれた前。」
「王様方。」
「なんだね?」
「おう。もう終わったのか。」
「はい。アフターヌーンティーが完成いたしました。皆さん席に着いてください。あ、王妃様は今カルーヴィンが連れてきているところです。先に座っといてください。席は前の2列4席には王様方がお座りになられますのでそこ以外にお座りください。それ以外だったら構いませんので。」
「あ、えと、本当にいいの?」
「勿論じゃよ。アフターヌーンティーまでが今回の正体なんじゃからのう。余り忙しくて外や他の土地に行くことも少ないし。」
「分かりました。」
「ほら、行くぞ。」
「あ、分かりました。」
「うん!いこ〜!」
「レッツゴー。」
「いこいこ〜。」僕たちはそういいながら、アフターヌーンティーのため、饗宴の間に向かった。中は幅数メートル、長さは20mもあろうかという超大きな部屋の中に真っ白いテーブルクロスがかかったテーブルがあり、その上にショートケーキやチョコケーキ、スコーンや、たまごサンド、ハムサンドにチーズサンドなどが置かれており、アフターヌーンティーの準備が全て完成していた。僕たちはその椅子に座り、王妃様が来るまで待機した。そして、ドアの向こうから何人かのメイドさんと王妃様が現れた。王妃様は170cmぐらいの超乳。軽いウェーブががかったブロンド髪を腰まで伸ばしたのと黒い目と、銀色のティアラ。白いドレスの下に黒の服を着て真ん中にひし形の穴が空いてありそっから黒い布が見える高貴なドレスと白いハイヒールを履いた、40歳ぐらいの女性だった。ふつくしい……。
「あら、こんにちは。私は王妃のマリア=クリス=シェネグ=シリュ=ドナウザーです。よろしくお願いします。」
「あ、初めまして。」
「まぁ、まぁ、カチコチになるのも分かるがゆっくり、家にいるかのようにするが良い。妾もそうなる気持ちは分からんでもないしな。」
「うん!わかった〜。」
「それじゃあ食べましょうか。」
「そだね〜!」
「ん、ん。それじゃあ、頂かせて、頂きます。」
「ほんとにいいの!?」
「あぁ、」
「じゃあ、食べよ!」
「そうじゃな。」
「あぁ。」
「ふふ。そうですね。」
『頂きます。』僕らはその後、アフターヌーンティーを食した。最初こそ食べ方が分からずにキョロキョロしてたが、そのうち見よう見まねで食べ始めた。……うんま……甘すぎなくくどすぎなくてホントいくらでもいける上品な味だ。さすが王宮で王様や王妃様が食べるような食事だ。今まで食べた食品のうちのどれよりも美味しい。舌の上で蕩けるような美味さだ。
「お〜いし〜!」
「そうですね。ほんとに美味しいです。」
「毎日こんな美味しいもの食べれてほんと幸せだね〜!」
「まぁ、そう思うと幸せなのじゃが学園もあるし公務や謁見、長槍の特訓など予定が結構びっちり詰まっておるのでな。こんな美味しいものを食べれるのも、アム……。激務の合間の休息と思ってくれたら良い。ホントなら国民全員にこれを食べさせたいのじゃが限度もあるしの。それはさすがに無理なことぐらい相談しなくとも分かっとる。だからこそ、偶に労う意味合いとしてもあるしさっき言った通り街などの様子も聞きたいために誘って連れてくるのじゃよ。休みの日は良く街に出かけるしな。」
「そうなんだね〜。」ルーナカミはそれを聴きながらアフターヌーンティーをガツガツ食べていた。おい。これは上品に食べるもんなんだけどな……
「あらあら。そんなにがっつかなくてもアフターヌーンティーは逃げませんよ。」
「すいませんね。ほら、ルーナカミ、美味しいのは分かりますが周りに王様たちがいるんですからちょっと落ち着いてください。」
「え〜?いいじゃん。だってこれすごく美味しいんだよ!」
「いいですよ。いいですよ。」
「逆にこんなにがっつくなんて見るの久しぶりですからね。みんな、ガチガチになってあまりそうならない人が多いんですよ。」
「久方ぶりじゃしな。こんなに食事の時に喜ぶものはのう。寧ろ新鮮じゃ。」
「そうそう。」
「なら、まぁ。」僕らはその後美味しいアフターヌーンティーを楽しんだ。その後、メイドに片付けは任せ、自分は饗宴の間から立ち去り、速やかに退出した。それぞれの公務がある訳だしミラルは普通の長槍より長い6mほどの超長槍の特訓に勤しむ必要があるため、それを邪魔してはいけないからだった。その後、魔女の授業から帰ってきた王都学園の馬車列を通り過ぎるのを待ち、買取屋さんに辿り着いた。
「こんにちは。」
「あぁ?買取屋、及び武器商人の俺になんかあるか?」
「あ、えーと、まずこちらを見てくれませんか。」ソリスはそういうとダディワスからヨーレが書いてくれた証明書を出した。買取屋の男はそれを読むと、「なるほどな。わかった。さて、何を売ってくれるんだ?」と言った。どうやら、買取は了承してくれたみたい。
「こちらです。」
「ほう。ブロウクボアの牙と鱗、それと火猫の鞣か、材質はどれも中程度だが洗うなりして処理すればかなりの逸品はなりそうだ。鑑定に時間食うからちょっとどっかで時間潰しといてくれないか?」
「分かりました。」
「どこ行く?」
「そうですね。ギルド本部に行きましょうか。」
「ギルド本部?なんで行くんだ?」
「そうだよ。任務受けるには時間足りなく無い?」
「ギルド本部には色々な計測機器があって16歳未満もしくはギルドの人は無料で受けることができるんですよ。なのでそこにいって、どんな感じなのかを知れるんですよ。」
「でも、魔力量とLv調べたじゃ〜ん。」
「まぁそうですかけど、魔武器にどれだけの得意性があるのか知れたり、魔力量を数字で表してくれたりそれぞれの属性の魔法取り扱い力や技能能力まで知れるんですよ。中にはそれでどんな将来を決めることまであるんですよ。」
「つまりもっと細かいところまで知れるってことか。」
「そうですよ。」
「なんか、ソリスがこんなに楽しそうに話してるとこ、初めてな気がする。」
「そうだね。」
「じゃあ、そこにすっか?」
「ん〜。そうだね!そんなに楽しそうに言うんだったら行きたくなってきたかも!」
「そうだね〜!」
「ん。」
「あぁ。流石にここまでいわれると気になるな。」
「うん!行こっか!」
「ありがとうございます。あ、あの。」
「ギルド本部か?王宮とかの噴水がある道を左だ。」
「ありがとうございます。じゃあ行きましょうか。」この後、喋りながらギルド本部に行った。
「いらっしゃいませ。」
「あのさ!測定したいんだけどどこで受けられるの?」
「測定ですね。ギルド登録用の測定ですか?それとも、本格測定用の測定でしょうか?」
「本格測定ですね。」
「了解しました。それではこちらに来てください。」そう言うと僕らは上に連れてかれた。そこには3mはありそうな六角系の水色の魔晶石や魔法武器等色々な武器などが置いてあった。結構色んなやつあるんだな。
「では、えーと、ちょっと子供じゃなさそうなのでギルドカードを見せてくれないでしょうか。」
「分かりました。」ソリスはそう言うと、全員分のギルドカードを提出した。受付の人はそれを確認すると「確認完了しました。」といい、その後は自由にしていいらしい。あそこにも職員さんいるし、気になったら質問しろということだろ。
「あ!見て!あれ。ヨーレの写真があるよ!」アリシアはそう言うと壁にかかっている額縁を指さした。そこには「魔力量順位、1位、ヨーレ=ヴェストリア=イリィ=クーアー=ストレッティ=コラピオス=ラビオティー=ソフィー=アウェスカ、総魔力量、2094730」と書いてあった。いや、ヨーレ本名なっが……。それに魔力量200万?基準値がどこなのか分からないけど2位が52万とかだからほんと断トツなんだな。
「こんにちは。なにか質問ありますか?」
「魔力量の基準値ってどれぐらいですか?」
「水晶石の魔力量の中央値は2000で黄色ですね。青で15000-25000耐久値は5万から8万ですね。」
「つまり耐久値の数十倍か……そりゃすぐに割れるか。」
「はい。ヨーレが来た時はみんな驚いていましたね。その時までの最大値はあそこに書いてある第3位のアカナイトベール=ウィンベルスの41万6千でしたので。」
「あ、そうだったんだ!」
「チラ王女もいるんですね。第5位ですか。」ソリスはそう言うとチラ王女の写真を指さした。チラ王女は第5位、39万5900となっており3-5位は意外とキツキツであった。
「それじゃあ私達も測りますか。測り方を教えてくれませんか?」
「分かりました。ではこの木の板に利き手をパーの形にして乗せてください。見てわかる通り穴はひとつしかないので1人ずつお願いします。」
「わかりました。じゃあまず誰から測り始めます?」
「私!」
「じゃあ、アリシアからですね。」ソリスがそう言うと、アリシアは右手を木の板の上に置いた。すると魔晶石が光様々な文字や数字が出てきた。いや多いな。
「えーと、魔力量は3052、使える種類は火、水、草、風 、光、精。魔力扱い力は超、レベルは体力レベル162攻撃レベル188魔法レベル120総合レベル140、技能能力は精霊たらしランクB、魔力袋ランクAですね。」
「魔力袋?精霊たらし?なんだその変な名前。技能能力なんてのもあるし。」
「技能能力というのは生まれた時にお母さんやお父さんなどからランダムに授けられる能力のことですね。ほとんどの人は持ってはいるんですけど持ってなくてもある程度は持っていなくても大丈夫ですし、持っていたとしてもランクCとかの場合は少々効果がある程度ですし。それで精霊たらしという技能能力とはですけど内容は精霊と契約したり精霊魔法を使う時に魔力が少なくすむようになる技能能力ですね。魔力袋は前にルーナカミから魔力与えてもらったときあるじゃないですか。あれ、常人なら結構影響あるんですよね。本当ならちょっと重いとかじゃなくて何日も体調崩す所ですよね。つまり、自分以外の魔力を貯めるための何かが体の中にあるみたいなので其れを魔力袋という技能能力で表してるんですよ。」
「へ〜。そうなんだな。」
「じゃあ次は私ですね。魔力量は16200、使える種類は火、水、草、土、風、光、闇、魔、動、他、魔力扱い力は極、レベルは攻撃レベル91魔法レベル198体力レベル89総合レベル126、技能能力は魔力袋ランクS、海潜りランクS、召喚技能ランクCですね。じゃあ次は……マレにします?」
「う〜ん。」そう言うとマレは測り始めた。
「魔力量は14930。種類は体、魔力扱い力は大の中、レベルは攻撃レベル59、魔法レベル192、体力レベル79、総合レベル110。技能能力は精霊たらしA、動物たらしB、薬師Cですね。薬師まで入ってるんですね。魔法薬作る時に薬草の量が減るのはかなりいいですよ。」
「薬師持ちなんだ〜!やった〜!」
「珍しいんだな。しかも精霊たらしつきか。」
「じゃあ、次はナサールですね。」
「ん。」
「えーと、魔力量1780。種類は火、水、風、土、闇、魔。魔力扱い力は下の下、レベルは攻撃Lv199、魔法Lv172、体力Lv199、総合Lv190。技能能力は悪魔ですね。……悪魔ってなんですか?よく分からなくて。」
「……さぁ。私もよく分からない。」
「2人でも分からないことってあるんだね〜。」
「確かに!」
「まぁ、誰にだって知らない所はあるとはいえ博識なソリスと長く生きてるナサールが知らないのは驚いたな。」
「まぁ、聞いたことないですからね。」
「私も初めて聞いたから知らないの。自分の体なのに知らないことあってごめんね。」
「大丈夫。」
「そうですね。特に技能能力なんてここら辺でしか調べることは出来ないですし、知らないのも当たり前と言えば当たり前ですよ。私も技能能力の内容は今までしらべたことないですもん。では次は湧太ですね。」
「おう。」
「えーと、魔力量1510種類は火、水、土、闇、魔、魔力扱い力は中の上、レベルは攻撃Lv102、魔法Lv96、体力Lv114 、総合Lv104、技能能力は手先器用ランクB、地形把握ランクCですね。地形把握ですか。迷った時に役立つかもしれませんね。」
「技能能力って異世界に召喚された時にも与えられるんだな。」
「みたいですね。まぁ、魔力みたいに自然に付与されると思いますよ。じゃあ、最後はルーナカミですね。」
「わかった!」
「えーと魔力量は23万9500、第九位ですね。使える種類は全属性、火、水、草、風、土、光、闇、体、動、精、魔、魔力扱い力は極、技能能力は内臓逆位、軟体、魔力異常、魔物たらしランクB、召喚技能ランクAですね。」
「内臓逆位!?」
「ん?なに?」
「知ってるんですか?内臓逆位。」
「あぁ、体の中に内蔵ってあるだろ?」
「うん。」
「あるね。」
「それがどうかしたの〜?」
「その内蔵の位置が全て逆なんだ。」
「それがなんか問題なの?」
「問題じゃないんだけどすごい珍しいんだよ。その病気。特に体に影響はないんだけどな。」
「そうなんだね!」
「それと、軟体、体が異常に柔らかい、まぁ、これは前見せてくれたやつですね。魔力異常、まぁ、これは魔力の量がおかしいだけで特になんでもないですね。魔物たらし。あぁ、あのスライムとかに懐かれてたのはこれですか。召喚技能、お、召喚魔法にまで高度な技能持ちとは、ちょっと嬉しいですね。ちょっと申請しましょうか。あの〜。」
「はい。あ、魔力量上位入賞者ですか。えーと、本名と魔力量教えてくれませんか?」
「わかった!ルーナカミ=アディスト=ルーンメラ!魔力量23万9500!」
「分かりました。ちょっと待ってください。」受付の人はそう言うと魔晶石をいじってそのデータに不正がないか確認した。その後、「確認できました。」といいルーナカミの写真を撮って名前等を記入した。
「じゃあ、これ、貼り出してもいいですか?」
「OKだよ〜!」
「構いませんよ。」
「うん!」
「あぁ。」
「ん。」
「いいよ〜!」
「それじゃあ今日、業務が終わり次第貼っておきますね 。」受付の人はそういい頭を下げてどっかへいった。僕たちはその後魔導具の方にいったが「別にどれが適正かわかったところで今更武器も変えませんからね。」と言ったので計らないで、買取屋さんの方に戻った。
「ただいま!ちょっと時間遅れちゃっごめんね。買取終わってる?」
「終わってるぞ。」
「ありがとな。ところでその毛皮や鱗、何に使うか聞いてもいいか?」
「あぁ。ブロウクボアは短い槍に使われるな。大体2mぐらいの槍だ。金属より軽いから威力はないが瞬発力に秀でているぞ。そして鱗と皮は全部鎧に使われるな。火猫の革鎧は火魔法や火の攻撃はある程度カバーしてくれるし鱗の方は魔法ベールで魔法をある程度防げるし、しかも魔法の効果をある程度高めるという攻撃の追加効果付き、しかもシールドまで作用してくれるから鉄壁の防御にまで役立つことが出来る。値段は……そうだな。鱗が5万ルナシェス、牙が1本7500ルナシェス、皮が1万5千ルナシェス、オマケして合わせて10万ルナシェスでいいか?」
「あ、はい。構いません。」
「それじゃあ10万だな。」買取屋の人はそう言うと金貨10枚をぽぽぽぽーんと出した。
「10万……あ!」
「どうしたんですか?アリシア。」
「いやさ、この後服屋さん行ってもいい?」
「なんでですか?」
「王都なら流石に私に合うブラジャーあると思うし10万なら流石に4 5枚は買えると思うしね〜。」
「そっか!アリシアめちゃくちゃおっぱいおっきいからノーブラだったね!」
「おい。ここで話すのもどうかと思うぞ。」
「あ、あぁ、せめて服屋さんで話してくれないか?」
「ん。わかった!じゃあ服屋さん……はちょっと前の所にあったね!」
「じゃあ、そこ、行こか。」
「ん〜!行こいこ〜!」アリシアはそう言うと両手をブンブン振り回しながら出発した。そっか……今アリシアノーブラなんだ。まぁ、あんなにでかい乳持ってるから当たり前と言えば当たり前なのか。まぁ、この世界は乳の大きさがアニメのキャラやそれ以上にでかいからな。ほんとありえないサイズだけどこの世界では普通だしもっとでかいサイズも王都に行けばあるんだろ。
「あ、服屋さんありましたね。」
「じゃあ、私たち待とっか。」
「そうだな。」
「ん。」
「いってら〜。」
「ん!」僕らはそう言うと近くの椅子に座って待った。そういえば……
「みんなはお洒落しないのか?」
「ん?お洒落?」
「そうだよ。女性なんだからまぁ、する義務こそないとは思うけどお洒落似合うと思うんだよな。」
「まぁ、やろうと思えばやりますしやれますけどお洒落には自分は興味ないですね。お洒落よりも実用性を求める感じです。例えばこの前着た水着もあの水着の方がビキニ水着より実用性がありますからね。」
「私はお洒落したいんだけどほら、妖精ってちっちゃいじゃん!だからあまりお洒落の衣装がなくて、だからま、これでいいやと思ってんの。自作するって手もあるけどレースの衣装作るのすっごい難しいからね〜。」
「私は、お洒落には興味無いしね。それにお洒落しても角を隠すためにロープを頭に被らないといけないからね。あまりオシャレする気にはならない。」
「そもそもなんでロープ着てるんだ?」
「あれ、見たでしょ?レストランのやつ。ああいう感じでさ、魔人や悪魔とかの魔属って、宗教的なやつで虐められたり、特に意味もないのに殴られたり蹴られたりするんだよね。でさ、それに対して一々兎や角言うのめんどくさいからね。なんも言われないようにとりあえずロープ被って隠してるの。これなら獣人族のウサギに間違われることが多いからあまり面倒さいことにならなくてすむからね。」
「へ〜。それでルーナカミは?」
「お洒落したいと思い始めた頃にはもう奴隷になってるからね。今更したくてもどれがお洒落だかよく分からないしだから服屋さんで見て似合うものを買ってきたの!」
「ふーん。確かに似合ってるよな。」
「そ!」その後僕らは10分近くアリシアのブラ選びを待った。すると、アリシアはダダダ!と走って帰ってきた。
「帰ったよ〜!」
「あ、おかえりなさい。」
「なんのサイズ買ったの〜?」
「え〜と、なかった!」
「なかったって?」
「いや〜。ついに来ちゃったかって感じ。一応極上の4試着してみたんだけどさ〜。ギチギチで結構きつくてさ〜。測ってみたら162もあったの!言われちゃったよ〜。『うちではこのサイズは扱ってない』って。」
「そ、そうなのか。極上ってなんだ?」
「下着のサイズだよ〜。下から10cm刻みで極小、小、中、大、巨、爆、超、極、極上の8サイズとそれをわける4種類のサイズがあってね〜。それ以上はちょっとよく分からないや。それにしてもついにか〜。最近きつくなってきたからな〜。と思って壊すのが怖くてつけてなかったんだけどもうないのか〜。」
「いやさ、男だからよく分からないけど目立ったりするからどうにかならなくないか?」
「この服やタンクトップみたいな服自作だからさ、色々やって目立たないようにすることぐらい楽勝なわけ。それに私以上におっぱいが大きい人向けにそういうブランドまであるぐらいなんだからね〜。」
「そ、そうなんだな。」
「なんか、言ってる本人でもないのに恥ずかしくなってきました。」
「えへへ〜。ま、そういうのは女子の色んな悩みとか誇りとかだからね〜。」
「恥ずかしくなるのも分かる。私も、恥ずかしいもん。」
「私は別に恥ずかしくないかな?おっぱいが大きくなるのは女の子の絶対なんだからさ〜。私もどんどんおっぱいおっきくなって欲しいよ!」
「いいね〜。ガンバ〜。あ、そうそう!忘れるとこだったよ。ナサール、ちょっとこっち来て!。」
「ん?なに?」ナサールはそう言うとアリシアの近くに寄った。するとアリシアは真っ赤なスカーフを取りだし「うんうん。真っ赤に澄んだナサールの瞳と同じ色だね!綺麗な色だから良かったよ!」というと、首に真っ赤なスカーフを巻いた。ほんとだ。ナサールと同じ色になってる。プレゼントかな?
「ん。あぁ、え?いいの?」
「ん。いや〜。正直赤いお花のヘアピンがあったからさそっちにしようと思ったんだけど角と一緒に髪の毛もヘアピンも隠しちゃうからその時にヘアピンも隠れちゃうんだし意味ないと思ってさ〜。でも首にスカーフはロープで隠されないからね〜。だからスカーフにしたの〜。お金の件は別に気にしなくていいよ。可愛いと思って買ってプレゼントしたからね。」
「あら、ほんとに似合ってるじゃないですか。」
「そりゃそうだよ!私こう見えて結構お洒落なんだから。」
「まぁ、服自作するぐらいだからな。」
「見せて見せて〜。可愛い〜。」
「お〜!いいじゃん!」
「あ、あまり、見、見ないで。恥ずかしいよ……」ナサールは顔を真っ赤にしながら首を隠すようにした。まぁ、確かに近いところで仲間とはいえこんなに同じところを見られたら恥ずかしいか。
「えへ〜。」
「ま、まぁ、これは破けるまで大事にしてつけるから。」
「ほんと?う〜れし〜!ありがと!」
「い、いや。お礼はこっちの方だし……」ナサールがボソッと呟くとぎゅーとアリシアはナサールを抱きしめた。その後、抱き締めるのをやめ、この後の予定に着いて話し始めた。
「あ、その前にお釣りを。」
「ホイホイ。」
「この後どうする?」
「そうですね。」
「それだったらさ。もう一個別のお店行ってもいい?」
「何があるんだ?」
「ほら、さっきブラジャーないって言われた時におっぱいが特に大きい人専用のお店を教えてもらったの。」
「そういうブランドあるって言ってたもんな。」
「そう。ただ、かなりお高くなるって言われちゃったんだよね。だからソリスも一緒に行って確認してみてよ。」
「値段をですか?分かりましたよ。」
「よーし。えーと、」アリシアはそう言うと地図を広げた。恐らくお店の人がかいてくれたんだろう。そこから5分ほど歩くとお店があった。「特殊体型用衣服専門店、ルディッシア。~あなたに合う衣服がここにある~」と看板に書いてあった。
「ここですか。」
「そ!それじゃあ入るよ!」アリシアはそう言うとソリスと共にルディッシアの中に入っていった。20分30分経つと2人がでてきた。
「思ったより高くてビックリしましたよ。」
「ね〜。私も予想外だった。ただいま!」
「買えたの?」
「うん。1着5万ルナシェスって言われた時は驚いたけどね。」
「高いな。」
「まぁ、聞いて見た感じ、そもそも製造数が少ない上に、1枚1枚にかかる時間とか布の量とか技術とかも考えたらこうなるらしいですので、納得はしました。まぁ、幸い貯金もまだ沢山ありますし。」
「サイズは〜?」
「えーと高の2かな?私のアンダーサイズで言うと162.5から165が範囲内らしいよ。」
「じゃあこの後はどうするのか?」
「どっしよっか!」
「ウトナに戻ってもいいしね〜。あ、新聞ある。ちょっと読みながら話そっか。」
「そだね。」僕たちは、その後、本屋さんで新聞をかいそれを読みながらどうするのかを話した。
「どうする?」
「あのさ、無理だったら別にいいんだけど行きたいところがあるの。」
「お?ルーナカミ。どこなの?」
「え〜とね。ママとパパのところ行きたいの。」
「ママって、お母さんのことですよね。」
「ん。」
「お母さんのところ?どこにあるんだ?」
「この国を超えたさらに北にあるノーチコラ王国のククカクロスにあるよ。かな〜り貧しい村でね。正直餓死とかあるから今も生きてるかは分からないけど行けるなら行きたいしね〜。」
「そっか〜。」
「行きます?」
「俺的にはいいと思うぞ。」
「私も〜。」
「ん。まだ、会える可能性があるなら生きてるうちに会った方がいいと思う。会えなくなってから会いたいと言っても遅いし。」
「確かにね〜。」
「よし。行きましょうか。」
「あ!行くならひとつ追加でお願いがあるんだけど……いい?」
「ん?なに?」
「ん〜。あのさ、私の村すごく貧しいって言ったけどその理由ってね、色々あって作物が育たないからなの。だからみんな痩せこけてるし、子供、つまりは私たちを身売りするぐらいでしか生活が出来ないの。だからさ、せめて子供身売りしなくても生きられるような作物を植えてくれない?」
「なら、馬鈴薯ですね。」
「そうだな。北なら寒さにも強くないといけないけど馬鈴薯ならちゃんと育つし、おかずにもご飯にも出来るし、澱粉も取れるしな。」
「ん。少なくとも、主食分の元は取れるしね。」
「馬鈴薯ってなに〜?」
「じゃがいものことですね。」
「あぁ。」
「じゃがいもか〜。」
「確かにあれなら結構取れるし種作るのも簡単だからね!」
「よ〜し。なら、じゃがいも、仕入れよっか。」
「行くのはいつにします?今日か明日のどっちかなのは確定なんですけどね。」
「何日ぐらいかかった?さすがにまる3日とかは遠いと思ってるんだけどね。」
「えーと、前に奴隷として王都でうられた時には2、3日ぐらいかかったかな?確か寝てるうちに連れてかれて2日目ぐらいに着いた気がする。だからまる2日ぐらいかな?」
「まる2日ですか。」
「結構遠いんだな。」
「そだね〜。」
「まぁ、国超えるからね。王都に行くまでにも1日かかるんだから2日かかるのも分かるよ。」
「よ〜し。なら、今日は色々お買い物しよっか!」
「うん!」その後、僕らは馬鈴薯を育てるためと差し入れのために数百キロ単位で購入し、近くの宿に泊まって寝た。貧しいって……大丈夫なのかな。