1-3 Bathing in the sea with a slave girl
15
……ふわぁ。……今日は誰もいないか。この前はアリシアもナサールも途中乱入してきたけど今日はとりあえず無事だったようだな……。良かった良かった。じゃあ、着替えるか……。
「起きてますか?」着替え終わるとコンコン、とノックの音が聞こえソリスが起こしに来た。
「起きてるし、なんなら着替えたぞ。」
「あら、それはありがたいですね。全員起きてるのでそろそろ外に出ておいてください。」
「あぁ。わかった。」僕はそういうと軽く伸びをした後ドアを開けみんなと挨拶を交わした。その後朝ごはんを食べてギルド所に行ったところでメルアニア達に出会った。
「あら。おはようございますわ。」
「おっはよ〜!」
「おはようございます。」
「なんの話ししてたの〜!?」
「いや〜。今日はなんか暑いね〜って話をみんなとしててさ〜。」
「海に行くという話してたんだよね。」
「ただ……私、泳げないですし、水着も買ってないからね……」
「どうするか?と俺らで話してたってことだ。」
「確かに今日は少し暑いな。」
「そろそろ夏ですもんね。」
「いいじゃん!海!」
「いこいこ!」
「え……?水着……ないよ。」
「そこら辺は大丈夫!私も去年の水着おっぱいのところパツパツだから買い換えないと行けないもん!」
「ハハ……そうですか……」ルーシーはどこか遠い目をしながら乾いた笑いをした。……何となくわかるわ。胸囲の格差社会というかね……
「お前たち共、そこで何をしておる?」ふと、振り向くと声がした方向にラーミラス達が居て、こっちに話しかけてきていた。なので僕たちは入口からちょっと離れた場所に行き、さっき言ってたことを話した。
「海ですか……。」
「そ!」
「水着持っていますか?」
「うん!」
「最初の任務のダンジョン任務、途中沼の中を進まないといけない箇所があるって言われたからな。」
「結局肩まで浸かったもんね。色と深さ的に沼というより池みたいだったけど。」
「そそ。」
「じゃあ行けるんだね!」
「ちょっと待て、いつの間にか勝手に行くと思ってまいか?」
「うん?そうだよ?」
「行けますかね?」
「どうかの?」
「予定上で言うと行けなくは無いですよ。」
「そうなのか。」
「いけるの?」
「まぁ、確かに今日はなんの任務受けるかまだ決めてないもんな。」
「じゃあ、どうするの?」
「行くの?」
「そうじゃな。行くとするかの〜。」
「やった〜!!」
「ありがとうございます。」
「いいいい。確かに連続してやってたから少し休みが必要かもしれなかったものな。」こうして多少強引なところはあるかもしれなかったがみんな一緒に海に行くことになった。そのあとは、わちゃわちゃしながら水着を買いに行くことになり近くの服屋さんで水着や遊び道具を複数個購入し、ついでに、BBQ用にと、肉と野菜と飲み物をいくつか買った。魚は現地で調達すればいい話らしい……ソリス、漁業って海人さんみたいなやつもやってたんだな……。槍で魚ぶっ刺してとる系のやつって。
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馬車3台隣同士でぺちゃくちゃ楽しそうに話しながら1時間ちょい馬車に乗り、海辺の街のナヌカン半島のエダスチ街に着いた。ウトナよりかは幾分か小さい街だったがそれでも小さな市場や店などが存在していた。
「こんな街なんだ……」
「むしろ村に近いな。この感じさ。」
「そうかもね。海辺の村って感じだよ。」
「潮の匂いもしますもんね。こっから海まであとどれくらいで着くんですか?」
「あと500mもないな。今はちょっと見えないけどちょっと先にある道を降ったらもうそこは海だぞ。」
「おぉ〜!」
「じゃあほんとに近いんだね。」
「楽しみだね〜。」
「プオラート。」
「はい?」
「泳げないんでしたよね。出来れば泳ぎ教えますよ?」
「どうする?」
「必要なの……?」
「そうですわね。例えばダンジョンとかで自分の体よりも深い池にもぐらないといけない場合がありまして、その場合どうしても泳がないといけないじゃないですか。そのために必要だと思いますわよ。」
「そう……なら。よろしくお願いします。」
「わかりました。」そのあと一二分馬車に乗りついに海に着いた。とりあえず水着に着替えるか……脱衣所はどこだ?
「脱衣所はどこだろう?」
「えーと……あ、あそこですね。かなり簡易ですがどうやら青く塗られてるのが男子、赤く塗られてるのがどうやら女子っぽい感じですよね。」
「そだね〜。じゃあ入って水着に着替えよ〜ね〜。」
「そうですね。」みんなそれに承諾して、脱衣所に入り水着にきがえた。
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「お!来たきた〜!待ってたよ〜みんな〜!」
僕たちがゆっくりと着替えてる間にアリシアだけが先に済ませたらしく外に出ると黄緑色のマイクロビキニを着たアリシアが外で待っていた……Hすぎだろアリシアよ……乳めちゃくちゃでかいくせに直径数cmレベルの小さい布が乳首ら辺を覆ってるだけで残りは紐だし……パンツもパンツで紐パンすぎてもはやふんどしみたいになってるし……いくらこいつに羞恥心とかなくてもこれは別の意味で問題だろ……露出狂として公然わいせつ罪で捕まるぞほんとに。
「お、おう。というか俺だけだけどな。」
「あ、ふーん。そうなの?」
「あぁ、他の人はまだあっちで着替えてる状態だ。そっちはどう?」
「うーん。こっちもまだ着替えてるよ!私だけ遊びたい一心で早めに着替えてポーンとでてきたの。」
「そうなのか……ところでさ。その服……いや水着か。恥ずかしくないのか?」
「恥ずかしい?なんで?」
「いや自分の服装考えてみろよ。上は上で少ししか隠れてなくてほぼ裸に近い状態。下も紐パンだしめちゃくちゃ布のところ小さいし。」
「まぁ、確かにそうだけどね〜。別に大事なところは隠れてるしいいじゃん!あとそれソリスにも言われたよ〜!」
「そりゃソリスは常識人だからな。そんな服装見たらとやかく言うのも頷けるな。」
「もう〜!みんなソリスの味方ばっかり〜!ま、いいけどね〜。だって私恥ずかしくないもん!」
「終わった終わった。って、アリシアさん……?」
「お。アリシア。……ちょっと薄着しすぎじゃねぇか?いくら暑くても水はまだ少し冷たいんだから風邪ひくぜ。幸いにもこの暑さで砂浜はとりあえず大丈夫な温度になってるのは確かだが。」
「ん〜!もう!知らない!」アリシアはそういいながら軽くおこりほっぺを膨らませた。僕たちは少し笑いながらも謝って許してもらい、そんな茶番をしている間に残った全員も来た。
「あらあら。何か話してましたか?」
「お、ソリス。それとみんなか。」
「いや。アリシアさんの水着問題に着いてちょっと話してたんだよ。」
「まぁ、確かにちょっと布面積は低めですので……色々注意したけど。まぁ、本人が気にしてないならもういいやと思ってしまいましたよ。」ソリスはくすりとわらっていた。ソリスは赤っぽいスクール水着を着用しており、布面積はかなり多かった。
「でしょ〜、もういいじゃん!別に大事なところか隠れていれば捕まらないんだからね〜!」
「確かにそうですわね。」メルアニアは優雅な感じでそう言った。メルアニアは白いワンピース型のスクール水着を来ており高貴な感じが尚更強くなった。
「確かにね〜!よ〜し!行こいこ〜!」マレは緑色の大きなビキニのような服を着てパタパタパタ〜と海の方に飛んでった。それに追いつくようにみんな歩いたり走ったりして海に向かっていき後にはぼーっとしてたらしきナサールと僕だけが残された。ナサールは黒のワンピースという見た目的にも全くロープを脱いだ姿と変わらない水着を着ていた。
「なんか、残っちゃったね。」
「あぁ、追いつけなかったな。急に出てくのにちょっとついていけなかったみたいだ。」
「ん。ちょっと、待ってて、欲しかったけど、そういうのも、なんか違うし、なんか言う前に、みんな海に、行っちゃった。」
「ま、ゆっくり言っても減るもんじゃないしゆっくり行こか。」
「そだね。」 僕とナサールはそういうとゆっくりと歩行を開始した。
「それにしてもさ、ナサールってほんと力強いよな……」
「うん。前言った通り結構私強いからね。元々魔人は強い方って……これ前にも話したっけ?」
「まぁ、少し。」
「まぁ、いいや。魔人は強いけど……その中でも、私は強いらしいんだけどさ。ほとんど私、魔界にいたこと、ないんだよね……私、いじめられたときから、ずっと、人間界にいたし……さらに私は、魔界にいた時の思い出は、父母の顔や、おじいちゃんの顔とかを、思い出すことが、出来るぐらいで、あまり周りの、人の強さを、思い出せないからね。」
「そうなんだな〜。」
「ん。だからあまりっと……」
「ごめんなさい……!」ゆっくりと歩いてると獣人族らしき子供がかなりの速さで僕らの目の前を通り過ぎた。髪とか服とか全部ボロボロだな……。なんでだろう。ちょっと聞いてみるか。
「なぁ、今の子って?」
「獣人族イヌ科の女の子だね。」
「いや、そういう意味じゃなくて、なんか色々ボロボロだったじゃん。髪もそうだし特に服なんて穴空いてたり黄色じみていたりカサカサみたいな見た目だったりしてるし。一体どういうことだ?」
「あ、ああ、そういうことね。あの子は多分奴隷。年恰好からして性奴隷では無さそうだけどね。首に番号書いてあったでしょ?」
「いや、そこまでは見えなかったな。黒い鎖の着いた首輪なら見えたけど。」
「それが奴隷の証なの。」
「そうなのか。というかここにも奴隷はいるんだな。」
「ん。かなりいるね。人間族でもエルフでも魔人でも特に関係なく奴隷になってる人は一定数いるからね。何となくエルフの方が性奴隷もあって多いかもしれないけど。というかそっちにもあるの?」
「一応僕が住んでた国では廃止されてるな。僕たちの国場合まず穢多非人という下級人権制度はったけど殆ど奴隷文化が発達してなかったらしいし、他の国でも大多数が人間皆平等ってな感じだから一部の国を除いて奴隷制度はもう廃止されてるな。」
「そうなんだ。そっちには、エルフとか、居ないの? 」
「うん。魔界もないし、エルフもいないな。いるのは人間、ホモ・サピエンスだけだな。それと色んな動物がいるにはいるけど魔属のように強いのは居ないな。ドラゴンもいないし。ほんといるのは犀やライオン、熊ぐらいしか危険なのないし、しかも事情によってほとんどいないからいる動物は犬や猫などの一部の小動物しか周りにいないし。」
「ふーん。結構つまらなそうだね。」
「まぁ、そっちの世界とは時代がだいぶ違うからな。別の娯楽もあるし楽しいこともあるよ。それにしてもあいつは気の毒だな。」
「確かに。あの子多分一生奴隷として生涯が終わっちゃうからね。」
「お〜い!」
「何話してるのじゃ?」
「話すのもいいですけど海に来たので泳いだほうがよろしくってよ〜!」
「おう!」
「ん。わかった。」
「じゃあ、そろそろ行くか。」
「そうだね。」そのあと僕とナサールは海の方に向かって走ってみんなと一緒にお昼ぐらいになるまで遊びまくった。そのあとはお昼は別々に食べようということになり用意していた肉などを用意してBBQを始めた。
「ふーんふふ〜ん。」
「ソリスお魚ありっとうね〜。」
「いえいえ。慣れたことですよ。剣で魚も烏賊も蛸も取れましたしね。蛸はお刺身にでもしましょうか。」
「ん。そっちの方が美味しいもんね。」
「そうだな。」そう談笑しながら食事を作り終え、食べようとしたところ「ごら〜!!」という大きなダミ声が聞こえた。何だ何だ?
「遅い!それに間ちごうておるのがわからんか!?儂が頼んだのはウィシュカベルクという魚じゃ!お前が持ってきたのはトゥンペリカという魚で全くの別もんじゃ!なにをやっておるこのバガダレが!」更に声がしたのでかキョロキョロ探してると這いつくばってるさっきの奴隷の子とパラソルのようなもので日差しを防いでる伯爵みたいな貴族がいた。普通こういうのは太ってるもんだけど結構ガタイよく痩せてるな……。と思いながら見てるといつの間にかアリシアがどっかに消えていた。
「あれ?」
「アリシアどこだ?」
「えーと、って、あ、」ソリスがなんか吃ってたのでその方を見るとアリシアがその奴隷と伯爵の方に行き伯爵の方に平手打ちを喰らわした。
「な、何をするのじゃ!」
「何をしてるのはテメーだろ!!」
「ちょっと……!」
「何してるの。」
「あ、」
「よ。」
「なんじゃ。知り合いか?」
「あ、えーと。」
「さっき目の前を通り過ぎたんだよ。こいつ。」
「ほう。そうか。ところでさっき殴ってきたのはお前らの仲間か?」
「そうだ!なんで幼子を殴りつけた!あ!応えろ!」
「アリシア、落ち着いてください。」
「そうじゃ。そうじゃ。この子は儂の奴隷じゃ。そのため。儂が殴っても別に問題は無いじゃろ。」
「いや大ありだと思うぞ。殴られて怪我したら奴隷的にも問題だし。」
「ん。それに、怖い。怯えちゃうし。」
「そうですね。」
「……ん。ちっ。ちょっとみんな来て。」
「え?はい分かりました。」僕たちはそういうと言われるがままに集まった……ちょっとアリシアイライラし過ぎだよ……。
「とりあえず。落ち着きましょう。」
「ふ〜……ふ〜……。よし。ちょっと落ち着いた。あのさ、」
「な〜に〜?」
「なんでしょうか。」
「あの子買おう。」
「……え?」
「はぁ?何言ってるん?」
「買おうってあの、奴隷の子ですよね。」
「そ〜そ。確かお金あったよね。」
「まぁ、確かに余ってる150万ルナシェスがありますけど……」
「そ。ならそのお金で買えばいいんだよ。」
「いや、……それでも色々問題はあるだろ。買ったらどうするんだ?」
「一緒にいけばいいじゃん。」
「確かになにか的確な武器さえあればそれを伸ばすことは出来ますもんね。」
「ね〜。問題がもうひとつあるんだけどさ〜。その子がその誘いに乗ってくれるかと思うよ〜。」
「まぁ、ね。」
「うん。」
「そっか。それもあったね。」
「なら、それも含めてやらないと行けませんね。」
「あぁ、というか奴隷を買うのにはもう承諾してんだな。」
「えぇ。」
「だってアリシア1度決めたら止まらないからさ〜。」
「もう、猪突猛進だからね。」
「そんなもんなのか。」
「そうそう!なら行くよ!」アリシアはそういうとさっきのところに戻り今言ったことを話した。
「ふむ。お金はあるかの?代金は79万5千ルナシェスじゃぞ。一ルナシェスもまけるつもりは無いしな」
「とりあえず大きなものしか持ってないので80万でよろしいですか?」
「構わないぞ。ルーナカミ。」
「は、ひぁい。」
「こちらが新しいご主人様じゃ。よく遣わせ。」
「え?は、はい。分かりました。アインツベルン様」
「あら。アインツベルン家でしたか。」
「ソリス知ってるのか?」
「えぇ。私の近くに住む伯爵家ですね。近くって言っても馬車で1時間はかかるので意外と遠いですけど。」
「ふん。ま、どうでもいいわい。儂はベネディクト=ファンネル=アインツベルン。そして今から買われる子はルーナカミ=アディス=ルーンメラじゃ。ただ、奴隷として買ったあとどうするつもりじゃ?」
「解放するね。」
「だとしたらアディスをアディストに変えるんじゃな。」
「どうして?」
「サードネーム、苗字と名前に挟まってる名前にはな色んな意味があるんじゃ。儂みたいに伯爵家の場合はフォンとファンネルで変化するし奴隷の場合もアディスが奴隷の証、アディストが元奴隷の証じゃからの。」
「分かりました。他になにか留意点はありますか?」
「一つだけ。お金を支払ってサインしたあと「主属代わりの儀」と「解放の儀」を執り行う必要がある。了承してくれるかな?何簡単なことじゃ。誰も傷つけんしな。」
「何それ?」
「なんだろ〜!ソリス〜。ナサ〜ル。知ってる?」
「いや。」
「私も。聞いたことない。」
「まぁ、奴隷持ってない人じゃったら特に知らなくても構わないからな。お金払ったら説明してやろう。」
「分かりました。ダディワス。少し待っててくれませんか?」
「おう。分かってるぞ。」アインツベルン伯爵がそう言うとソリスはダディワスの中に入り小さな袋の中にお金を入れて戻ってきた。伯爵はそれを確認し、「では、主属代わりの儀を始める。まず棒か剣はないか?大丈夫。傷つけたりはせんからのう
。」
「あります。よっと。これで構いませんか?」
「おう。大丈夫じゃ。じゃあまず、ルーナカミ!」
「はい。」
「そこにとどまっておれ。動くんじゃないぞ。」
「分かりました。ご主人様。」
「それではまず儂がルーナカミから少し離れたところに立つ。ちょっと待て。」そういうと伯爵は位置を確かめるかのようにウロウロし、だいたいここら辺じゃな。と呟くと止まった。
「よし。では始める。まず、ソリスと言ったな?」
「はい。私の名前はソリス=ナサリアです。」
「ではソリスよ。儂とルーナカミの間に立ちなさい。」
「はい。……分かりました。えーと、どうすればいいですか?」
「ちょっと待っておれ。「我。奴隷を持ちしもの。その奴隷の内の一択、ルーナカミ=アディス=ルーンメラを、解放し、ソリス=ナサリアに引き渡すとする。」あとはソリス、剣を上から下に下に降り下ろせ。できるだけ力強くだぞ。 」
「分かりました。」ソリスはそう言うと剣を思いっきり振り落とした。水着でやってるとスイカ割りみたいでシュールだな。
「よし。これで渡す側は大丈夫じゃ。次は受け取る側じゃな。」
「つまり私側ですか。どうやるんですか?」
「やり方はさっきと同じじゃ。儂がソリスが今やったような感じの剣をあげ、ソリスは今から話す言葉を復唱してくれればいい。」そういうと、アインツベルンはソリスに向かってなんか伝えていた。そのあと位置と剣を入れかわらせて「我、ソリス=ナサリアなり。我、ルーナカミ=アディス=ルーンメラを新しく奴隷として買い入れる。どうか私とルーナカミの関係が少しでも長く続けられるように」と唱えた。そのあと、アインツベルンが剣を上に上げ、全てを終わらせた。そのあと、首輪を外す様の鍵や相互契約書を書き「では、これでルーナカミは完全にあなたのものとなった。では、ルーナカミ。これからその方に仕えるように。」とアインツベルンが言うことで全てが終わった。
「わかりました。ソリス様よろしくお願いします。」ルーナカミはそういうとソリスに跪いた。
「やめてください。とりあえず。少し離れましょう。」
「そうだな。」
「やることは終わったもんね。」
「飯もあるし 」
「お腹すいた〜!」
「ほら。ルーナカミも行きますよ。」
「は、はい。」僕達はそのあと自己紹介をしながら戻ってった。ルーナカミは年格好がだいたい7.8歳ぐらいに見える9歳。背丈は130cmほどで少し痩せっぽち。茶髪をボブ並の短さにしたのと黒い目と茶色っぽい黒の犬のような垂れ耳。かなりちゃっけており黄ばみに黄ばみまくって所々に穴が空いてる枕カバーのような服を着てるのと黒光りする金属系でできてる首輪。そして足の方は裸足だった。
とりあえず奴隷として今までかけられてた首輪と恐らく首輪の下に書かれていると思う番号を消さないと……
「では。これから解放の儀を執り行いますね。ルーナカミ。付け焼き刃ですけど構いませんよね。」
「勿論です。ご主人様。」
「ご主人様はいらないよ〜!」
「ついでに言うと敬語もいりませんね。堅苦しいので私みたいに敬語使いがデフォルトになってるならともかくそうでない場合はタメ口で話してください。」
「は、はい。えーと。よろしくね。」
「おう。」
「よろしく〜!」
「よろしくね。」
「じゃあ、解放の儀、始めますね。「『……我。ソリス=ナサリアなり。我、ルーナカミ=アディスト=ルーンメラを解放し、自由にさせることを約束する。これからもルーナカミに幸福があらんことを……』よし。これで終了ですね。もうあなたは奴隷から解放されました。」
「ありがとう。」
「じゃあ次は首輪だね〜!」
「番号も。」
「そうだな。」
「では、外させていただきます」そういうとソリスはゆっくり、慎重に首輪の鍵を外して首輪を取った。
「ふ〜。ありがとね〜。」
「もう自由ですからね。」
「あぁ、でも、この番号はどうするんだ?6803と書いてあるけど。」
「そうですね。確か、ちょっと待って下さい。ダディワス。よっと、こういう系のやつは魔法大全の953ページ目に……ありました。ふむふむ。ナサール。」
「はい?何?」
「今から言う魔法をルーナカミに向かって放ってくれませんか?」
「え?人に魔法はなつの?」
「そうですね。番号を消すためにはある魔法をルーナカミに向かって放たないといけないんですけど、その他魔法を使えるのはナサールだけなんですよ。私たちは魔魔法を使えませんし、湧太はレベルが足りませんし。」
「じゃあ、私が……放つしかないんだね。」
「いけます?」
「いけるけど上手くコントロールできるかどうか分からない。多分できない。」
「そんなに苦手なの?」
「うん。昔っから魔法のコントロール上手くできなくてさ、火炎魔法をやる時に火つけられなかったり加減間違えて爆発みたいになっちゃったりしたし、回復魔法するとほとんどの場合回復の仕方間違えて内部に筋肉痛が生じちゃうし。だからあまり人に向かって使いたくないんだよ。ま、どうしてもしなくちゃいけないなら仕方ないよ。ルーナカミ。痛みを感じるかもしれないけどちょっと我慢してね。」
「うん!わかった!」
「じゃあ、ソリス、魔法の呪文、教えて。」
「分かりました。ウィンネルス・ナンバーです。」
「わかった。……いくよ。」
「うん!」
「ウィンネルス・ナンバー。」 ナサールがそういうと、ビシッという軽い電撃のような音がしてルーナカミがちょっとうめいて気絶した。
「ほら……。やっぱり。」ナサールはルーナカミの体を支えながらぽんぽんと背中を叩いた。
「でも、ちゃんと消えてますね。」
「これ大丈夫なの?」
「回復とかはいらないと思う。」
「そうだな。見た感じ気絶してるだけだし10分15分もすれば目覚めるだろ。」
「だよね。」
「では、その間に食事の残りでも作っちゃいますか。」
「そうだね〜。」ということでルーナカミを見守りながら焼き鳥とかを完成させて目覚めるのを待った。
「うぅ、いてて……くんくん。なんかいい匂いする。」
「お、起きたな。」
「おはよう。ごめんね。さっきは」
「大丈夫。前の主人様に鞭で叩かれたよりかはマシだよ。」
「ソ、そうか。」
「それより何このいい匂い?」
「あぁ、今ご飯作ってるんですよ。」
「たべる〜?」
「おいしーよ〜!」
「うん!」そのあと僕たちはご飯を食べ、食っちゃべりながら色んなことを話した。ルーナカミ曰く幼少期に北の国のガナトスで生まれたが4歳ぐらいの時に奴隷として売られたらしい。そのせいで今も自分の名前以外の文字が読み書き不可能らしい。そこら辺はソリスに詳しくは任せよう。もし魔法使うなら文字が読めないとダメだからな。そのあとみんなでごみの整理や片付けを終えた。
「ふ〜!さて泳ぐか〜。」
「ちょっとまって?」
「何?」
「いやさ。ルーナカミこんな服じゃ泳げないぞ。」
「ん?そうかな?」
「確かにそう言われてみるとこんな服じゃボロボロすぎて直ぐに破けてしまいそうですね。」
「そうだね〜。」
「じゃあ水着買ってくるね〜!ソリス〜。お金ちょうだ〜い!」
「分かりました。ダディワス。10000ルナシェスあれば多分間に合いますよね。ついでに服も何着か買ってきてください。」
「うん!ルーナカミ!一緒に行くぞ〜!」
「ん〜!いくいく〜!」そういうと、2人はすごい速度で駆け出してどこかへ行ってしまった。あんなに露出度高い人2人が楽しそうに飛び出して……ナンパとかされないかな?ちょっと心配になってきた。
「あんな服装で大丈夫なのか?」
「まぁ、確かに露出度高いよね〜。」
「いざとなればアリシアがぶん殴ったりしてどうにかなりますよ。アリシア並の男と同じかそれ以上に喧嘩強いんですから。」
「確かにガシャガシャってな感じで木登ってたしめちゃくちゃ身軽に動いてたしな……そんな力があるなら喧嘩強いのもよく分かるよ。なら大丈夫か。」
「そだね〜。」
「確かにね。」
「じゃあその間に片けでもしてきますか。」
「そだね〜。」マレがそう言ったので僕たちは分担しながら手伝ってBBQセットを片付けた。
「着替えてきたよ〜。服も買ってきた〜。」
「おかえり。ルーナカミは?」
「今着替えてるところ。ほい。これが服ね。」アリシアはそう言うと紙袋をソリスに渡した。
「中身なんなの〜?」
「半袖とジーパン。それと靴下と靴ですか。露出度も低いし結構いい感じですね。」
「そうでしょ〜。お店の人とルーナカミと3人で相談して決めたんだよ〜。水着もかなりいい感じの買ったから。」
「露出度低いのも買えるんだな。」
「まぁ、複数人で相談したらしいからね。」
「えーと、おまたせ。」ルーナカミの声が聞こえたのでそっちを振り向くと薄い黄色のフリルが付いたワンピース型の水着を着たルーナカミがなんかどうすればいいのか分からなそうに立っていた。
「ど……どう?」
「かっわいい〜!」
「結構いいと思うぞ。」
「えぇ。大人しそうな服ですしね。」
「ん。似合ってる。」
「良かった〜。」
「じゃあ、ラーミラス達のところに戻りましょうか。今日は色んな人と遊んでるんですよ。なのでそこにも一旦挨拶しますよ。」
「は〜い。」
「あれ……。どうしたかの?その子?」ラーミラスは軽く顔を赤らめさせながらこっちに近づいてきた。ラーミラスは真っ赤なドレスのようなワンピースのような水着を着ていた。
「その、昼飯食べてる途中に奴隷を買いまして。今は解放して元奴隷になったんですけどね。」
「どうも。」
「そうか。お主。名前は? 」
「ルーナカミ。よろしく〜。」
「そうか。私はラーミラスじゃ。」
「そういえばなんで顔赤いんだ?」
「そうか。お主ら、吸血族の食事見た事は無いのか。」
「そうですね。知識として人の血を飲むことは知ってるんですけど。」
「そうじゃなだいたいその認識であっておる。吸血族は食事する時に食事するのと同じように人の血を飲まないと生活が出来んのじゃ。そうしないと骨とかがボロボロになり頭もおかしくなって死んでしまうのでな。ただ、血を飲むのも少し、と言っても見かけ上のやつだけなので特に身体には影響無いのじゃが顔が赤くほてるのじゃよ。特に今日はいまさっき血液の摂取が終わったばかりだからじゃな。尚更顔赤く見えるのじゃろ。それより。今他の人も食事終わらせて集まってきてる最中じゃ。そちらも来るならルーナカミの紹介もあるし来ればいい。」
「じゃあ行きますか。」そのあと僕たちはみんなが集まってる場所に行きルーナカミとみんなの挨拶会が始まった。メサイアは白いワンピース、クリーティナは黄色いビキニ、ミューエは水色のワンピースプラスズボンのような感じの水着、 キラトは黒い半ズボンのような水着、ルーシーは黒いフリルビキニ、クオーリアは白いビキニでお腹をバツ印のさらしで閉めている水着、プオラートは赤く布面積が多いビキニ、ミカンは青っぽいスクール水着、キリトは黒いラッシュガードと黒いパンツを着ていた。
みんないい感じに挨拶し、その後、夕方付近まで海で遊びまくった。
「ふ〜。あら。もうこんな時間だったんですか?」
「結構遊びましたね。だいたい8時間でしょうか。」
「そうだね。ん〜。そろそろ帰る?」
「そうじゃの。帰るとするか。」
「そだな。」
「これ以上遊ぶと夜になるし、ちょっと肌寒いしね〜。」
「じゃあね〜!」そのあと僕たちはみんなと挨拶をし、みんなと一緒に帰る準備を始め、水着から通常服に着替えて帰った。
18
到着して、ゆっくりと宿に帰ろうとすると、ヨーレとペアンが1人の中年男性の後ろについて行くところに遭遇した。何があったのだろう。
「どうしたの?」
「いや、この男が家を立てようとして敷地内を掘ってみたらダンジョンを見つけたらしくてさ〜。ホントびっくりだよ〜!」
「それを一旦確認しに行くんですよ。あ、一緒に来ます?」
「え?いいの〜?」
「うん!」
「いいと思いますよ。」
「どうする〜。」
「実践にもなりますし一旦行ってみますか。」
「そだね。」
「ダンジョン……?お〜もしろそ〜!」
「行ってみるか。」
「そだね。」
「じゃあ、ついて行きますね。」
「うん!こっちだよ!」
「結構遠いから気をつけるんですよ〜!」そういうと2人はまた明後日の方向に走り出して行ったのでついて行った。そのあと、10分程度後ろについて走り出し、とある場所に着いた。そこには、地下に階段が繋がっており確かにダンジョン味が感じられた。
「ここか……ハァハァ。」
「結構走りましたね。」
「ホントだよ〜。」
「こんな感じなんだね。」
「結構深いところに行けそうだね。」
「そだね〜。」
「で、ここがその、ダンジョンなんですか?。」
「こんなところにダンジョンね〜。」
「昔はたしかここは魔晶石の採掘所とそれに対して発展していく街だったんですよね。」
「そうなんだ。」
「えぇ。なのでダンジョンは多分魔晶石鉱山の進化系みたいな姿ですね。」
「それってまずくないですか?魔獣って魔晶石の魔力でも生きたり生まれたりすることが出来ますし、そこの場合かなり色んな感じで生物の機構が変わってしまいますしおかしな生物も生まれてしまいますし。」
「そうだよ〜。だから結構図鑑とかに書いてまとめてるんだけどそれでもやっぱり未知のモンスターは来てしまうんだよ〜。」
「それにこのままではモンスターが街に出てきてこの街を破壊するかもしれませんね。」
「それがさ、モンスター、正確にはスライムが一体出ちゃってるんだよ。ほらこいつ、ダディワス。」そういうと男はダディワスの中から水色のスライムを出してきた。
「しゅわ〜?」
「……は?」
「ほんとに出てますね。数は一体だけですか?」
「2体出てきたけど一体は捕獲する前にダンジョン内に戻って行ったな。何とか一体捕まえたって感じだ。」
「そうですか……」
「スライムか……危険性は無いけどね〜。どうすればいいんだろう。」
「見せて〜。」
「ふーん。あまり動かないね。もしかしたら眠いのかも。」
「結構大きめですね。」
「普段から群れてるのか?」
「そだね。」
「こんな感じなんだ〜か〜わい〜!」
「ちょっと持っても構いませんか?」
「もちろん。というかとっととこいつ駆除してくれ。」男はそういうとスライムをヨーレに渡した。
「さて、この子は私が引き取ってどうにかするよ。」ヨーレはスライムをポンポンと撫でながら言った。何とか……って何とかなるもんなのか?
「男の家はこっちが何とかしますよ。とりあえずあなたの家はまだ売ってないんですよね」
「あぁ。」
「なら、ひとまずその家に戻ってくれませんか?そのあとのことは私たちが何とかしますので。」
「さて、ダンジョン探索はどうする〜?」
「ん〜。今ちょうど中級以上が色んなところに出っ張らってたりしてちょっと不足してるんですよね。」
「じゃあさ、下級ギルドでも探索OKにする〜?」
「そうですね。ただ、危険度を不明にしてドクロマークを最大にしてください。そして、お金は15万ルナシェスにしといてください。 」
「OK!」
「では、これでさようならですね。」
「帰ろっか。じゃあ私帰り道あっちだから。 」そういうと2人は別々の方向に帰り始めた。僕たちもちょうどヨーレと同じ道となったのでヨーと一緒に帰ることにした。
「さて、こいつ連れて帰ろっか。あれ?みんなも同じ方向なの?」
「そだね〜。」
「なので同じ方向に帰らせていただいてますね。」
「ふーん。ならいいや〜。」
「ところでこの子どうすんの?」
「そだね〜。とりあえずは私んちで育ててみるよ。」
「育てる……?」
「どうして育てるんだ?そもそもどうやって?食われたりしないのか?」
「スライムの生体めちゃくちゃ気になるんだよ〜。それに魔力をどうしても体の外から出さないと行けないのもあってさ、で、スライムなら魔力をいい感じに吸収してくれるからね〜。確かに人とか食べ物とかいっぱい食べちゃう可能性はあるっちゃあるけど魔力を上げまくっておなかいっぱいになれば食べちゃうことはしなくなってるからね。」
「そっか。魔力大量にあるもんな。」
「そ〜そ〜。ところでさ、その子誰?」
「あぁ、ルーナカミ、挨拶してやって。」
「ルーナカミです!獣人族です!よろしくね〜。」
「うん!私はヨーレ!よろしくね〜。」
「ということで明日ぐらいにチーム申請しとくね。」
「ほいほーい。見た感じ魔力いっぱいありそーだし楽しみにしてるよ!」
「うん!」
「魔力量分かるんですか?」
「なんとなくは分かるよ。魔力透視のスキルもちょびっとだけど持ってるしね。」
「ここにもスキルあるんだな。」
「そだよ〜!」
「一般的には持ってる人の方が多いですけどたまに持ってないで産まれてくる人もいますね。まぁ、持ってたとしても実用的に余りならないスキルがほとんどだけどね。」
「そーそ。私は持ってても実用的にならない方だと思うから実力でどうにかしてるよ〜。」
「私は遠泳のスキルもちらしいですね。それと水中呼吸も持ってます。」
「へ〜。僕にもなんかあるかな?」
「そうですね。そこら辺は完全に運ゲーですからね。神に祈るぐらいしかないですよ。」
「そだね〜。」
「じゃあ、さらに私はこっちだから帰るね〜。」
「しゅわわ〜ん。」
「うん!」
「じゃあね! 」
「さようならです。」
「おう。」
「さようなら。」
「バイバーイ!」そう言って僕たちはヨーレと別れ宿屋に戻りぐっすりと寝た。