3-3 Diable
12
遠路はるばる王都から1日かけて帰ってきて翌日の朝9時位に到着した。朝っぱらからに到着して、ちょっと休憩したいなぁ、とは思ったが朝から宿屋に泊まるのもな……と思ったしソリスが「そろそろ家借りた方がいいですかね〜。生活の拠点がここになってますし、いつまでも宿屋で生活してるとこういう時や宿屋が全部埋まってしまった時に野宿とかをするかもしれませんし、それらを含めて家を借りることも検討しないと行けませんね。」と言ったことから家を探すのを検討に入れた上で一旦休憩所で休みながら話すことにした。
「で、どうすんの?」
「そもそも家のお金って何ルナシェスなんだ?」
「そうですね。1DKなら大体5-7万ルナシェス程、私たちのギルドとかになるとギルド限定格安物件とかも貸借されていますけどそれでも大体月15-20万、やはり一筋縄では行かないレベルのお金がかかると思います。」
「そっか〜!」
「でもさ〜。ギルドの1任務って5万-15万、量で言うならそれ以上のお金を配布してくれるからさ〜いけるんじゃない?」
「ま〜さ?食費とか日用品とかそういうのも色々買わないといけないといけないしさ〜。」
「そうですよね。まぁ、私たちは任務受けすぎかと思いますけどね。普通は週1-2回、3-4日に1回任務を受けるのが一般的なんですよ。私たちみたいに毎日任務を受ける方が稀でして。」
「まぁ、それもそうだね。」
「ま、今日は図書館とか言ってゆっくり過ごすか。新聞とかも見て最近のニュースとかを知る必要とかもあるしな。」
「そだねー!」その後僕らは休憩所で新聞を買い、読み終わると昼飯を食べに外食した後、図書館に赴き、本を読みながら夕方まで過ごし、宿屋に戻り夕飯を食べ風呂に入って寝た。
13 Nassar ver.
――同日、夜、ウトナ近くの山にて――
「さて、悪魔・貮」ん……ん。まだ2回目というのもあって慣れないな。しっぽが2本増える感覚。街の復興の間にも試して見たけど……なんか変な感覚はずっとする。
「おう。」
「ん。」
「お久しぶりじゃな。何かあったようじゃが。」
「知ってるの?」
「これでもわしはお主の別人格、正確に何が起きたかまでは知らないものの、何か生命に関わることが起きたことぐらいは分かるわい。まぁ、話してみぃ。」
「うん。逆恨みにやられて殺されかけた。」
「そりゃまた災難だったのう。仕返しはしないのじゃ?」
「もう、騎士団に捕まったし、あとはあっちがやることだよ。また裁判行くのはめんどくさいけどそれらは諦めるよ。」
「そうなのか。わしだったらぶん殴ってやったわい。」
「ダメでしょ。いくらなんでもさ。それに、殺されることだったらいつも通りだし。」
「そうなのか。」
「……ねぇ。」
「なんじゃ?」
「なんで、目覚めたの?」
「……ん〜。わしにもわからん。恐らく酷く心が狼狽した時に精神のバランスが崩れたんじゃろ。」
「でも精神のバランスが崩れたことなら幼少期に幾度となく起こってるよ。」
「幼少期に目覚めなかったのはわしの精神がまだ未成熟すぎて目覚めるに至らなかった可能性が高いと思うのじゃよ。あくまでわしの推測じゃがな。」
「ふ〜ん。あれ?ということは世の中には目覚めてない悪魔の人もいるわけ?」
「知らん。わしはナサールの別人格なだけで全知全能の神様って訳ではないからの。目覚めず死んでいく輩もいるかもしれんしそれに気づいた瞬間暴走して体が耐えきれず……血達磨になる人もいるだろうな。むしろそれで言うと多少安定してる時に目覚めたお前は得かもしれん。」
「うわぁ……」
「ま、この状態になるだけでもかなり恵まれてる方だと思うぞ。わしは。」
「そっか。」……そうなんだね。夜中にこうやってできるのもいいのか。
「ま、早く終われよ。こんなことにさせたワシがいうのもなんじゃが。子供はある程度寝るのが仕事じゃからのう。」
「まぁ、ね。ふわぁ〜。」確かに夜もう遅いしね……
14 Yūta.ver
朝起きてみると外からナサールが凄い欠伸をしながら中に入ってきた。なんか……眠そうだな。髪だけ結んでるし。
「おはよ。大丈夫か?」
「……ん……?ふわぁ〜……。ん。……ちょっと眠り浅かったみたい。大丈夫は大丈夫だから気にしないで。」
「あぁ。わかった。じゃあ、俺着替えるから、それにお前、寝てたの別の部屋だろ。おそらく着替えとかもそっちにあるだろうし、そこで着替えろよ。」
「……うん。そうする。じゃあ。」ナサールはそう言うと部屋に戻ってった。ナサールあんなふうになるなんて珍しいな。なんか体調でも悪いのか?まぁ、なんともないならいいんだけど。その後僕は着替えを済ませ、アリシア達と挨拶した。
「おはよう!」
「おはようございます。」
「あぁ。おはよう。」
「おは!」
「お〜!おっは〜!」
「相変わらずお前らは元気だな。」その後はちょっと待ち、ナサールと合流し、朝ごはんを食べ、ギルド所に向かった。2人王都にいるけどそこら辺は大丈夫なんだろうか。
「おはようございます。」ドアを開けるとそこにはリカンヌが居た。なるほど。ここには変わりないんだな。
「おっはよ〜!」
「おはようございます。」
「おっは〜よ〜!」
「おはよう。」
「おはよ。」
「皆さんおはようございます。」
「おっは〜!」
「おはようございます。さて、一昨日お伝えした通り、ヨーレとペアンは王都にて会議をしているため今日は2人がいません。そのため様々な変則的業務となっております。直接的な被害では、本日におきましてはいつもは中級ギルド以上担当の2階のお部屋にいって依頼を受けてもらうこととなります。」
「了解致しました。ほら、行きますよ。」僕らはそう言われると依頼を選び始めた。数分間悩んだあと巨人任務というのが気になったし、2人の魔界語もあるのでナルゴーラ村の巨人の対処という任務にすることにした。
「おはようございます。」上の方ではペアンの代わりにべアンが待っていた。ペアン専用の椅子と思われる椅子が隅っこに追いやられていたがまぁ、べアンより30cmも高い上に木製の学校の生徒が座ってそうな感じの椅子だから高さ調節も出来ないため邪魔なんだろう。
「おはようございます。本日は私が代役を努めさせていただきます。」
「おう。」
「うん!」
「お〜!そっかそっか〜!」
「ん〜!」
「分かりました。それではこちらをお願いいたします。」
「了承しました。……こちら巨人任務ですね。魔界語は大丈夫ですか?」
「ナサールは途中まで魔界ぐらしで〜。ソリスもある程度喋れるから大丈夫大丈夫!」
「なら大丈夫ですね。それでは……受注完了致しました。以来金の10分の1である4000ルナシェスをお支払いください。」
「分かりました。ダディワス」ソリスはそう言うと4000ルナシェスを支払った。
「それでは、行ってくださいまし。」
「行ってきます。」
「あ、そうそう。ナサール〜!」マレはクルクル飛び回りながらナサールに話しかけた。
「ふわぁ〜……なに?」
「後でさ〜。巨人のことに着いて教えてくれない?」
「いいけど、ソリスも一緒に説明に入るならいいよ。」
「え?私もですか?」
「2人なら心強いね!」ルーナカミが凄いワクワクしたかの表情で言った。たしかにな。
「そうだな。物知りだし、頼むよ。」
「分かりました。」その後僕らは馬車を探し、乗ったあと行き場所を伝え巨人の話を聞くモードに入った。
「巨人は3種類あってね、5mぐらい、人間の3倍ぐらいの大きさのの小巨人、15mくらい、10倍ぐらいの中巨人、30m、20倍ぐらいの大巨人。」
「そして今回住んでるのは中巨人ですね。かなり前に魔界ゲートが開いたあと閉じたことで人間界に閉じ込められた巨人たちです。あまりの昔、クリス王国ができる前に閉じ込められたので不干渉を全員で取るスタイルを徹底してますね。この前紹介した村とは位置こそ似通っていますが違う村です。」
「性格はかなり温厚。見た目だけで行くと人間食べちゃいそうで怖いけど実際は人間とかには敵意むき出しで接近してこない限り大丈夫。トロールとかと違って人間と同等以上の知能はあるからね。」
「へ〜!じゃあわたしがとびまわってもあ〜んしんだね〜!」
「ただ今回は変なんですよね。巨人たちは今言ったように基本的には不干渉なので山の麓には向かいにくいんですよ。」
「まぁ、そこら辺は色々あったんじゃない?じゃあ、私、ちょっと寝るからさ。着いたら起こしてくれない?」
「ん〜?なんで?」
「こいつ眠り浅かったらしいからさ。」
「なる〜!」
「なるほどね〜!」
「なら仕方ないですね。」
「うん!」
「じゃあ。」そう言うとナサールはすやすやと寝息を立て始めた。相当眠り浅かったんだな。よく寝なさい。
14
馬車に乗ってはるばる6時間、昼飯も食べ、南東部のナルゴーラ村に着いた。確かに数人木と同じくらいの大きさの人の頭が見えてるな。あいつらなのか?
「ありがとうございます。」
「ナサール!起きるよ!」
「……ふわぁ……。」
「おはよ〜!」
「よっくねっむれた〜?」
「ん。寝癖とかは……大丈夫そう。」
「それじゃあ行こっか〜!」
「そうだな。ソリス。お金頼むよ。」
「分かりました。」その後、僕らは馬車から降り、巨人族のいる場所に向かってった。途中普通の人間達もいて事情を聞いてみたところ、特に家が壊されたり人が食われたりとした事はないものの大量に食料が必要になるのでできる限り穏便に帰って欲しいらしい。まぁ……それはしょうがないか。
「では私とナサール話しますので皆さんはちょっと近くにいて下さい。」
「わかった〜!」そこから、2分近くたっただろうか、木々を抜けると目の前に巨人族がいた。……でっか。人数は3人。そして全員女性か……獣の毛皮のような服きてるし人間の10倍は余裕であるから中巨人であることは確実だなこれ。
「ン?」
「ンガ?」
「クニャレンス。」
「クニャレンス。」ソリスとナサールはそう言いながら挨拶をした。巨人族も挨拶をしてくれたあと2人と巨人族達はぺちゃぺちゃ喋った。
「何話してるんだ。」
「さぁ?」
「分からないよ〜!」
「聞いてみる〜?」
「そうだな。聞いてみるか。ナサール、」
「ん?」
「何話してるんだ?」
「まず私たちに敵意がないことと名前を伝えて、その後ここに昔から住んでんの?って話して、あの山から降りてきたって巨人族が言ったからなんであの山から降りてきたの?って聞いて今巨人族がその理由を話してるところ。」
「そーなんだね!」
「ふむふむ。」
「お?ソリス?」
「な〜にかわかったの?」
「どうやらこの巨人の村では最近村長が変わったらしいですね。その新村長以前の村長と違って力至上主義だったらしく巨人族の中で力が弱い人、つまり私たちはその村長の村から逃げることしか出来なかったらしいです。」
「それでは。一旦巨人族の村に行ってみましょうか。」
「え?」
「いくの〜!?」
「は?」
「どうしてだ?」
「ん〜と、まぁ、まず巨人族の村に向かって巨人族の村長とお話するの。まず、村長とお話しないとどうもならないからね。」
「そっか〜!」
「じゃあ。そこら辺話しましょうか。」ソリスはそう言うと巨人族と少し話した。その後、全員立ち上がり俺らの方に手を伸ばしてきた。???何をしたいんだこいつ?
「??何したいの?」
「えーとですね。」
「ルベンツ。」
「えーと、」ソリスが翻訳しようとしていると巨人族の女性ががイライラしたのかアリシアの体を掴みあげた。え?は?と思ってるとアリシアが「お〜!お〜!たっか〜い!」と言いながら上に運ばれた。食われたりは……口元に持っていかれたりはしてないか?持ってかれた女性が胸大きいせいで顔から上が見にくい……
「大丈夫?」
「ん〜?大丈夫だよ?別に運ばれた時に痛みがあるわけじゃないしさ、今おっぱいの谷間の上いるし怪我してないしなんか意味は知らないけど謝罪のような感じの言葉までかけられたから兎に角大丈夫大丈夫!」
「ルベンツって何?」
「ルベンツは乗れって意味ですね。ルベンが乗るでツは命令形です。手に乗りましょう。」そう言うとソリスは巨人族の手の上に乗った。その後僕らは不思議に思いながら他の2人の巨人の上に乗った。その後は上に持ち上げられ両肩に乗せられた。その後は肩に乗せられたままきょじんがずしんずしんと歩き出した。かなり揺れるな……首に捕まらせてもらおう……落ちたりしたら死ぬ可能性の方が高いからな。そしてマレ......お前そんな高いところまでとべたんだな。てっきり地面から数メートルぐらいが限界かと思ったよ。
「ソリス!」
「なんですか?」
「失礼しますってなんて言うんだ?」
「こういう場合はユアラナヴです!」
「わかった!ありがとう!」
「ン?」
「……ユアラナヴ。」僕はそう言うと巨人の首に掴まった。掴まったと言っても10倍。腕を回しても1周も出来ないレベルの太さ、どっしりとして安定する。
「ダーダー。」
「どうやら許されたみたいだな。ルーナカミは大丈夫か?」
「うん!ね〜ね〜!アリシアみたいにしていい?」
「ダメだ。いくら胸が柔らかくても数メートル落ちたら少なくとも無事では無いと思うし転がり落ちたらもっと大事故だ。死ぬかもしれない。我慢しろ。」
「……ん!」その後は先頭の巨人にアリシアが、2番目の巨人にソリスとナサールが、最後の巨人に僕とルーナカミが乗りマレがその辺を飛び回っている体勢で山の中を進み始めた。
「それにしてもなんで山登ってるの?」
「この巨人たちの住処が高所にあるんですよ。」
「というか、巨人たちは魔界含め山の中腹から高所に住むことが多いんだよね。火山には火女族っていう別の種族が住んでるから自然の山に住んでるんだけど。」
「そんなもんなのか。」
「ん。」その後僕らは山を登る巨人族の肩に乗り、そのままついて行った。
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山の上に着くとそこには巨人サイズの集落が1つ存在していた。確かに家とかってわかるサイズだが人間の10倍以上の大きさあるな……。階段のひとつの段が人間と同じかそれ以上の大きさがあるなこれ。人間が巨人と共に生活するのはちょっと過酷すぎるなこれ......これは確かに2種族が離れてるのも分かるかもしれない。
「それでは……ちょっと話しますね。」ソリスはそう言うと巨人族に話しかけた。
「なるほど……巨人族の村長にこれから会いに行きます。村の長、かつ魔界のものです。ちょっといい感じにしてくれませんか?」
「わかったけどさ〜。どうすればいいの?」
「魔界の偉い人達にあるのはじめてだからね〜!」
「私だって伝承レベルでしか聞いたことないんですよ。」
「私だって、試したこと自体はないからね。」
「まぁ、見よう見まねでやるしかないってことか。」
「そだね〜!村長か〜!怖くないといいな〜!」
「力第一だから見た目はすごい怖いと思うよ?」
「そっか。」その後は何人かの巨人族とすれ違いながら村長の家に向かった。なんかすれ違ってる巨人族みんなこっちみてくるな。やっぱりここに俺ら人間が入るの珍しいんだろうな。そうじゃないといくら追い出された人が自分から戻ってきたとはいえこっちの方見てくるなんてないわけだし。
「ここが村長の家らしいです。」ソリスがそう言うと巨人族が家の前でとまった。
なるほど……たしかに普通の家が恐らく丸太の積み重ねでできたような家だけどここだけ石組レンガで出来た家だし、普通の家は平屋かせいぜい2階建て(それでも数十メートルはある)ぐらいの家なのにこっち高床式倉庫みたいな感じで人間並みの家の大きさに戻しても3階建てぐらいの高さでここだけで格の違いを感じられる。すごい重厚な見た目だな。
「では、行きます。」ソリスがそういい、巨人もなにか言うと中に入り始めた。中も相当重厚だな。赤い高級そうな旗のような感じの幕がいくつも貼られてるし、奥に椅子と巨人がいるけどそこまでも赤い絨毯がびっしり引かれてるし奴隷なのかなんなのか端っこに女性の巨人や男性の巨人がいるし。
「クニャレンス。アダラギア。」
「「アダラギア。」」巨人の3人は僕たちを床に下ろすとそう言いながら膝を着いて挨拶した。その後僕らも見よう見まねで膝を着いた挨拶をした。どうやら三跪九叩頭の礼みたいにすごい勢いで礼拝しなくては行けないって訳ではないらしいな……。というかこいつ見た目いかつすぎだろ。片目眼帯で覆われてるし人間の10倍の大きさもあるしガタイもいいし腹筋も割れてるし。その後ソリスと村長がなんか色々話した。途中2人とも声を荒げたこともあったがなんとか落ち着いた話に戻ってきた。その後は話が終わったのか巨人達が何かを話した。ちょっと何があったのか聞いてみるか。
「お疲れ様!何があったの〜?」
「あぁ。かなり声荒げてたし。」
「結局どうなったの?」
「ん〜!」
「えーと、かなり口疲れたんでナサールお願いします。」
「……まぁ、分かった。結論から言うと何とかこっちに住まわしてもらうことになったみたい。力重視と言ってもさすがに下の村の人たちに迷惑をかける訳には行かないらしくて、じゃあ別の村行くか?って話になったんだけど流石に酷で巨人の方が反対してで、途中でうんぬんかんぬん言い合って埒が明かなくなったりしてお互いが声を荒らげたんだけどそれでもまとまらなくて結局元のところで住まわして貰うことになったみたい。それで今はあっちがお礼を村長に行ってるところ。」
「そっか。」
「で、わたしたちはこの後どうするの?」
「恐らくこのまま巨人族の肩などに乗って下の村に帰ると思います。」
「なるほどね〜!」
「ん〜!」
「確かに高所かつここは村から遠いもんな。巨人族の歩みですら30-40分いや、それ以上かかるもん。人間の足だったら4時間近くかかるもんな。」
「ん。だからさ、このあともちょっと話してくる。」
「OK〜!」その後僕らは巨人族の体の上に乗って、また、人里の方に帰ってきた。更にそのあとは解決した旨を人里側の村長につたえ10分程談笑したあと、ウトナに帰るための馬車を雇いウトナまでの道を進み、ギルドに戻り、ベアンに今回のことを話してお金を受け取り、宿屋に行って風呂に入って寝た。
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Nassar ver.
――同日、深夜、ウトナ近くの山にて――
「……そうそう。そろそろ新しい次元に行ってもいいのではないかの?」
「新しい次元って……參のこと?」
「そうじゃな。」
「まぁ、そうじゃな。」
「まぁ、あんたが言うなら分かった。……悪魔・參」ん……なれない……?なんか気持ち悪い感触……。……吐きそう……それにこれ……ん?羽根?
「おい。大丈夫か?」
「……大丈夫。……何この羽。」
「あ……あぁ。お主の悪魔の能力が高まった末の感覚じゃ。それにしても……大分精神不安定じゃのう。お前……体調悪くないか?」
「ん……熱っぽいしなんか吐き気する。」
「いつからじゃ?」
「少なくとも、今日の練習始まる前にはなんか熱っぽかったよ。」
「お前……早く寝ろ。本当ならあの木を殴って力確かめろ……と言いたいところなんじゃが早く寝てくれ。」
「……ん。分かった。」……ん。寝よ。あ、そういえば。
「この羽根、飛べる?あと、しまえる?」
「まぁ、飛べなくはないな。」
「じゃあ。」……おぉ。飛べる。じゃあ……帰るか
16 Yuta.ver
朝起きて、服を着替え、外に出るとソリスとルーナカミが待っていた。そういえば今日はアリシア達で寝てるんだよな。
「おはよ。」
「おはようございます。」
「お〜はよー!」
「おう。ところでアリシアたちは。」
「起きてることは確かです。さっき確認したので。」
「そうか。」その後しばらくだべりながら待ってると3人が着替えを終え外に出てきた。その後ナサールの髪結びを待ち朝ごはんを注文し、ご飯を食べながらどうするかを話し込んでいた。すると先にご飯を食べ終わったナサールが立ち上がり、歩こうとしたがものすごい勢いでよろけて床に倒れ込んだ。
「ナサール!」
「おい!」
「大丈夫ですか?」
「回復いる?」
「いや、これ、寝てるだけだね。」
「熱ありますかね……。ん。あったかいですね。これ、ちょっと体温計後でお借りしませんとね。」
「そだね〜!」
「全員ご飯食べ終わっててよかったな。とりあえず。上に運ぶか。」僕らはそう言うと、ナサールを運び、体温計を宿屋の人にお願いして渡してもらった。ご飯は別の人に一旦任せるとして……とりあえず熱測るか。魘されてる……。
「……36.8か……かなり熱あるね〜。」
「6.8?ならあまり熱ないじゃないか。」
「あぁ。ここ説明不足ですね。」
「そだね〜!」
「あ?」
「ん?どういうこと?」
「魔人の平熱は大体33-34度ほどなんです。なので人間に相当すると39-40度になりますね。」
「うわ!」
「それはかなりあるな。」
「それね!」
「とりあえず病院連れていきますか。」
「そだね〜!病気は私たち回復魔法でも治せないしね〜。」
「俺おんぶするか?」
「うん!よろしく〜!」
「いこいこ!」
「じゃあしょうぞ。よいしょ。」そのあと僕らはナサールをおんぶしながら近くの病院に急いだ。
17
「風邪ですね。」
「はぁ……。」病院に行き、診察を受けるまで待ち、何とか診察までこぎつけた。途中ナサールが目覚め「……ごめん。」と言ったが大丈夫。これぐらい平気だよ。
「風邪か。」
「はい。あなた相当無理してましたね。ほかの感染症、それこそおたふく風邪とか百日咳とかのならともかく魔人系列は風邪にかかりにくいんですよ。」
「そうなんだ。」
「はい。なのでこの子かなり無理してたと思います。」
「でもいつも通りでしたよね。」
「んー。」
「特にこれといって使役したつもりはなかったんだけどな……」
「ん〜。」
「ね〜。どういうことだろう。」
「……ごめん。」
「あぁ。それはいいよ。気にしないで!」
「とりあえず。風邪薬の漢方出しておきますのでこのあと、昼食後、夕食後。1日3回、体調が治るまで飲んでください。よろしくお願いします。」
「ん。」
「漢方って……苦いの?」
「まぁ、すんごく苦いですね。それぐらい我慢してください。」
「……分かった。」
「それでは。帰りましょうか。」
「そだな。」
「あ、帰りは私おんぶするよ。」
「……歩けるって。」
「そういう問題じゃないよ!」
「そうそう!風邪なんだよ!病気だよ!」
「とりあえずさ〜。おんぶ乗ってけよ!今回は普通に病気なんだからさ〜。甘えてもいいんだよ。」
「……分かった。」その後はアリシアがナサールをおんぶして家に帰った。……これ、ナサールもしかしてさ……なにか隠してない?なんか嘘ついてる俺の感じと似てるんだけど。……ちょっと後で聞いてみるか。そう思いながら宿屋に戻り休憩と宿泊を3部屋分用意してもらい、ナサールを寝かせた。
「それじゃあ私たちは買い物をしてきます。」
「あ!私は見てるから!」
「アリシア……。わかったよ。それじゃあ俺らは行くか。」
「そだね〜!」
「いっこいっこ〜!」
18
市場に行きナサールの好きなリンゴとほぼ同じのリンカっていうフルーツなどを買い物をして、その後ナサールの看病をしながら過ごしいつの間にか夕方になった。
「……ふわぁ。おはよ。……アリシアたちは?」
「今別の部屋行って休んでるよ。だから今いるのは俺とナサールの2人だけだ。リンカ食べるか?」
「うん。」そう言うとナサールはゆっくりとリンカを食べ始めた。……聞いてみるか。
「あのさ。」
「ん?」
「お前……嘘ついてないか?」
「……んん。ついてないよ……」ナサールはちょっと目をウロウロさせながら言った。……やっぱりか。
「……嘘だな。目があっちこっち言ってるし嘘ついてる言い方してる。なんかお前嘘ついてるだろ。なんの嘘ついてんのかは知らんし責めるつもりもないけどもし嘘ついてんだったら言ってくれ。」
「……はぁ……。わかったよ。みんな戻ってきた時に言わせて。」ナサールは下を向きしゅんとした感じで言った
「まぁ、それぐらいなら、わかった。」その後ぼくとナサールはみんなが戻ってくるまでまった。さて、なんの嘘着いてるんだろう。
「ナサールが話あるらしいぞ。」
「?なに?」
「ナサールなんですか?」
「ん?」
「なになに?」
「なんなの?」
「……は……ん……。あ……」ナサールは狼狽えながら戸惑っていたがちょっとため息をついて「……言うね。」と言った。
「おう。」
「今回のことなんだけど……さ。私、みんなに隠してたことがあったの。」
「うん。」
「確かに何かおかしかったと思いましたけど……。」
「……初耳だね。」
「隠さずに言ってくれたら良かったのに……。私とナサールの仲でしょ〜!」
そーそ!アリシアとナサールの仲なのに!」
「……ちょっと色々あって……いえなかったの。」
「そっか。」
「で、その内容ってなんだ?」
「……前にミュジケールが来たことあったじゃん。」
「あったね。」
「その時に倒れたの……覚えてない?」
「あぁ。ルーナカミが刺された時確かに気絶していましたね。」
「ん〜!」
「そんなことあったんだな。ちょっとカッとなって」
「ん。その時にちょっと色々あってさ……」
「ん?どうした?」
「きっと言葉に詰まってると思います。」
「……悪魔のスキル、目覚めちゃったの。」
「あぁ。なんかありましたね。ナサールのスキル。」
「あの時から隠してたんだね。」
「……ん。まぁ、あそこのギルドで知った時はほんとに知らなかったんだけど。」
「別にいいけど言って欲しかったな〜。」
「……でも街が壊れたりルーナカミが怪我してたりして色々あってさ。その時に悪魔のことまで抱えたら色々重いしめんどくさいじゃん。だから隠してたの。」
「む〜。」
「確かにそうですけどもし言われたら街の補修ほったらかしてそれの相談受け付けますよ。」
「……そうなんだ。」
「でさ〜。悪魔のスキルってなんなの?」
「あ、うん。……今から見せるね。ちょっと離れてて。」
「うん。」
「あ、はい。」1番近いアリシアとソリスはそういうと離れた。さて、どんなスキルなんだろう。
「……ふ〜。悪魔・壹」ナサールがそう言うとしっぽが1本生えた。……え?
「これが悪魔の能力。一から八まであって悪魔の力を引き継いで力が強くなるの。」
「ふ〜ん。」
「今あなたができるのはどこまでですか?」
「參までだけど正直いって參はまだ途中だから安定しない。」
「まぁ、1回見せてください。」
「「そーそー!」」マレとルーナカミは言葉を合わせ僕たちも見たいなと思いながら言った。
「……分かった。悪魔・參……」ナサールがそういうとしっぽが3本に増え、黒い翼が生えた。そうなるのか……。
「……ふー。……。」
「翼生えちゃった。」
「すっご〜い!」
「かっこいい〜!」
「それしまえるのか?」
「大丈夫ですか。」
「……しまえるよ。ふ〜。」ナサールはそういうと翼を収納した。見た感じすごい不安定そう。汗だらだらだし。
「大丈夫ですか?」ソリスはそういうとナサールの肩を触った。
「あ……触らないで……。あ……」ナサールがそういうと翼がバサァ!っと一気に生えソリスを押しのけた。怪我とかは……大丈夫だな。それよりナサール大丈夫か?
「う……あ……あうあ……」ナサールはそういうと気絶した。おい!ほんとに大丈夫か?
「え?」
「気絶した?」
「大丈夫?」
「え?」
「おいおい。」
「…………あーあ。」ナサールはそう言いながら何とか意識を取り戻してきた。大丈夫なのか?
「……大丈夫?」
「……まぁ、大丈夫と言われれば大丈夫じゃないのじゃが暴走はしてないのじゃから大丈夫じゃろう。」
「……じゃろう?」
「なんか口調変わった?」
「うん。」
「どういうことだ?」
「あぁ。ワシは悪魔の方のナサールじゃ。」
「悪魔の方……」
「つまり悪魔がナサールをのみこんだってことですか?」
「ナサールの人格は?」
「え?」
「まさか消えたのか?」
「まぁ、まぁ、落ち着け落ち着け。消えてはおらぬ。奥に引っ込んだだけじゃ。精神が安定してまた出てくる覚悟があり次第出てくるようになる。」ナサール(?)は手を安心そうに縦に振りながら言った。なら安心……なのか?
「そうなの?」
「まぁな。なんなら証拠見せるか?」
「うん!」
「お願いします。」
「わかった。お主、……いけるかの?……ふむふむ。ちょっと待っておれい。」そういうとナサールは一旦気絶した。10秒後、「……うぅ。」という声と共にナサールが復活した。
「大丈夫?」
「ん。……まだちょっと安定しないから安定が終わるまで一旦あっちの方に変わるかもしれないけど……大丈夫。ウップ。」
「おいおい。ほんとに大丈夫か?」
「……まだ早かったようじゃの。」ちょっと言葉が滞ると、悪魔の方に戻ってきた。……結構柔軟に変えられるんだな。
「どうしてお前は平気なのに魔人の方のナサールはかなり体調悪くしてんのか?」
「それはな。わしは悪魔の人格なんじゃよ。だから熱の影響こそ受けるが吐き気などの悪魔の影響はワシには少なくとも特に影響はないんじゃよ。心自体は別々に管理されているからな。あっちの心の不安定はこちらに干渉してこないからこのように安定してるんじゃよ。」
「悪魔の人格……悪魔の方って言ってたな。」
「そうじゃよ。」
「どういうこと?」
「悪魔の能力はナサールの力を強化するんじゃけどその代わりに色々害になるのじゃよ。例えばあまりに力が強すぎてちょっと加減を間違えると悪魔の人格に飲み込まれるとか。でもその度に暴走するのは迷惑じゃろ?なら、一旦落ち着くまで暴走しない悪魔の人格に体を任せるのじゃよ。」
「なるほどな。」
「融通って効くの?」
「融通?どういうことじゃ?」
「頻繁に入れ替わることってできるの?」
「できるっちゃさっきみたいにできるんじゃがある程度頻繁に入れ替わると頭がグワングワンして大変なことになるからの。あまり頻繁に入れ替わることは避けた方が身のためなんじゃよ。」
「なるほどな。」
「そんな事情もあるんですか。」
「そうなんじゃよ。それにな〜。この状態は体に無理させてるんじゃよ。そんなもんを長時間続けていたら暴走する可能性がさらに高くなってしまう。」ナサールは腕を頭の後ろにしながらいった。本人は能天気だが言ってることは大分やばいのでは?
「そうなんですね。」
「まぁ、落ち着き次第そちらの方がよく知ってるナサールの方に戻ってくるのじゃからそこら辺は安心しろ。そうじゃ。そういえばお主らの……ほい?どうしたのじゃ?……なるほど。自己紹介はやっぱり要らぬ。今ナサールから教えてもらったのじゃからな。」
「そっか〜。」
「ねぇねぇ。質問していい?」
「おう。なんじゃ?ルーナカミとやら。」
「なんでそんなに口調や性格変わってるの?」
「わしとナサールは全くと言っていいほど性格が違うのじゃよ。全くの別人と言ってもいいくらいにな。まぁ、好物などは体の方に影響来るから変わりないんじゃがな。」
「そうなんだね〜!。」
「そうじゃな。」
「じゃあ僕からもいいか?」
「おう。湧太。」
「どうしてお前は悪魔としてナサールの体に憑依したんだ?」
「憑依とは違うんじゃが……こいつの曾お祖父さんが悪魔系の種族なんじゃよ。あ、悪魔系の種族は悪魔、吸血鬼、鬼、女淫魔、男淫夢、そして龍人族のことじゃよ。正確に言うと……?なるほど。すまん。曾お祖父さんの種族はちょっと内緒にして欲しいらしいのじゃよ。まぁ、ともかく曾お祖父さんが悪魔系の種族じゃから悪魔の条件を達成したのじゃよ。条件は悪魔系の種族の血を8分の1引いてることじゃからのう。それでも開花するのには目覚めさせる必要があるのじゃが最近、なんか急に目覚めることが出来た。」
「どうして目覚めたの?」
「あ〜。その理由言っても……いいみたいじゃの。ルーナカミがぶっ倒れた時に酷く動揺したからその時に目覚めたらしい。まぁ、それはさっき言った通りらしいな。まぁ、仲間思いなんじゃろ。」
「へ〜!良かったねー!」
「仲間思いになれたんですね。良かった良かった。」ソリス達はそういうとナサールを褒めた。
「……すごい恥ずかしそうじゃぞ。」
「えへへ〜。」その後僕らは五分ぐらい質問したあともう聞くものがないことを確認した。
「そろそろ戻るかの。おい。……わかった。戻り次第すぐ悪魔解除するんじゃぞ。」そういうとナサールは一旦気絶し悪魔じゃない方のナサールの方に戻り悪魔を解除した。
「……はぁ。疲れた。お茶飲まして……。」
「いいよ〜。」そういうとアリシアはお茶を入れてナサールに飲ました。生き返ったみたいな音立てて飲んだな。
「……はぁ。」
「お疲れ様です。」
「これが嘘ついてたことなんだね?」
「嘘ついてた理由も何となくわかるでしょ。途中で暴走したら大変だし。」
「まぁ、そうだけど暴走したら尚更対処法わかんないし。明かしちゃった方が良かったんじゃない?」
「かもね。」
「それにしても……悪魔ですか。これ、ギルドに報告した方がいいかもですね。」
「そだね〜!」
「それにしても私と同じような羽生えたんだね?種類は違うけど!」
「飛べるの?」
「まぁ、飛ぼうと思えば飛べる。飛んだことないけど。」
「今度見せてよー!」
「まぁ、体調安定するまではおやすみですし使うとしたらギルドの討伐任務ですね。しかも今までより強いのと戦うってことは減ってくると思いますし。」
「まぁ、実践慣れも必要だと思うし。使ってみるよ。」
「まぁ、体調治してからですね。」
「そだね〜!」
「よしよ〜し!」
「薬飲んだりして体調治すんだよ。」
「あぁ。早く元気になるんだよ。ただ無理をするなよ。」
「……ん。」僕らはその後風邪を治すためにお薬を飲むのを手伝い、居室で夕飯を食べお風呂に入って寝た。
18
次の日には熱は下がってたのだがもしもを兼ねてもう1日休んだ。さすがにもう大丈夫だろうと思い、病院に行って「扁桃腺も腫れてないし……大丈夫ですね。」と医者からのお墨付きを貰ったのでギルドに戻ることにした。
「……おはよ〜!」久しぶりのギルドにるんるんしながらギルドに着くとみんな紙とにらめっこしながら悩んでたり紙に書いたりしてた。なんだろう。
「?」
「おはようございます。」
「あ、おはようございます。みなさん何をしておるのでしょうか。」
「あ、あれですか?」
「うん!」
「あれはですね。この前ミュジケールが襲ってきたじゃないですか。」
「ありましたね。」
「ん〜!あったあったね〜!」
「それがどうかしたか?」
「えーと、それで『魔人と悪魔、敵と味方の判別がしにくい』や『死んじゃった人の区別が首取られてたりしてて分かりにくい』とか言われてたので体に魔力スタンプを貼ることによってそれぞれの体の区別をつかせようとしてるんですよ。なのでみんなスタンプの絵を考えてるところです。」
「なるほどですね。」
「あ、強制?」
「強制です。まぁ、刺青と違って魔法でいつでも除去できますし。ということで1 2 3 4 5 6……と。こちらをどうぞ。」リカンヌはそう言うと応募用紙のような紙を取り出した。
「ありがとう!」
「ペンとかは……」
「あ、ペンはテーブルの上に置いてありますのでそれをお使いください。塗りつぶしたい場合は普通に塗りつぶすのもありですが斜めに線書いてその中を塗りつぶすというのもいいですよ。後、色は1色、赤限定なのでそこも考慮のうちに入れて置いてください。」
「了解!」
「じゃあ考えていきましょうか。」その後僕らは椅子に座って話しながらどんなマークになるのかをはなした。結局話し合った結果、六角系のお花みたいな感じのパステルでcolorfulってことを表すことにした。
「これでいいな。」
「そうだね!」
「では、それで行きますか。」その後僕らは任務のことについて話し合いタユウィングにあるゴブリン倒しにすることにした。
「おはよう!」
「お〜!久しぶり〜!」
「おかえり〜!」
「おかえりなさい。」
「ただいま〜!王都から帰ってきたよ〜!」
「では、早速ですけどこちらお願いします。」
「ん〜!あ、あれは出してくれた?」
「スタンプのことだったらこれですね。」
「これよろしく〜!」
「よろしくねー!」
「OK!……お花ね〜!」
「……違う。」
「え?違うの?」
「パレットです。あ、あと少しだけ話があるけどいいですか?」
「ん?」
「ナサールのことに関してなんですけど。」
「どうした?」
「ナサール……悪魔で、どうしたらいいんですかね。」
「……悪魔ね〜。ちょっとね〜。ペアン呼んでくるね!」ヨーレはそう言うと上に行った。1分もしないうちに降りてきたのでみんな相当悩んでるらしい。
「悪魔ですね……。どこまで解放してますか?ナサール。」
「參……」
「參ですか。」
「まぁ、參でも一応書いておこうよ。」
「そうですね。じゃあちょっとプロフィールの更新しないとね!じゃあ申請用紙出しとくね!」
「ん。」その後ナサールがプロフィールの更新をしてる間ソリスは任務などのお金を支払い行く準備を整えた。
「終わりました?」
「……まぁ、」
「あ、証明お願いできます?」
「ん?なんで?」
「悪魔ってサンプル数が少ないしさ〜。ほとんどのサンプルがさ〜。隣国の魔人の国、ダーヴェラゴザンヂにしかないし、そことクリス王国、めっちゃ仲悪いから実質的にはサンプルゼロに等しいからさ〜?」
「ん……。何をどれぐらい見せたらいいの?」
「あ、今できる最高レベルのを15秒ほど見せてください。」
「ん。……悪魔・參」ナサールがそう言うとしっぽが生えた。その状態で写真を2~3枚撮られ、「サンプルのご提供ありがとうございました。」と頭を下げた。
「……ん、はぁ。」ナサールは解除すると少しため息のような感じの息をした。やっぱり少しだけでも疲れるのかな。
「じゃあ、そろそろ行きましょうか。ナサール大丈夫ですか?」
「ん。大丈夫。」
「じゃあ行こっか〜!」
「そだね〜!」
「んーん〜!」
「あぁ。」そのあと僕らは馬車に乗りダーヴェラゴザンヂに向かった。
19
「ダーヴェラゴザンチっす。」
「サンキュー!」
「さて……ゴブリンですか。長期間留まっていると面倒ですね。」
「ホブゴブリンに進化する可能性あるしね。」
「あぁ。」
「さらに、ちょっとゴブリンの巣窟とかも、近くに、ある可能性もあるしそこら辺も迷惑だしめんどくさい。」
「そだね〜!」
「よ〜し!すぐボッコボッコにするぞ〜!」僕たちはそういいながら村の中に入ってった。村はちょっと壊れていたが再建は出来そうだった。……それよりゴブリンいるな。こっちには気づいてないけど……
「結構な数いるね〜!」
「そうですね。」
「多分、巣窟近いと思う。」
「その時はルーナカミ外で見てた方がいいかもね!じゃあ私上行ってくる!」アリシアはそう言うと木の上に昇ってった。
「うしゃが!?」
「気づかれましたね。私たちも行きますよ!」僕らは気づかれたあと殺されてもいいと思いながら戦いに行った。
「ダグジャ!」
「グラ!」
「ファイラスト!」
「オーディメンズ・ウォメンター!」
「ストーラウィクッド!」
「マジカルガン!」
「ドリャ!」僕らはその後弓矢や剣や魔法などを駆使して十数人ものゴブリンと戦った。凄いな、この数ひとチームでやるにはちょっと限度ないか?
「かなり数多いな。」
「まぁ、恐らく巣窟から結構な人数出てるからね。」
「村を襲う数ならこれで妥当ですので。」
「そだね。」
「アイシクルボール!それ!」
「まぁがんばるしかないよ!」その後僕らは傷ついたからだをマレに回復してもらったりしながら戦い続け残り一二匹ということまで追い込んだ。最後のこいつら……なんか強そう。
「ホブゴブリンですね。」
「オークよりかは弱いけど魔力が効きづらいからね〜。」
「なら……おい。緋刀美。」
「ん……。敵かの?」
「あぁ?一緒にサポートしてくれよな。」
「うん!」
「じゃあいくぞ!」僕らはその後魔法より殴り主体で攻め始めた。
「えーと気体にして……と」
「何してるの?」
「ちょっと色々とな。ちょっと場を持たしてくれ。」
「わかった!とりゃ!」
「ロックブラスト!」そのあと僕は集中して気体を操作した……ここかな。
「針鼠。」僕がそう言うと一体のボブゴブリンの喉から血が吹き出しぶっ倒れた。やっぱりこういうのは効果抜群だよな。
「何やったの!?」
「刀を気体にして呼吸器の中紛れ込ませたあと針状にして内部から貫いたんだよ。これで先ずは一体、」
「ロックブラスト!もう一体いますよ!」
「それ!」
「ふん!」
「おう!」
「ロックアックス!どりゃ!」その後僕らはもう一体のホブゴブリンと戦い五分ぐらい攻めてやっと倒すことが出来た……。一旦は終わりだけどこの後巣窟探し行くのか……めんどくさいな。
「何とか倒したね。巣窟ちょっと探しに行こ〜か!」
「そうですね。」
「いこ!」
「ん。」
「……あぁ。」
「じゃあ私匂い嗅ぐね!……クンクン。魔獣臭いね。多分こっちだと思う!着いてきて!」僕らはその後ゆっくりと着いていった。もし巣窟見つけても真昼間だから夜行性のものは寝てそう。
「……あそこかな。洞窟の中に居そうだね。」
「うん!ゴブリンの匂いもあそこから吹いてくるから多分あそこだね!」
「じゃあまず私とルーナカミが穴を崩落させない程度に爆発させます。その後入って相手を倒してください。」
「ん〜!」
「ところで巣窟に強いゴブリンっているのか?」
「ホブゴブリンが何体かと、ゴブリンキングっていうゴブリン種の中でいちばん強い種族がボスを勤めてるのが主ですね。」
「そうか。」
「まぁ、いくら強いと思っていても流石に不死ってわけではないので最悪相打ち覚悟で行ってみましょう。」
「悪魔も使っていい?」
「大丈夫なのか?」
「ん。壹とか貮ならまだ正常を保ってられるから。」
「なら安全に気をつけてどうぞ。」
「ん。……悪魔・壹。」
「じゃあ行くぞ。」僕らはその後巣窟内へ進み始めた。
「くらいな……。」
「ゴブリン達は夜目だからね〜。松明ぐらいならあるけどやっぱりくらいね。」
「……しっ!」
「……いるね。」マレとソリスの2人がチロっと隣を見ながら行った。確かに足音がするな。
「……いくよ。ソリス、シールド纏わせて。」
「わかりました。シルディア・ウェアフル。」
「うん。」
「あぁ。」僕らはその後いっせーのせで外に出て魔法等をかけた。
「エクスプロージョン!!」
「ファイラスティア!!」
「ロックブラスト!」
「鉄刀投げ!」
「ドリャ!」……どうだ?
「オーバーすぎましたね。」
「焦げた肉体しか残ってない……。」
「さすがのシルディアでもちょっと過剰だったぽい。ちょっと怪我した。まぁ、これぐらいなら、治るっしょ。」
「あら、」
「しかもこれ音が大きすぎて多分内部の敵全部に気づかれたっぽいですね。多分こっからものすごい連戦になると思います。用意はいいですね!」
「うん!」
「ん〜!」
「ん。」
「いいよ〜!」
「あぁ。緋刀美!」
「……ほい!コピーの刀も切れるようにしといたよ!」
「ふ〜。」みんなそうやって集まっていると奥の方からゴブリンたちがぞろぞろとでてきた。狭い通路にギチギチだな。これって魔法とかを使えば一気に仕留められそう……。
「ソリス、ルーナカミ、ストーンエッジみたいに地面から岩をはやすことは出来るか?」
「……出来ると思います。」
「じゃあやってくれ。」
「わかった!」
「「ロック・ニードル!」」2人がそう叫ぶと下からものすごい勢いで岩が持ち上がりゴブリンの多くが押しつぶされ肉塊に変わった。……血の匂い凄まじいな……。
「くっさ……」
「凄まじい匂いするな。」
「ゲホゲホ。一旦外に出ましょう。確か崩落はしてないはずです。」
「そだね〜!」
「くっさいしね〜!」
「道もこれで塞いじゃってるから相当時間かからないと出て来れないと思うし。」
「うが〜!」
「なんだなんだ!?」
「ゴブリンキングの声ですね。どうやら奥にまだいるらしいです。」その後バキバキ!!という岩を折る音が聞こえゴブリンキングが現れた……。やけに地下潜るな……って思ったらこれのせいなのか……大きさも3mあるし、ゴブリンって言うかオークやん。
「でっか。これほんとにゴブリンかよ。オークやん。」
「そりゃオークはゴブリンキングが進化した種族ですからね。」
「ん〜。同じ行動をとることも多いし最上位種は似通うよね〜!」
「ん。」
「そうなんだ〜!」
「そうなのか。来るぞ!」その後僕らは地面をえぐるほどの衝撃がある打撃数回を何とか避けた。ぶってぇ足と図体には似合わない結構なスピード……狂気でしかない……。
「まずいですね。」
「自力で殴って相殺できるのかな……」その後ナサールは殴りが来た時に思い切って蹴り返した。凄まじい轟音がなり双方が壁に打ち付けられていた。
「大丈夫!」
「ヒーリラル!」
「……いって。」
「ウガー!!」
「殴ってもあまり効果なしか。」
「ナサールは大丈夫なの?」
「結構強めにぶつけられたけど、まぁ痛みを感じるぐらいかな。悪魔にならなかったら多分骨折レベルの怪我してたと思うから耐久力も底上げされてると思う。」
「そうなんだ。」
「魔法で超大質量与えてみるか……。」
「そうですね。軽めの魔法なら防いでくると思いますし。」
「みんな一斉にやれば大丈夫だと思うよ!」
「ん。」
「そだね!」
「じゃあ……!アイリアンボール!」
「アイシクル・ボール!!」
「アイシクルアイリアン・ダブルボリアル!」
「サンダー・アイシクル・ファイアー・トリプルボリアル!」僕らはそのあと魔力を注ぎ込み超大質量の魔法をすごい数で与えた。さすがのゴブリンキングもそれには狼狽えさらにナサールが「ルーナカミ、魔力そのまんまたまにしてくれない?」と言いルーナカミが捻出した土属性の魔力弾をそのまま蹴り頭蓋部にその蹴りごと押し入れたためゴブリンキングが「ガメキ!」という異様な音を出して倒れた。
「……」
「どうですか?」
「……頭蓋骨陥没骨折、脳漿、破壊、体内に痣など多数、さすがに……死んだね。」
「良かった!」
「これで一大事は終わりましたね。それでは、……耳を切りとれるものは耳を切り取って終わりにしちゃいましょうか。肉塊となったものたちは諦めましょう。」
「内部に誰かいるのかっていう検査も一応しておこ!」
「こんなに暴れてもいないんだったらいないと思うけどな。」
「まぁ、大抵こういうのは鎖で繋がれてるからいても奥の方にいると思うからね。そこら辺は確認しなきゃ。」そのあと僕たちは耳を回収し、ゴブリンキングが壊した道を通って奥の方に進んで行った。
その後10分ぐらい奥に進んでったが……特になんもなかった……。鎖とか焚き火の跡はあったけどな……
「特に何も無かったな。」
「そだね〜。」
「途中で逃げ出したか、取ろうとしてるところだったかってことですかね。」
「まぁ、被害があまりなくて良かったね〜。」
「あるより、ない方が、マシ。」
「ん!ん!なくて良かった!鎖の少女なんてあまり見たくないもんね!」
「じゃあ、帰っちゃいますか〜!」
「そうだな。」
「そうですね。」
「ん〜!」
「ん。」
「か〜えろ!」僕らはそのあと近場で偶然通ってきた馬車にのり、ウトナに帰った。
20
馬車に乗って6-7、いや、それ以上が経過しただろうか。もうよく分からない……。時計も運悪く歯車が壊れちゃったから時間も分からないし森の中で永遠にさまよっているからもうよく分からない……
「おい。」
「ん?」
「これほんとに合ってるのか?」
「……」
「迷っちゃった?」
「本当なら帰ってもおかしくないですし……」
「……あぁ、そうだよ。」
「迷っちゃったか〜!」
「迷ったってより、なんか同じとこ、ぐるぐる回ってない?」
「なんかそこの木さっきもみた気がする〜!」
「……昔っからこの森こういうのがたまに起きるって言われてるんだよな。」
「そうなんですか?」
「あぁ。人間が消えたり森の中で永遠に迷い込んだり……たまにあるんだよな。どうすればいいのか分からないけど。まぁ、走っていけば何とかなるだろ。」
「そうだな。」その後僕らは馬車に乗り森の中を1時間近く走った相変わらず迷ってるのか永遠と森が続くな……ん?あれ?あそこに家が……ないか?
「なぁ、あそこに家ないか?」
「……明かりが見えてるね!」
「そうですね。」
「良かった……。一旦森を抜けるための道聞いてみるか。」
「もしかしたら魔女の縄張りに入っちゃったかもしれないしね〜。」
「もし、そうだったら、謝らないと……」
「そだね〜!」
「あ。俺はどうすればいいんだ?」
「もしもの時のために馬車で待機してくれませんか?」
「一般人巻き込みたくないからね〜。」
「あぁ。分かった。」
「ちなみに本来ならウトナまで何分ぐらいなんですか?」
「本来なら……あと30分で着くはずだな。まぁ、この状況、何時間かかるかわかんないけどな。」
「分かりました。」
「それじゃあ言ってくるね〜!」そのあと僕らは一旦馬車を降り、その和風な家に向かった。魔女が住む割には……和風な家だな……
「すいません……。」
「お邪魔するよ〜!」
「暗いね〜。」
「なんか血腥い……」
「ん。」
「あぁ。これ血の匂いか。」
「……なんか音が聞こえて……」ソリスがそう言うと奥から「ペタ……ペタ」という音が聞こえた。なんだ?なんだ?と思ってると奥から血塗れの女の子が這って出てきた。
「!?」
「は?」
「大丈夫ですか今行きます!」ソリスはそういうとその女の子を抱き上げた。大丈夫なのか?
「ヒーリラリル!」
「状況は?」
「何に襲われたんですか?」
「お……お……鬼……パ……パパも……ママ……も……お兄……ゴボ……」そう言い残すと女の子は気絶した
「鬼……。」
「多分、人喰い鬼。」
「となると……助かったのは……」
「多分この子だけですね。マレ、応急処置ぐらいにしときなさい。残りの回復は別の人に任せておいてください。」
「ん……ん。」
「どうするの?」
「とりあえずこの子馬車に乗っけてウトナまで急いでいかしてください。」
「うん!」アリシアはそういうとソリスから少女をもらい馬車に向かって走った。その後大声で「この子ウトナのギルドに行かしてやって!いいから!早く!」と言い馬車を出発させた。……あの子生きてくれ……
「さて、こっちですね。湧太。アリシア。これ武器です。」
「ありがとう。」
「行くよ。」
「待って。」
「なに?」
「ん?」
「どした?」
「多分、今回の鬼、強い。奥からそういう波導、感じる。だから言うね。倒そうとは思わないで。1歩油断をすれば次の瞬間誰かが肉塊になる可能性もあるからね。」
「でも、」
「もしあの子が生きてたら、このことをヨーレ達に伝えるはず、そしたら、ヨーレは全力で私たちのとこ、来ると思う。」
「確かにそうですね。」
「そこまで、何とか、生き残る。それだけ、覚えてて。」
「わかった。」
「ん〜。」
「ん!」
「あぁ。」
「あと、湧太。あんたは、刀精霊、出しといて。……悪魔・參。」
「わかった。おら、緋刀美。出てこい。」
「……ん。」
「それじゃあ……」
「はい。」そのあと僕らは鬼の棲家にゆっくりと入っていった。やっぱり……和風の家だな。なんか靴履いたまま出てきたの間違いな気がする……まぁ、今そんなこと言ってる場合じゃないけど。
「……上ですかね。」
「下には……いなかったね。」
「そだね〜。」
「……なんで降りてこないんだろう。」
「……余裕ぶっこいでるのかな。」
「……さぁ。」
「上……行くか……。」
「そだね。」僕らはそのあとゆっくりと木製の階段を昇った。奥の方には障子が3分の2の程空いた部屋の中から薄紫色の蝋燭のような光が見えていた。
「多分、ここが……鬼の部屋かな?」
「そうですね。」そのあと僕らはゆっくりとその部屋にいった。そこには片乳を饅頭のようにもぐもぐと食べている肌の下に角が生えている感じの人間のようなものがいた。何となく……妖艶だな。というか……あ……ぐちゃぐちゃの人間の死体……。トラウマ……。
「ルーナカミ……大丈夫か?」
「お……新しい獲物かの?」
「……ん。」
「ん。私は大丈夫。」
「……あなたが鬼ですか?」
「如何にも。名は茨木 鳴苛という。お前らはどうした?」
「……私たちは……ギルド。」
「あなたを……倒しにきました。」
「ちょっと。」
「大丈夫。こうでも言わないと騙されませんから。」ソリスはそういうとウィンクをした。
「……まぁ、わかった。」
「……ほう。倒しに行くのか……。大丈夫なのか?人間5人と妖精1匹、それと付喪神で儂を倒そうとするなんて……。」
「まぁ、できる限り頑張って見ますわ。」
「そうか。……この家……わしらが戦うにはちとばかし狭いな……。」
「ん。」
「仕方ない……。ついてまいれ。」そういうと茨木といった鬼は窓から外に出た。
「……あっちに行ったな。」
「どうする?」
「追いかけましょう。」
「うん!」そういうとアリシア、マレ、ルーナカミ、緋刀美、ナサール、と窓から飛び降りた。……え?
「ソリス?湧太?」
「……分かりました。行きます。」その後ソリスも飛び降りた。……俺も飛び降りればいいのかな。
「大丈夫です。アリシアが抱きしめるので。」
「なら……」その後僕も飛び降りアリシアにお姫様抱っこしてもらい、その後茨木の行った道をついてった。1分ほど走ってるとちょっと広い場所があり、そこに茨木はいた。
「遅かったのう。待ちくたびれたわい。」
「悪かったな。」
「それじゃあ……っと始めるかの。」そういうと茨木は姿を消した?と思ってるとナサールが「来る。右、2時、」とだけいい防御態勢をとった。その瞬間その方向に茨木が現れナサールを蹴り飛ばした。ナサールは後ろの木ごとものすごいスピードで吹っ飛ばされた。
「おい!」
「あ……ルーナカミ!?」ナサールの方向いてる間にルーナカミが茨木に攫われた……展開が早い展開が早い。
「ほーら、これで1人……」茨木はそういうとルーナカミの首をねじ曲げた……ひぃ……
「ファイラスト!」
「魔術・火食」茨木はそういうとファイラストから放たれた火を食べ尽くした。こいつ魔術にもある程度耐性があるのかよ。というか……ルーナカミ流石にお亡くなりになったか……
「ロックブラスト・マッティズム!」ソリスがそういうと音速近い速度で石礫が発生したが茨木は何事も無かったかのように受け止めた。流石に顔には一部あたり血が出てたが修復速度も早いので傷もメキメキ治っていった……はやい……はやい……生き残れるのか?俺たち?
「デストロイヤー!」ルーナカミの声が聞こえたかと思うと茨木の後ろから破壊光線のようなビームが放たれた。流石に不注意だったから気づけずビームを直で受けた。
「……んっだだだ……。」茨木は今の破壊光線で吹き飛ばされた右腕を抑えながら言った。さすがに復活には時間かかるよな。
「ルーナカミ!?」
「大丈夫だったんですか?」
「幽霊?」
「え?ルーナカミも精霊なの?」
「生きてるの……?」
「お主……殺したはずじゃよ。」茨木はもう既に回復した腕でもう1回ルーナカミの首を捻った。確かにゴキバキ!っていう折れる音ならないな……
「あ〜。うん。首ひねられたぐらいじゃ私死なないんだよね〜。」首のひねりが戻るとルーナカミがなんか微妙そうに言った。
「……ん?」
「まぁ……いいわい。」
「それじゃあわしはこうするかの!」緋刀美はそういうと刀を持って茨木に突進した。茨木と緋刀美はものすごいスピードでぶつかって両方の腕が千切れ飛んだ。
「ふん。やるわい。」
「ほんとによくやるよ。」2人は何事も無かったかのように腕を復活させて何度も戦った。やっぱり人外と人外の戦いはえげつないな……
「復活するんだね。これは長期戦になりそうだね……。」
「そうですね……生半可な魔法とかの攻撃は風のように受け流されてしまいます。」
「だからと言って打撃や剣などで切れたとしてもすぐ回復する……」
「生き残るのが精一杯かな?」
「とりあえずルーナカミ、戻ってこい。」
「うん。」
「かはは……何やっても無駄ってことじゃな。」
「スターダストアタックジャンブ!」ルーナカミがそう言うと星の塊がすごい勢いで茨木の体にぶち当たりその後ルーナカミが跳ね上がって僕たちの場所に戻ってきた。
「今のなんだ?」
「ん〜。前にソリスが教えてくれたの!」
「魔素と魔力をそのまま排出することで大ダメージを与える魔法ですね。大量の魔力が必要なのであまり使われてませんけど……」
「……焼け付くように痛いぞ……」
「やっぱり魔力と魔素を両方一斉にぶつけると結構なダメージいけるんだねぇ〜。」
「……それでも、火傷を追わせるのが精一杯って事なのか……。」
「しかも魔素の怪我って魔族の自然治癒じゃ治しにくいものの鬼なら何分かで治っちゃいますからね……」
「マレ。」
「?」
「回復魔法以外で、何か出来ない?」
「ん〜!」
「……身体強化ならできるけど……結構体に負荷がかかるんだよ?」
「まぁ、大丈夫大丈夫!死ななければいいから。」
「……早う来い。じゃないと殺すぞ。」
「わかった……パイシクル・スドロンディック!」
「うぉ〜!力がみなぎってきた〜!」アリシアはそういうと茨木と取っ組み合いの大合戦が始まった。凄いな……身長的に2.5倍くらいの体重差があるのに取っ組み合いができるのはさすが鬼だし、その鬼の腕力について来れるのも身体強化魔法のおかげだし……えげつない。
「長期戦になると筋肉断裂とか普通に有り得るから無理はしないで!」
「OK!」
「私も。……あと、ルーナカミ。ソリス。緋刀美。湧太。」そう言うとナサールはこしょこしょ話を開始した。
「ん。パイシクル・スドロンディック!そして……」ナサールはそう言うとものすごいスピードでアリシアの方に加勢した。さすがに身体強化された2人組に追いかけられては劣勢になるしかなくさらにそこにソリスと緋刀美が加わると完全に劣勢になった。……
「今か?」
「……。ん。今。」
「おう。秘技、二、鉄鏃」僕はそう言うとルーナカミの肩の隙間から非常に尖った矢を突き刺した。さすがに威力は凄まじく鬼の体を貫くぐらいの力ならあった。
「ちっ!」
「行くよ。」
「うん!マジカルティック・アソブリュート!」その後ルーナカミが魔素と魔法を合わせたやつで火傷を負わせせ、そこにナサールはハイジャンプをし、かかと落としを食らわした……。殺せなくとも大ダメージを与えることぐらいなら出来たはず……というかさすがに与えてないと困るからそうであってくれ……。
「……面白い!面白いぞお前ら!……内臓にまで障害を与えられたのはいつぶりの事じゃのうかの?」……茨木はケタケタ笑いながら立ち上がりアリシア達をぶっ飛ばした……。嘘だろ?これでまだ骨折すらしてないのか?頭から血が出てるから怪我したのは確かだけど……
「かかと落とししたのに……」
「おう。その努力は認めてやろう。ただ、少々足らなかったようじゃの。」
「みんな大丈夫?」
「ん。」
「まぁね!」
「身体強化のおかげで怪我は無いですね。」
「良かった……でもそろそろ解除するね。アンロック。」
「そうですね。」
「これで倒せないなら……」
「ん。こっからはいかに生き延びれるかが勝負……。ヨーレ達が来るように願おう。」その後は防戦一方でなんとか死なないように頑張った。何しろ気を抜くと腕がぱっくりいかれるレベルの攻撃が連撃に等しい速度でやってくるからな……回復魔法が使える人が3人もいなけりゃとっくのとうに全員血まみれの肉塊になってるからな……
「よくここまで生き残ったな。少々楽しませてもらったわい。小一時間も戦えたのでな……。さて、お主らもわしらの糧になってもらうぞ。」
「待った!」
「そこまでです!」その声は……と思い後ろを振り向くとヨーレとペアンが森の中から現れた……。良かった……ギリギリ間に合った。
「皆さん大丈夫ですか。」
「うん……いった!足つった!痛い痛い!」
「あ、身体強化の副作用出てきた……かもしれない……」
「無理しないで〜。で、お前が茨木ね……」
「ほう。お主、名前を知っているのか。」
「そりゃあね……」
「ギルド界隈では多少、名が知れた存在ですから。森にいて、たまに人を食らう鬼がいるという証言が100年以上前からされていれば多少は有名になるでしょう。」
「そうか。もう100年この森で生きていたのか。」
「まぁ、出会ってしまったのが運の尽き。あなたにはここで死んでもらうけどね。」ヨーレはそういいながらポケットの中から大きな宝石が入ってるペンダントを取り出しどっかへ投げた。
「ん?なんか……空気がピリついたような…… 」
「どうした?ルーナカミ。」
「いや、なんかね……」
「あぁ。それはもうすぐ分かりますよ。」
「うん。まぁ、ちょっと色々さ。よいしょ。よし。この力出すのもいつぶりかな。」ヨーレはそう言うと髪の毛をポケットの中にあるゴムで縛った。その間になんか変な気配がしだしたけどなんだろう……
「ほ。もうそろそろかな。ペアン。」
「はいはい。チビだから足を引っ張らないでくださいね。」
「そっちものっぽなんだから木に頭ぶつけんなよ!」2人はそう言うと目にも止まらぬスピードで鬼に立ち向かった。ペアンは自分の身長程もある薙刀をグワングワン手袋をつけながら振り回しヨーレは無詠唱魔法でそこら中に魔素の玉を弾幕上に投げていた。
「すごい手馴れてますね。」
「さすがギルド職人なだけあるね〜!」
「圧倒するね〜!」
「ん。」
「あぁ。」
「そして、なんか本当に空気ピリついたままなんだけどなんなの……?ん。?ね?ヨーレの背中見てくれない?」
「ん?」ヨーレの方を見てみるとうっすらと羽のようなものが生えていた……?
「ヨーレ?その羽は?」
「羽……。」
「羽だね〜!」
「その羽、お前……半精霊か?」
「……あぁ、これ?ん〜と、自分色々あって途中で精霊より魔力が多くなって精霊になりかけたからその名残。」
「面白いやつだな。……ソイ!あっづ!お前は薙刀か……」
「えぇ。それも。この手袋で触りしだいすぐやけどするようにしてますからね。しかも、切る時にはその火傷は反応しないようになってますからね。」
「そうなのか。」
「ん!」
「なるほど。お主ら、相当な強さなんだな。ただ。お主らでわしを倒すことは出来ぬぞ。わしの方が強いからな。」
「それは薄々予想済みですよ。」
「ということで。ルーナカミ!ナサール!」
「ん?」
「なに?」
「あなた達2人にもちょっと手伝ってもらいますよ。」
「りょうか〜い!」
「ん。分かった。」
「あと、ヨーレ。防温魔法私にかけて。」
「ん!」
「薙刀に触る可能性あるんですか。」
「まぁ、もしものためだよ。」
「ほう。……4人でやるのか。」
「「「「ん。」」」」
「それじゃあ。かかってくるがいい!わしも容赦しないぞ!」そう言うと鬼は爪を尖らせ目をらんらんと光らせながらこっちの方へ突っ込んできた。4人でどばん!と肉塊が飛び散りそうな音量を響かせながらそれを受け止めヨーレが握りこぶしに鉄を纏わせてものすごいスピードで殴りペアンとナサールがそれに合わせるように連撃を仕掛けたりという様々な攻撃が目の前で仕掛けられた。……超人同士の戦いってもうほんと筆舌に尽くし難いんだな……。
「ん……。……ふぅ。さすがにこれが限界らしいな。まぁ、ここまで出来ただけで喜ばしいものじゃわい。」ナサールはそう言いながら舌なめずりをした。悪魔に……変わったのか。
「ナサール?」
「おう。状況はもう把握しておる。詳細は省く。簡単に言うとわしは味方じゃ。共に戦おうでは無いかの。」
「……まぁ、分かりました。」
「なんか変わったかの?」
「まぁ、気にすんな。」
「そうそ!」
「なら、こっちも了解!」その後はさらに精霊である緋刀美も加算してえぐい勢いで対戦していた。さすがに劣勢になっていたのか茨木の自然治癒能力を上回る勢いで傷が増えていった。
「ちっ……。」
「そろそろ行けそうですね。」
「ん!ちょっと三人とも離れておいて!」
「うん!」
「ん!」
「分かった。」
「行くよ!コンビネーション!」そう言うとヨーレとペアンは目にも止まらぬ速さで動き気づいたら薙刀で首を切り落としていた。……エグ……
「さすがにこれで……」
「死んだようだね。」
「そうじゃな。いくら鬼でも首切ったら死ぬわい。」
「終わった?」
「ん!」
「何とかね!主も大丈夫だった?」
「あぁ。」
「凄かったね〜!大丈夫?」
「まぁ、怪我はしたものの些細な怪我なのだ。それよりペアンとヨーレと言ったかの?その方が問題のようじゃが。左手とか見てみろ。」
「……ん。あ。」
「……痛いですね。」ペアンはそう言いながら腕をさすった。確かに今の今まで気づかなかったが近場で戦ってた連中は皆傷だらけで特にヨーレはお腹の一部に、ペアンは左腕にすっぱりと切り傷が出来ていた……。痛み今の今まで感じなかったのか……。ブースト状態だったのかな。
「ごめんごめん!今かけるね!ヒーリラティア!」
「私のは要らないよ。これぐらいなら無詠唱で……ほい。……よし。治った!」
「ところで。」
「なんじゃ?ペアン。」
「ん?」
「なになに?」
「なんか、ナサール変ですが……。」
「詳細は省くとも言ってたしね〜!」
「あぁ。わしは悪魔の方のナサールじゃ。」
「……悪魔の方?」
「ん〜?どういうこと?」
「悪魔の方って何ですか?」
「まぁ……あっちのナサールの方の別人格じゃ。悪魔をあいつが解放したらわしも心の中で目覚めるのじゃ。普段は眠ってるけどな。そしてこういう風にあっちのナサールが負担に耐えきれなくなったら暴走を防ぐためにこうやって出てくるのじゃよ。まぁ、普段は出てこないから安心しておれ。」
「ん。」
「わかりました……」そのあと僕らは少し話して、「それでは私たちは現場のことを色々しないといけないので。」「お先帰ってて〜!あ、あの運ばれてきた少女の方は無事だから安心してね〜!」と二人にいわれ馬車に乗って帰りぐっすり寝た。




