覚悟を決める時
今日はなんて気分が良いのだ。
全ての努力が報われる時がきた。
遡ること1週間程前、とあるサイトから1人の女性と繋がる事ができた。
写真で見る限りかなりの上物であることは間違いない!
目元以外は殆ど分からないが、私の本能がそう言っている。
性格、趣味とからそんなものはどうだって良い。
私が目指すゴールにどんな障害も関係が無いからだ。
連絡を交わすたびに、「早く会いたい」心の底から気持ちが溢れ出す。
そんなこんなで、いよいよチャンスが訪れた。
絶対にものにする!
私の気持ちは昂っていた。
待ち合わせ場所に着き、彼女の到着がを待つ。
「すみません。」
可愛らしい女性の声が響いた。
遂に、遂にこの時が!
この時が?
何かが違う、いや!かなり違う。
写真では目がくりくりとした華奢な女性だった。
しかし、眼前に現れたのはピグモンにそっくりの怪獣だ。
色々な考えが頭の中をよぎる。
帰るか、それともデートを楽しむか
もちろん前者を選択する。
用事が出来たと言って帰ろう。
意を決して言葉に出そうとしたその時
息子のジョニーがそれを許さなかった。
ピグモンに反応しちまってるんだ。
俺のジュニアに迷いはなかった。
「覚悟は決まった。」
いいだろう!こうなったら闘おうじゃないか。
顔を隠せば、全ては上手くいく。
私は彼女の手を取り、ホテルに向かった。
作戦は決まっている。
キスは無し、顔に接近しない。
部屋の電気を消し、漆黒の闇の中でそれは幕を開けた。
言い方は悪いが、顔から下は美女も怪獣も差はない。
息子のジョニーに全てを委ね、快楽に溺れる。
やはり事が始まれば最高の感覚が、襲ってくる。
俺は間違ってなんかいなかった!
この闘いは俺の勝ちだ。
だが、俺は自分の甘さに後悔することになる。
「メェ〜」
自分の耳を疑った。
ヤギの鳴き声が聞こえてくる。
激しく突き上げるたびに、「メェ〜、メェー」ヤギが鳴くんだ。
見た目ピグモンに鳴き声ヤギだと!
俺に勝てるわけが無い!
縮みあがったジョニーが全てを物語っていた。
敗北を味わい、私は途方に暮れた。