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(なろう版)新米薬師の診療録  作者: 織姫みかん
Special Episode 私とエドと風邪薬

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風邪は他人にうつせば

 これは2月に入る少し前。風邪をひいたエドの看病してしばらく経ったある昼下がりのお話です。

 「――頭痛い」

 ベッドの中の私は昨夜からずっと熱と激しい頭痛に襲われていました。普段なら診察室で患者さんの対応をしている時間だけど、今日はそんな気分になれません。というか、診察できるほどの体力もなければ集中力もありません。

 「風邪は他人にうつせば治るとか言ってたけどさ、ほんとにひくバカが何処にいるんだよ。ほら、薬持ってきたぞ。これで良いんだろ?」

 「飲まなきゃダメ?」

 「蜂蜜入れるか? おまえ、俺の時はそう言ったよな」

 ニヤッと病人に向けていると思えない笑みを見せるエドにベッドの中でムスッと頬を膨らませる私。体調悪くてなにも言い返せないからってちょっと酷いんじゃないの。

 「……エドの意地悪」

 「ま、日頃の行いが悪かったとでも思うんだな」

 「そうかもね」

 普段なら絶対言い返しているところだけど、そんな元気もなく、素直に薬を飲んで今日はゆっくりしようかな。

 「アリサさんは?」

 「おまえが風邪ひいたって言ったら薬草採ってくるって。えっと……」

 「もしかして“オオアカベラ”?」

 「そうそれ。細かく刻んで飲むと良いんだろ?」

 「うん。ウチじゃ栽培してないからね」

 やっぱり自家栽培した方が良いかな。そんなことが頭を過るけど、それよりもアリサさんに余計な手間を掛けてしまったね。このくらいの熱なら使わなくても大丈夫なのに。これ以上、二人に心配掛けないように早く治さなきゃ。

 「お店も臨時休業したし、薬飲んだら寝るから帰って良いよ」

 また風邪をひいたら困るのでエドを部屋から出そうとするけど、なぜかこういう時に限って出て行こうとしません。

 「帰らないの?」

 「病人置いて帰れる訳ねぇだろ」

 「一応、女の子の部屋なんだけど?」

 「なんでそう上げ足取ろうとするんだよっ。嫌なら帰るぞ」

 「あ……」

椅子から立ち上がり部屋を出ようとするエドを引き留めようと、私は思わず彼の手を掴みました。


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