表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(なろう版)新米薬師の診療録  作者: 織姫みかん
Karte14:あなたの娘です

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/118

遺品整理

 師匠が亡くなって5日目。やるべきことがある程度片付き、ようやく師匠が残してくれた遺品の整理に手を付けれるようになりました。

 きっと生前に少しずつ整理をしてくれていたんでしょう。処分に困るような私物や調薬前の薬草はほとんど残っておらず大半が処分されていました。

 「持って帰るのも大変だし、師匠なりに考えてくれたのかな」

 少しだけど気持ちに余裕が出来て気付いたのはお店の中にほとんど物が残っていなかったこと。待合室や診察室、調薬室の中も大きな家具以外は私が使っていた調薬道具くらいしか残っていませんでした。

 「整理する身としてはありがたいけど、なんだか切なくなるね」

 自分が不治の病に侵され助かる術がないと悟り、私に迷惑を掛けまいと商売道具を処分していった師匠はどんな気持ちだったのかな。考えたくもない。考えたくないけど、悪足搔きせずに天に身を任せたその姿は師匠らしいと言えば師匠らしいです。

 「ソフィー、薬師協会の人が来てるぞー」

 調薬室の奥で片付けをしていると待合室だったスペースの掃除をしてくれているエドの声が聞こえました。協会の人が来たってことは準備が出来たんだね。

 「いま行くからちょっと待って」

 持っていた薬のレシピ集を箱に詰め、私は隣接する診察室を抜けて待合室に入りました。そこには見覚えのある初老の男性が一人、神妙な面持ちでエドの傍に立っていました。

 「お待たせしました。ルーク・ガーバットの相続人のソフィアです……あ」

 「薬師協会のルイスと申します。貴女はもしや……」

 「はい。()()()()()()()()ソフィアです。試験官をしてくださった方ですよね」

 あまり皮肉にならないように声のトーンは抑えるけど、どうしても釈然としない私がいます。まぁ、私の顔を覚えていたってことはそれなりに罪悪感があったんだと思うけど、この人に任せて大丈夫なのかな。不安な気持ちはあるけど、今回はこちらが教会にお願いする方です。不信感は拭えないけど丁重に扱わないとね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ