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(なろう版)新米薬師の診療録  作者: 織姫みかん
Karte13:また一緒に

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また会えた①

 村を出発して10日目の夕方。王都に着いた私は馬車を降りるとすぐに東通りに向けて走りました。土地勘のないエドは私の後を追うように走り、そんな彼を気遣いながらも師匠のお店に急ぎます。

 「ソフィー! ルークさんの店はまだなのかっ」

 「もうすぐ! そこの角を曲がって真っ直ぐ行ったとこ」

 「ちょっ、ちょっとスピード落とせないのか」

 「ダメ。もうちょっとだから頑張って」

 馬車を降りてからずっと走っているからさすがに息が切れてきました。村じゃこんなに走ることは滅多にないし、私も走るスピードを緩めたいけど、今日だけはそんなことできない。

 (……もうちょっと、ここを曲がれば見え――え?)

 ない。お店の看板がない! 右手に見えるはずのお店の看板が見当たらない!

 師匠のお店があるは東通り3ブロック。間違いなくこの通りだし、実家の場所を間違えることなんてあり得ない。あり得ないはずなのに――

 「……なんで?」

 「どうしたんだ。道間違えたのか」

 「あそこ……あの看板の奥が師匠のお店だよ。あそこに看板が掛ってた」

 「この通りで間違いないんだよな」

 「間違えないよ……エド?」

 悪い予感が頭を過り、立ち止まってしまう私の手を握るエドは大丈夫だと声を掛けてくれます。

 「まだ分かんねぇだろ」

 「エド?」

 「心配すんなよ」

 私の手を握るエドの力が一段と強くなります。不安で押し潰されそうになる私を安心させるようとしてくれているんだ。

 「ルークさんがおまえを残して逝く訳ねぇだろ」

 「……うん」

 「とりあえず店まで行こう。な? 看板はわざと外したかもしれないだろ」

 「……うん」

 エドに手を引かれ歩みを進める私。なんだろう。いまのエドはなんだかすごく心強い――というか昔の師匠みたい。王都に来たばかりで不安しかなかった私の手を引いてくれた師匠そっくり。

 「ん? どうした?」

 「ううん。なんでもない。ありがとね」

 「礼なんて要らねぇよ。ここか?」

 「うん。お店は……」


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