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(なろう版)新米薬師の診療録  作者: 織姫みかん
Special Episode:私とアリサさん

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デジャヴ?


 ――これは少し前、エドと喧嘩して少し経った2月の初めのお話。


 「温泉、ですか?」

 「ああ。旅人から聞いたのだが、セント・ジョーズ・ワートの北にあるらしいんだ」

 「旅人ってドスさんとこに宿に滞在している男のことですか」

 「なんだエドは知ってたのか。そうだ。アタシもここに来る前は旅をしていたからな。少し興味があって話を聞きに行ったんだ」

 アリサさんの話だとその旅人は先ほど村を後にしたそうだけど、温泉には病気や怪我を癒す効果もあるみたい。ちょっと気になるかな。

 「その温泉ってなにか効能とかあるんですか」

 「皮膚病や肩こり、あとは美肌に効果があるらしいな」

 「皮膚病と肩こりですか。それはちょっと気になりますね」

 「美肌はどうでも良いんだな」

 「エドはお給金減額ね。女の子に失礼だよ」

 まったく。エドったら一言多いんだから。私だってそれなりには興味はあるんだからね。まぁ、皮膚病や肩こりに効くって方が気になるのはほんとだけどね。

 「湯治って言う歴とした治療法があるのは知ってるけど、どんな作用で効果が出るのかは分かってないの。薬師としては気になって仕方ないよ」

 「まさか行くとか言わないよな」

 「留守番お願いね」

 「留守番決定なのかよ。アリサさんはどうするんですか?」

 「ぜひ行きたいな。美肌効果があるって言うのは気になるからな」

 「アリサさん見せる相手いましたっけ?」

 「ソフィー殿、エドの給金ゼロにしてくれ」

 「もちろんです」

 ニコッと満面の笑みで応える私。まさかエドが私以外に悪口言うとは思わなかったけど、アリサさんもなかなかだよね。私だってお給金ゼロなんて言った事ないのに。でもこれじゃさすがにエドが可哀そうかな。

 「エドも行く?」

 「誰が店番するんだよ」

 「う~ん。エド?」

 「だろ? 俺は留守番で良いよ。それに……」

 「なに?」

 「聞いた話だとちゃんと男女別になってるそうだぞ」

 「え、そうなんですか」

 「さすがに混浴はアタシも無理だぞ。まぁ、年頃だし気持ちはわからんでもないが」

 「エド~」

 「違う! 俺は別に――」

 あ、エドが慌ててる。顔を赤くして慌てふためく姿はなんだか新鮮だな。それにしても、エドもそういうことを想像しちゃうんだね。

 「なに笑ってんだよ」

 「ちゃんとお土産買ってくるから留守番お願いね」

 「わかってるよ。アリサさん、コイツがハメ外し過ぎないように監視お願いしますね」

 「ちょっと! 私が子供みたいじゃない!」

 「子供だろ。全体的に」

 「う、うるさい! いつかアリサさんみたいになるんだから!」

 「だそうですよ。アリサさん、楽しみですね」

 「ああ。楽しみだな」

 「もう二人ともバカにして~」

 期待なんてしていないという顔のエド。それに何処か余裕の表情を見せるアリサさんを前にいつか絶対見返してやると心に誓う私でした。そういえば、こんなやり取りオイスターモドキの時にしたような……


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