表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(なろう版)新米薬師の診療録  作者: 織姫みかん
Karte8: 風邪って他人にうつすと治るよね

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/118

ちょうど良い関係

 その晩。私はそのままエドの家に泊まることにしました。

 エドは薬が効いているのか朝まで起きることなく、私も目が覚めたら彼の部屋にいたので様子を見に行ってそのまま寝てしまったんだろうな。

 「――で、なんでいるんだよ」

 「様子を見に来たまま寝ちゃったみたいだねぇ。うん。熱も下がったし大丈夫みたいだね」

 「あのなぁ……まぁ良いや。ありがとな。助かった」

 「まったく。軽い風邪で良かったけど、体調管理くらいちゃんとしてよね。次からはちゃんと薬代貰いますからね」

 「悪かったよ。で、ソフィー?」

 「なに?」

 「俺が寝てるときに何かあったか?」

 「え?」

 「なんか元気ないぞ。大丈夫か」

 「そ、そんなことないよ」

 「ほんとか?」

 「ほんとだって」

 顔には出してないつもりだったけど、やっぱり出てたのかな。病み上がりだというのに他人の心配をするエドに笑顔でやり過ごす私。

 「ちょっと考え事をしてただけだから心配ないよ」

 「それなら良いけどさ」

 「エドってほんと心配性だよね」

 「ソフィーが危なっかしいだけだ」

 「はいはい。薬局に戻るけど、今日も休む?」

 「あとから行くよ。二日も休むとアリサさんにも悪いだろ」

 「それもそっか」

 「ん? なんだよ」

 「なんでもないよ。それじゃ、薬局で待ってるね」

 昨日サボった分もしっかり働いてもらうからね。と、そんなことは口に出さず、私はエドの家を後にします。薬局までは歩いて20分ほど。薬局があるのは集落から少し離れた場所だからどうしても利便性には欠けるよね。

 「風は冷たいけど、いい天気だねぇ」

 先週までの雪模様から一転、今週は澄んだ青空が続いてるけど風はやっぱり冷たい。

 「うーん。この寒さは病み上がりには酷かな」

 やっぱりエドには今日まで休んでもらった方が良かったかな。ウチに来るまでにまた風邪をひかないか心配になってきた。その時はまたしっかり看病してあげるか。

 昨日はエドの知らない部分を知って少し気持ちがナーバスになったけど、私たちはいまの関係がちょうど良いんだと思います。変に気を使うことなく、好き放題言い合えるいまの関係性が私たちにはお似合いみたいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ