表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(なろう版)新米薬師の診療録  作者: 織姫みかん
Karte22:これは私の義務だから
104/118

秘密の診療②

 薬局に戻ったのは日が完全に落ちた夜のことでした。

 なんとかその日のうちに戻ることが出来ましたが、店に戻った私を出迎えたエドは明らかに不機嫌でした。理由は分かります。

 「ごめんなさい」

 遅くまで一人店に残って私の帰りを待ってくれていたエドに心の底から謝罪しました。

 「エドは私を心配して止めてくれたのに、ごめんなさい」

 「止めたところで行ってただろ。なら謝んな」

 「……うん」

 本気で怒ってる。お店に戻ってから一度も顔を合わせてくれないエドはずっと窓の外を見ています。こんなに怒ってるエドを見るのは初めてです。薬師として間違ったことはしていない。その自負はあります。でも往診に行くべきではなかったのではと自責の念に苦しんでしまいます。

 「あーもう、そんな顔するなよ」

 「エド?」

 「もう怒ってねぇから。本気で行かせたくないなら羽交い絞めにしても行かせてねぇよ」

 「なによそれ」

 「ソフィー。俺は薬師としてのおまえは誰にも負けないと思ってる」

 「え、いきなりどうしたの」

 ようやく私の顔を見てくれたかと思えばすごく真面目な顔をするエド。緊張を通り越して照れてしまいそうになります。

 「薬師としてのおまえはすごいと思う。尊敬する。けどさ、おまえになにかあったらルークさんに顔向け出来ねぇだろ」

 「……うん。ごめん」

 「それでどうだったんだよ。治ったのか」

 「もうちょっと遅かったら手遅れになってたかも。でも大丈夫」

 出来ることはやってきたと伝えるとようやくエドの表情が柔らかくなりました。私のよく知る、大好きなエドに戻りました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ