『エリー』
ゴールデンウィーク中は毎日投稿頑張りますが終わったら週3程度になると思います。
ふっ...現在俺、夢追勝もといアンドは危機に瀕している。門番に止められたのだ。勿論門番に止められることは予期していた。自分が門をくぐろうとすると止められるのは異世界転生あるあるだからな。予期していたのならシンティアさんについて行けばよかった。今、後悔をしている。何故なら今...門番に槍を向けられてるんだよね。
「その様な格好で、フェアリーに何様だ!」
そう。俺はフォレストグリズリーに殴られた時に服がもげていたらしいのだ。大事な所は隠せているし、地球なら民族衣装だとか言えば通じると思う。だがここは異世界だ。その様な民族が存在するかも分からない。
「ええと、そうですね...」
ダメだ頭が上手く回らない!俺は元々口論とか...そもそも喋るのが苦手なんだよ!
「何も言えないと...落ち着くまで牢屋にでも入れておくか。」
まずい。門番さんが話終わらせようとしちゃってるよ。うそ!異世界転生ってこんなに夢がないものなの?
「待って!ルビルドさん!その男の人とお話がしたいの。」
そこに現れたのが赤髪で綺麗な赤い目をした、猫耳の女の子だった容姿端麗だがまだ幼さが残っている。推定は...Aカップだ。まぁ気にすることではない。ん?猫耳...!猫耳だと!俺が異世界に来た理由の一つ、猫耳様だ!
眼福眼福...
「ねぇ!ちょっと!聞いてるの?」
おっと。思考に没頭していたぜ。前もこんなことがあったような...気のせいかな。
「し、失礼しました。僕とお話をしたいと言っていましたが、どの様なご要件でしょうか。」
デートのお誘いか?そうだろう!フッフッフッモテる男は違うぜ。
「貴方さっき、シンティアさんと一緒に森から出てきたわね?」
「は、はい。そうですが。シンティアさんは僕の命を救ってくれた恩人です。」
「なるほどね。門番さん、この人通して良いわよ。」
「し、しかし...危険では?このような見ず知らずの男を入国させるなど。」
どうかんだな。この子がどのような立場なのかも分からないが、俺のような怪しいヤツは牢屋にでも放り込んでおくのが安牌だろう。ん?いや、自虐してどうするんだ。
「シンティアさんが護衛してこの国に入れようとしたのよ?怪しいわけがないじゃない。」
「それも...そうですね。」
沈黙は門番としての決断を下すための時間だろう。シンティアパワーすげー。
「通っていいぞ。すまなかったな。最近人間に擬態した魔物が出ると噂があって警備が厳重になっているんだ。」
「いえいえ、こちらこそ怪しい格好をしていてすみません。」
そう俺が言うと、門番さんは苦笑いをした。
「感謝しなさいよね。あと...シンティアさんの話、後で聞かせてもらうから。」
「先程はありがとうございました。お名前をお聞きしても?」
「エリー・ブラウンよ。」
この世界に来て初の苗字だ。やはりお偉いさんの娘なのだろう。
こうして俺は思わぬ所で可愛い獣人に会うという目的を達成したのであった。
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