手紙
小春へ
小春、あの時はごめんね。
龍馬が、光に包まれて消えていく小春をピストルで撃った時には、本当にキレたよ。
龍馬があんな酷い事をする奴だとは、思いもしなかったから。
小春、私は長生きしたでしょ?小春の言うとおり、龍馬は死んじゃったけど。
私は、これから何があろうと生きてやるから。
私の事、探してね?
それから小春、あんたは自分のせいで人が不幸になるとか悩んでいたね?
小春、人はね自分の両手の平にすくう水の量だけ、幸せになれるんだよ。
水をすくう動作は、自分の努力。
それによって、すくえた水が幸せ。
でも、水はずっと自分の手の平には留まらない。
指の間から、こぼれ落ちる。
だから、人は努力してまた、幸せを得るの。
子どもの内は、親が一緒にすくってやるの。
もし、自分ですくう事が難しい人がいたら、その人がすくえるように支えてあげるの。
だから、自分のせいで人を不幸にするなんて思わないで。
小春は、まず自分自身が幸せになるのよ?
だから、幸せになる為に、私達と出会ったんでしょ?
この世に、偶然なんかないの。
全てが必然。
あなたが生まれてきたのも。
バレエという踊りを練習し、頑張ってきたことも。
小さい頃、辛い経験をした事も。
全てはあなたがこの先、幸せを得るために必要な事だったのよ。
小春、色々書いたけど忘れて。
これだけ、伝えたかったの。
小春、この世界に生まれて来てくれてありがとう。
大好きだよ。
おりょう