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11/21

幕末バレリーナ

鳥のさえずり、川の流れる音、森の葉が風で触れ合う音・・・

小春は、それらの音を聞きながら目を覚ました。



幕末の世界に来て、何日目の朝だろう・・・

私はすっかり、幕末でバレリーナになっていた。

踊りはまだまだ下手だし、音楽も無いけど・・・


龍馬さん達の前では、バレリーナになれた。



あの日、舞ちゃんから貰ったレオタードを着て、おりょうさんに見てもらうと凄く綺麗だと褒められた。


これなら、龍馬さんに見せてもOKらしく、庭で少し私の踊りを見てもらった。


それから、毎日お昼過ぎから龍馬さん達が縁側で見守る中、狭い庭を舞台に公演を行った。


お代は、甘いお菓子♪

そして、二人からの「可愛い♡」「凄いなぁ!」という言葉だった。


私は、人生で1番幸せだった。

たとえ、夢の中の世界だとしても。

たとえ、死後の世界だとしても。


自分の踊りを見て、笑顔になってもらえたのは龍馬さん達が初めてだったから。

お母さん、おばあちゃんにも見てほしかったなぁ。


お父さんにも・・・

結局、お父さんにも見てもらえなかった。

それでも、感謝してるんだ。お父さんにとっては、見るのも辛いバレエを、私に習わせてくれたんだから。



でも、龍馬さん達みたいな両親だったら私も・・・



小春はガバッと身体を起こし、頬を両手でパンパンっと叩いた。


ダメダメ!夢の中で、夢みたいな事考えるな!!


小春は目をぎゅっと瞑りながら、頭を左右に振った。


「小春ー、まぁた変な事してる~」


おりょうさんが、ニヤニヤしながら襖を少し開けて入って来た。


「もー!おりょうさん、びっくりしたじゃないですかぁ!」


小春が布団を、ポンポン叩きながら怒っていると、おりょうが優しく小春の髪の毛を撫でながら言った。


「小春、今日は山登りするからね?早く支度して、行くよ♪」


「や、や、山登りぃ?」


い、嫌な予感しかしないよぉ・・・

もー、あんなキツいのやだよーーーーーーっ!!

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