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4話 魔物
ああ、沈んでいる。
チーンと乾いた音が聞こえた。
少しずつ白い場所につくタイミングがわかってきたのだが、はっきりしない。
なにかわかりやすい目印があればいいなあと思っていた。
そうして思っていたら、到着するときにこの
チーン
という音が聞こえるようになったのだ。
少しぼーっとしていても気が付くので、とてもありがたい音だ。
好きになれる音ではないけれど。
そしてこの白い場所もどんどん広くなってきた。
まず白いとどこが地面でどこが空かわからないので、空には青、
地面には茶色をつけるようにした。
僕はミルクを飲みながら考えていた。
それは最近ここでは魔物が出るのだ。
魔物は僕の何倍もでかく、大きな声で叫ぶ。
僕は魔物がとても怖いので、魔物がこないように、柵をつくることにした。
柵の高さはできるだけ高くしよう。
この空てっぺんにのぼるほどの高さに。