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予感  作者: いくら軍艦
日常
9/41

009.手を振る女

「手、振ってんな、あの女の人。」

「あ?よく見えるな。」


二人の会話でふと前を見ると、そこには手を振る女性がいた。


「振っとこうぜ」

悪ノリをいつもする吉田は、その女性に手を振った。なぜか、俺も振っていた。


「お、おい、やめろよ。」


そう言って手も振らずに俺たちの背中を引っ張って誘導する。


「なんだよたけちゃん、つれねーな。」


そんな会話をした次の日だった。


ピリリリと鳴るスマホをとり、吉田からの電話に応える。財布かなんか落としたか?


「あのな、落ち着いて聞けよ、たけちゃんが昨日死んだそうだ。」


009.手を振る女


は?


「冗談じゃねぇからな。」


でもなんで?別れた後になんかあったのか?


「お、おい、聞けよ。」

「なんだよ」

「なんかな、女がなこっち向いてな手、振ってんだけど。」


「お前昨日振り返した人なんじゃないのか?」


「そんな人いたっけな?」


さすがに酔いすぎだと思った。


「じゃあまた、葬式の日、また教えるから。」


たけちゃんなんかあったのかな。




今日は休日でやることないなー。適当にSNS見てるか。


ん?


[速報] 男性が謎の死を迎える。


なんだこれ、っていうか!これ、吉田じゃねーか!


「意味わかんねぇ」


そう言ってスマホを壁に投げつけた。


むしゃくしゃした今の気持ち。気分転換に空気の入れ替えをしよう。


窓に手をかける。2回の窓から見えたのは、いつもの風景と、歩く人々、そして



手を振る女。



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