031.目が合う女性
マンションに住んでいるのだが、最近気になることがある。
それは、よく向かいの人とよく目が合うことだ。
031.目が合う女性
ずっと相手はベランダに立ってこっちを見てくる。一度と思った通報しようと思ったこともあるけど、相手は何もしてこないからいいと思った。
だが今日、あの人の姿を見てない。これは少しおかしいなと思ったけれど、きっと何か用事があるんだと思い、あまり気にはしていなかった。
少し経ち、買い物に行こうと外に出たら、マンションの敷地外にあの目が合う女性が立っているのだ。しかも、またもや目が合う。
これは少しまずいと思い、家の中にあるスマホを取りに行く。だがここでまたある思いが頭に浮かぶ。もしこれで相手は何も思ってなく、こっちの勘違いだとしたら。恥ずかしいうえに、相手に迷惑がかかる。
もう少し様子を見よう。
俺は外に出て、目が合う女性を探す。
女性はもう、敷地の中に入っていた。そして、目が合う。
俺は間違いでもいいから警察に電話をかけることにした。
家に飛び込み、電話のコールを聞く。
ぎぃ
ドアが開く。
俺はびっくりして、電話をぶん投げてしまう。
目が合う女性が中に入ってくる。
「これ、落としませんでしたか?」
女性はパスケースを目の前に出した。
「あぁ、え?」
俺は情けない声を出す。
本当によかった。やばいことじゃなくて。
「次のニュースです。落とし物を拾ったと装い男性を殺害。」




