030.そこに人がいます。
テスト開始!
一斉に生徒は裏だったテストをめくり、表にしていく。三年間の集大成の最後のテスト。よい点数が取れるように、今日までいくら勉強したことか。
030.そこに人がいます。
初日の一時間目から数学というのは腑に落ちないが、勉強のおかげでスラスラと解ける。
基本の問題を解いていき、少し難しい問題に差し掛かる。その時だ。
コツコツコツ
誰かが階段を上がって来るのがわかった。自分のクラスは、階段に一番近いクラスだから、少し覗けば、誰が上がって来るのかがわかる。
少しの興味本意でドアの奥を覗こうとした。
ガタッ。びっくりした。思わず自分の椅子を動かしてしまった。
ドアのところに黒いフードを被った男性がこちらを見て立っているのだ。しかも包丁を持っている。
こちらをニコニコしながら見ている。
どうしよう。そうだ。先生に報告しよう。
自分は手を挙げ、先生に気づいてもらう。
気づいた先生はこちらに向かってくる。
「どうしたんだ?」優しく聞いてきた。
僕はドアの方を指差し「そこに人がいます。」といった。
すると先生は「誰もいないじゃないか。」と言い去っていってしまった。
そこにいるのに!なんで?!
すると黒いフードを被った男性は顔をしかめ、こちらに向かって来る。教室の中に入ってきても誰も何も言わない。
気づいてないのだ。
黒いフードを被った男性はこちらに向かって
「集中しようよ。」
そういって包丁でトスッ。と軽く刺した。




