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お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?  作者: 夕立悠理
お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね?

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林間学校

 「おっ、今日も朝ごはんが豪勢だな」

お父さんが嬉しそうに笑う。

「うん、今日から二学期だからね。気合いを入れてみたの。味はどう?」

お父さんは、美味いよ、といってくれたので、よし。今日から二学期だ。頑張るぞ。


 「朱里、おはよう」

「おはよう、彩月ちゃん」

彩月ちゃんは、夏休みを満喫したようで、肌が少し焼けていた。

「どう、朱里。小鳥遊先輩をどきどきさせられた?」

「うーん、どちらかというと、私の方がどきどきさせられてた」

振り返っても夏休みは、というか、いつも、私の方がどきどきさせられてる。


 そういうと、彩月ちゃんは、朱里たちらしいね、と笑った。


 教室に入ると、亮くんが話しかけてきた。

「朱里ちゃん、俺たちの班に入らない?」

そういえば、二学期に入って早々、林間学校があるんだった。

「いいの?」

「小鳥遊さんなら大歓迎だよ」

と、班の男の子や女の子も頷いてくれたので

ありがたく、いれさせてもらう。


 二年生は、林間学校でお化け役もするんだよね。よーし、すっごく怖いお化けになってお兄ちゃんをどきどきさせるぞ。





 林間学校は、すぐにやってきた。お昼御飯はんは、もちろんカレーだ。二回目となるとみんな手慣れたもので、カレーはとっても美味しくできた。食べ終わった食器を片付ける。その後は、オリエンテーリングをして、宿舎で夜ご飯を食べたあと、肝試しの時間だ。


 お化けの担当エリアは班ごとに決まっているので、決められたエリアで、人が通りかかるのを待つ。

「うーらーめーしーやー」

早速、一組目のグループだ。スマホでおどろおどろしい音楽を流しながら、妖怪のお面をかぶってでていく。


 「これは、ずいぶん可愛い妖怪さんだね」

聞きなれた声にん? とおもって、お面をはずすと、お兄ちゃんと冴木先輩が笑っていた。どうやら、お兄ちゃんと冴木先輩はペアになったみたいだ。ペアはくじ引きで決めるのに、よっぽど二人は強い縁で結ばれてるんだな。そんなことを考えていると、お兄ちゃんが、私を抱き抱えた。


 「お、おおお、お兄ちゃん!?」

「残念だけど、優。妖怪は持ち帰り禁止なんだ」

冴木先輩が冷静につっこんでくれたお陰で、お兄ちゃんは私を下ろしてくれた。

「そうなんだ。残念だな」


 心底残念そうにいうお兄ちゃんにときめきかけて、いやいやいや、と首を振る。そんなことをしている場合じゃなかった。


 「次は、大きな看板を左に曲がってくださいね」

お化け役は、道案内もかねている。しっかり、仕事は果たさないとね。

「わかったよ。じゃあ朱里、また、明日。おやすみ」

「おやすみ、朱里ちゃん」

「おやすみなさい、お兄ちゃん、冴木先輩」



 二人を見送ると、また、新たなペアがやって来たので、脅かしてみる。

「うーらーめーしーやー」

「うわああぁ!」

今度は成功みたいだ。よかった。


 そんな感じで脅かし役を続けて、最後のペアだ。

「うわぁ! びっくりした」


私が脅かすと、なぜか、私に抱きつかれた。

「!?」

私は今妖怪なのに抱きつくなんて、おかしいぞ、と思ってお面をはずすと、鈴木くんだった。


 「あっ、小鳥遊先輩だ! ラッキー」

どうやら、鈴木くんは私と知らずに抱きついたらしい。え、でもなんで? と上を見上げると、大きなクモが木からたれていた。


 声にならない悲鳴をあげる。私、クモ本当に無理なんだよね。なんとか、鈴木くんたちに道案内をして、私も宿舎に戻る。


 その後は、同じ部屋の子と、トランプや人生ゲームをして過ごした。最後のクモには驚いたけれど、いい思い出ができた。

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます!

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