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お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?  作者: 夕立悠理
お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?

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体育祭

翌日の帰り道。あの雨の日以来、亮くんとは、用事がなかったり、タイミングが合えば、一緒に帰ることにしている。

「そっか。朱里ちゃん、片付けで踊れないのか」

残念そうな亮くんに申し訳なく思う。

「うん、ごめんね。でも、その分みんなが楽しめるような体育祭にできるように、頑張るから」


 「期待してるね」

「うん!」


 体育祭は、全クラス対抗戦だ。競技自体は、もう決まっていて、徒競走、障害物競争、借り物競争、玉入れ、棒倒し、二人三脚、騎馬戦、そして、トリはスウェーデンリレーだ。


 私たちのクラスは、熱心な人たちが多く、打倒三年生をスローガンにかかげており、放課後スウェーデンリレーにでる人たちで練習している日もある。


 そういう亮くんも、足が早いので、スウェーデンリレーにでる予定だった。ちなみに、スポーツ万能なお兄ちゃんもでるんだよね。お兄ちゃんも亮くんもアンカーなので、今から楽しみだ。


 「あっ、そういえば!」

「どうしたの、朱里ちゃん?」

ごそごそと、鞄の中を漁る。よかった、割れてない。


 「これ、遅くなっちゃったけど、この前勉強を教えてくれたお礼。亮くんのおかげで、無事赤点を回避できたよ! 手作りだから、味は保証しないけど……」

お菓子作りは、回数をこなしてるほうだし、一応自分で食べて、それなりに美味しかったし、お腹を壊したりはしなかったので、大丈夫な、はず。


 そう思いながら、亮くんに、クッキーの入った袋を差し出すと、亮くんは嬉しそうに笑って受け取ってくれた。

「お礼なんていいのに。でも、嬉しいよ、ありがとう。家に帰ったら、有り難く頂くね」


 そういえば、お兄ちゃんと彩月ちゃん以外の人に手作りのお菓子あげるの初めてかも。そう思うと、ちょっと照れるな。


 その後の帰り道も、他愛ない話をしながら、家に帰った。





 さて、いよいよ体育祭当日。てるてる坊主をいっぱい作った甲斐あってか、無事晴天で当日を迎えることができた。


 運動が苦手な私が出るのは、玉入れと棒倒しだ。


 玉入れと棒倒しは、午後の部なので、午前の部の競技の等旗などを運んだり、スタートを告げるピストルを鳴らしたり、仕事をしているうちに午前の部は終わった。


 「んー、運動の後のお弁当は最高ね」

徒競走と、騎馬戦にでた彩月ちゃんは、美味しそうにお弁当を頬張っている。

「お疲れ様、彩月ちゃん」

「朱里も午後の部頑張ってね! 確か、棒倒しは結構激しいって聞いたけど……」


 えっ、そうなの!? 何となく、走らずにすむ競技ならそんなに皆の足を引っ張らないんじゃないかと思って選んだんだけど、失敗だったかな。


 私が、よっぽど心配そうな顔をしていたのか、彩月ちゃんが慌ててフォローする。

「だ、大丈夫だって! ……たぶん」





 結論としては、大丈夫じゃなかった。もみくちゃになった私は、特に活躍することもなく棒倒しは終わってしまった。知らなかった、棒倒しがあんなに激しい競技だったなんて! 来年は、絶対選ばないようにしよう。そう心に誓って、玉入れを頑張る。


 棒倒しと違って、玉入れはかなり平和だった。時々、それた玉が私の頭に直撃することは、あったけれど、棒倒しと比べれば、こんなの全然へっちゃらだ。


 玉入れでは、それなりにクラスに貢献することができ、私たちのクラスは玉入れで一番を取ることができた。






 「がんばれー!」

大きな声援をみんな、送っている。いよいよ、体育祭ラストのスウェーデンリレーだ。



 もうそろそろアンカーにバトンが渡る。現時点でのトップは練習の成果もあってか、私たちのクラスだけれど、お兄ちゃんのクラスも流石二年生で、二位についている。


 ん? お兄ちゃんと、亮くんが何か話してる? でも、何を話しているかまでは、距離が遠すぎて聞こえない。現在トップ争いをしているから、お互い頑張ろう、とかかな。


 そう思っているうちに、お兄ちゃんと亮くんにバトンがわたった。


 「きゃー! 小鳥遊先輩がんばって!」

「小鳥遊くーん、かんばれー」

お兄ちゃんと愛梨ちゃんが付き合い始めたことは、それなりに広まっているものの、依然お兄ちゃんの女子人気は高いみたいだ。黄色い歓声が色んなクラスからわいている。


 「亮、負けんなよ!」

「田中、かんばれー!」


 私たちのクラスも負けじと声援を送る。私たちの学校のトラックは一周二百メートルなので、アンカーは二周走ることになる。


 一周目。日々野球部で鍛えているからか、亮くんのほうが早い。と思っていると、お兄ちゃんが追い上げてきて、亮くんと並んだ。


 「いけー、亮、一年の本気を見せてやれ!」


 一周目の後半、お兄ちゃんがリードしてきた。けれど、亮くんも負けてない。二周目に入ると、すぐに、お兄ちゃんに追い付いて、お兄ちゃんを抜かした。


 二周目の半周、お兄ちゃんと亮くんが並んだ。そして、二人は並んだままゴールに向かう。


 どっちが勝つんだろう。


 ドキドキして、見ていられなくて目を閉じる。



 結果は──。








 さて、スウェーデンリレーが終われば、結果発表と、フォークダンスだ。結果は、私たちのクラスの総合点は、全クラス中、三位だった。一位のクラスである三年二組との得点差は十点で、惜しかったけれど、皆、精一杯頑張ったし、楽しかったからいいよね。


 皆が、それぞれの想いを抱えながらフォークダンスを踊っているのを尻目に、競技で使った道具を用具用テントから倉庫へと片付ける。


 途中、愛梨ちゃんが、倉庫の中のボールを大量に転がしてしまうハプニングもあったけれど、何とかそこまで暗くなる前に、片付けを終えることができた。


 でも、当然フォークダンスの曲は終わってしまっているので、残念だ。


 そのまま、家に帰ろうとして、生徒会室に忘れ物をしていることに気づいたので、生徒会室に寄る。


 フォークダンスの曲を口ずさみながら、生徒会室にいくと、お兄ちゃんがいた。


 「……お兄ちゃん?」

「朱里?」

どうやらお兄ちゃんは、フォークダンスの音源のCDを生徒会室に戻しに来ていたらしかった。


 口ずさんでいたのが聞こえたのか、お兄ちゃんは笑って、曲を流そうか? と聞いてきたので、慌てて否定する。


 「それよりも、お兄ちゃん、リレーお疲れ様。一位おめでとう」

「ありがとう。あんなに本気で走ったのは久しぶりだから、疲れたよ。でも、絶対に負けたくなかったから」

「そっか」

 お兄ちゃんがそこまで競争心をだすなんて珍しい。お兄ちゃん、スポーツ万能だけど、あんまり熱くなったりしないんだよね。


 まあ、でも、今日は体育祭だし。そういう日もあるよね。


 それにしても、体育祭、楽しかったなぁ。

なんて、余韻に浸っていると、すぐに期末テストが来てしまう。次は、期末テストに向けて、頑張るぞ。

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