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お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?  作者: 夕立悠理
お兄ちゃんは、ヒロイン様のモノ!!……だよね?

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図書館

駅につくと、亮くんはすでに待っていた。

「ごめんね、亮くん。遅くなっちゃった」

「ううん、全然待ってないよ」


 あっ、何だか今の彼氏と彼女っぽいなぁ、と思っていると、亮くんは私の服装を誉めてくれた。


 「そのワンピース似合ってるよ」

「ありがとう。亮くんもかっこいいね」

普段学校で会うことが多いから、私服は新鮮だ。


 「じゃあ、行こうか」

「うん!」


 

 

 図書館で勉強する初めのうちは、お互い緊張していてあまり身に付かなかったけれど、時間が経つうちに、徐々に緊張もほぐれ、勉強に身が入るようになった。


 「物理は、まず、力を全部書き出して、それから──」


 亮くんは、私が基礎的な問題を尋ねても、嫌な顔ひとつせず、優しく教えてくれた。


 「亮くん、本当に勉強が得意なんだね。将来の夢とか、あるの?」

ふと、疑問に思って尋ねると、亮くんは少しだけ照れ臭そうに目を伏せた。

「今のところは、医者になりたい、って思ってる」

「お医者さんかぁ。亮くん、説明が上手だから、きっといいお医者さんになるね」


 患者さんの不安を和らげる、素敵なお医者さんになるだろう。


 「小鳥遊さんは? 何かなりたいものある?」

「うーん」

それこそ、中学の時までは、お兄ちゃんのお嫁さん! とか本気で考えてたんだよね。でも、今は違うし。考えてみたけれど、ぱっ、と思い付かなかった。


 「特には、ないかな」

「じゃあ、これから夢を探す楽しみがあるね」

「そうだといいなぁ」


 私も高校を卒業するまでに亮くんみたいに、夢を見つけられるかな。そういえば、お兄ちゃんにも、夢ってあるんだろうか。帰ったら、聞いてみよう。


 その後は、お昼休憩を挟んだ後、雑談もすることなく、勉強に集中しているうちに、一日が終わった。


 「小鳥遊さん、一日お疲れ様」

「亮くんも、お疲れ様。いっぱい教えてくれて、ありがとう。おかげで、テスト何とか乗りきれそうな気がする」

「それなら、良かった」


 亮くんと電車の中でお話していたら、もう最寄り駅だ。電車を降りて、それから。


 「あのね、亮くん。ずっと、思ってたんだけど」

「ん?」

「私のこと名前で呼んでくれないかな。あの、その、ほら、私たちつ、付き合ってるんだし」


 私がそう言うと、亮くんは照れたように、耳を赤くした。

「……わかった。ええと、朱里ちゃん」


 それから、亮くんは照れた空気を誤魔化すように咳払いをした。


 「もう暗いし、家まで送っていこうか?」

せっかくだから、お願いしようかな。そしたら、もう少しお話しできるし。そう思ったとき、強く手を引っ張られた。


 「──その必要はないよ。朱里は僕と帰るから」


 「お、お兄ちゃん!?」

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