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白いチロと赤いマフラー

作者: 紫李鳥
掲載日:2019/04/14


ぼくは野良犬、白い犬。


名前はあったけど、…忘れちゃった。


あのころは幸せだった。


暖かかった。


でも、ちっちゃかったからよく覚えてないんだ。









ぼくは今、一匹ぼっち…


寒い冬を、人ん家の床下やビルの隙間で寝てるんだ。








そんなある日。








ぼくが、だれもいない公園の滑り台の下で震えていると、赤いマフラーをした女の子が話しかけてきたんだ。





「わー、かわいいワンちゃん」


そう言って、ぼくの頭を撫でたんだ。


ぼくはすごく嬉しかった。


だって、ぼくは汚れてたから、触ってくれる人なんていなかった。


「わたしのおうちにくる?」


そう言って、女の子はぼくを抱っこしてくれたんだ。


嬉しかった。


暖かかった。


「ふるえてるわ。マフラーまいてあげるね、チロ」


女の子はぼくのことをチロって呼んだんだ。


それで、ぼくの名前はチロになった。







女の子からもらった、赤いマフラー。


嬉しかった。


暖かかった。










それからのぼくは、とても幸せだった。


女の子のパパやママも優しかったしね。








だけど、幸せは続かなかった。








女の子が突然、…天国に行っちゃったんだ。


生まれたときからずっと病気だったんだって…。


ぼくはそんなことも知らないで、いつも甘えてばかりいた。






ぼくは哀しくて、やりきれなかった。


だからまた、放浪の旅に出たんだ。


女の子にもらった赤いマフラーをして。


だから、北風が吹いても寒くなんかなかった。








あの町、この町、さ迷い歩いた。







けど、雪が降るころになって、不思議なことが起こったんだ。


どこの町に行っても、みんなが優しくしてくれるんだ。


ぼくは嬉しかった。


それに、寂しそうにしている子がいてもぼくが行くと、明るく笑って、元気になるんだ。


だからぼくは、いろんな町に行って、みんなに元気をあげたんだ。








今日もまた、知らない町にやって来たとこ。


雪が降っていた…


そしたら、だれかがぼくのことを、こう呼んだんだ。












犬のサンタさ~ん!














        おわり

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