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多分5万年くらい前のスンダランドに転移してしまったが結構大変な件  作者: 水源


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サピエンスが子供が作れるように食糧事情などを改善しないとな、鶏の原種であるセキショクヤケイの餌付けを進めよう

 さて、子供が欲しいというサピエンスの女性の希望を叶えてやりたいのは確かなのだが、そもそもホモ・サピエンスという動物は他の動物に比べると発情期がない代わりに性行為を行っても妊娠をする確率というのには異常に低いらしい。


 具体的に言えば生理による排卵は一ヶ月に一度だが、その時に無事に出産にたどり着ける卵子である確率は20%から25%程度、つまりは排卵しても、実際に出産に結びつくのは年に2回か3回しかないのだ。


 ネズミなどは100%妊娠するしゴリラやチンパンジーは75%程度の確率で妊娠するのを考えればこれはかなり低い。


 だから実際には妊娠はしていても自然流産してしまっている可能性も高いわけだな。


 これはトバカタストロフでホモ・サピエンスが相当数減ってしまったことも関係あるんじゃないかとは思うが詳しい理由はわからんな。


 一応21世紀のデータでは子作りを毎日続ければ半年で80%、一年で90%はデータ的には出産が可能とされて、栄養状態が良好で近親相姦を繰り返したりして遺伝子に異常があったりしなければ100組の夫婦が妊娠を望んで通常の子作りを行った場合確率的には95組は2年以内に妊娠出産できるらしい。


 逆に言えば栄養などに問題がなくても100組の中で5組は2年では出産できないというわけだが。


「とりあえず男は牡蠣を女はバナナなんかのフルーツを多めに食うようにしようか」


 サピエンスたちは頷く。


「分かりました」


「そうすれば私にも子供ができるのですか?」


 俺は曖昧に笑いながら答える。


「可能性としては子供ができる可能性は高くなるはずだ」


 サピエンスの男女は顔を見合わせている。


「ではそうしましょう」


「神様の言うとおりにすれば安心です」


 そして俺の伴侶のサピエンス女性もすがるような目で見てきた。


「フルーツをたくさん食べるそうすれば子供ができるのですよね」


「ああ、そうだ、後あんまり深く悩むと子供ができにくくなるからあんまり気にしすぎないほうがいいぞ」


「はい、わかりました」


 うん、俺は神様でも神様の使いでもないけどな。


 閑話休題、牡蠣には亜鉛が豊富だが亜鉛は精子の製造に大きく関わってるらしい。


 そしてフルーツには葉酸が多く含まれていて葉酸は細胞の合成を正常化させるのに大事らしい。


 これらが不足すれば当然妊娠もしづらくなるし流産もしやすくなるはずだ。


 レバーには多く含まれてるようだがそういったものを食えるのはわずかだろう。


 更には精神的なストレスも不妊に関わってくるらしい。


「ああ、それからこんどからなるべくバナナなんかの種は捨てないようにしてくれ」


「わかりました」


 鶏の先祖はスンダランドにいるセキショクヤケイと呼ばれるあまり飛ぶのが上手ではない雉の一種のはずだがセキショクヤケイは結構臆病で、日中は林の中で昆虫やフルーツやフルーツの種を食べ、夜は木にある巣で寝るという生活をしている。


「洞窟の近くに来るように種や砕いた魚の骨や貝殻を洞窟の近くの林に蒔いておこう」


 フローレス人達は両手を上げて頷く。


「わかったー」


「わかったー」


 サピエンスもよくわかってないようだが頷く。


「わかりました」


「そうしてみます」


 そうして牡蠣や魚やフルーツをたっぷり食べフルーツの種や砕いた骨や貝殻をセキショクヤケイをおびき寄せる餌にし、なるべくこまめに海に入って男女の陰部の消毒をして、糞尿は木の根の近くに穴をほって埋め、その後は海に入ってきれいにするようにするなどを全員で進めてみた。


 そしてある日いつものように林に種をまきに行ったらセキショクヤケイがバナナの種をついばんでいた。


「お、種を食いに来たな」


「きたー」


「きたー」


 フローレス人が喜びの声を上げると臆病なセキショクヤケイは森の奥に逃げていってしまった。


「ま、最初はこんなもんか」


「にげたー」


「にげたー」


 何をしても楽しそうなフローレス人はおいておいて、もちろん逃げ出したセキショクヤケイを人間が走って追いかけて捕まえるのは難しい。


 なので気長に餌付けしてなれるのをまとう。


 そして一ヶ月二ヶ月半年と時間が経つうちに一組のカップルに子供ができた。


 生理が来なくなってつわりが始まったのだ。


「まだ無事出産にたどり着けるかわからないが子供ができたのは喜ばしいことだな」


 サピエンスの女が嬉し泣きをしている。


「はい、本当に有難うございます。

 私にも子供ができるなんて」


 彼女たちが子供ができないと言う理由で追い出されたのが栄養不足や精神的ストレス、性行為の回数の少なさや不潔な陰部の状態などにあったのならそれを改善すれば子供もできるようになったのだろう。


 とは言えまだ一組しか子供ができないという状況なので他の女たちは不安そうだが。


「大丈夫だ、みんなの子供ができるには一年位はかかる場合もあるはずだからな。

 今までできなかったからと言って焦ることはないぞ」


 ホッとしたように女がいう。


「そうなのですか?」


「ああ、そうだ、焦る必要はないんだよ」


 論女性に不任の原因がある場合もあるから絶対とは言えないがな。


 男の側の原因もありうるから子供ができない場合は相手を変えてみたほうがいいのかもしれないけど。

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