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多分5万年くらい前のスンダランドに転移してしまったが結構大変な件  作者: 水源


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20/52

あんまり難しいことを考えずのんびり生きるのも良いことだ、森林火災が起こったのでその焼け跡で芋やバナナを栽培してみよう

 さて、フローレス人、サピエンスとともに男は腰に巻きつけた縄にバナナの葉っぱを結びつけて腰回りを隠したし、女はさらに乳房の上に縄を巻きつけて乳房などを隠させた。


 衣服というのは大雑把すぎるがニューギニアなどの原住民はたしかこんな感じの衣服だったはずだ。


 この地方では毛皮だと暑すぎるので通気性とかも考えればこれくらいがちょうどいいらしい。


 そしてココナッツファイバーの草履や草鞋は足を守るにはとても良い。


 いくらフローレス人やサピエンスが普段から裸足で足の裏の皮も厚いとは言え岩場を歩くのはやっぱ痛かったらしい。


「すまんな、もう少し早く思いつくべきだった」


 しかしながらサピエンスは首を横に振る。


「いえいえ、食べるものが先とのお考えであったのでしょう?

 ならば履物が後回しなのは当然でございます」


 ついでにいうとフローレス人にはイマイチ評判が悪い。


「じゃまー」


「じゃまー」


「そうか、むしろ邪魔か」


 俺は苦笑したが気持ちはわからんでもない。


 小さい子供って靴を履くの嫌がるよな。


 その後は草履の編み方を応用して手袋をココナッツファイバーの縄をつかって編んでみた。


 手袋というよりミトンという方が近い親指以外は一つの袋の中にひとまとめのものだが貝を焼くときに火の上に上げたり火からおろしたりするのがとても便利になった。


 今までは燃えにくい生木の枝を使って上げ下ろししていたのだがたまに貝をひっくり返すことも有ったからな。


 また芋を掘るときも素手で掘るよりも爪を割ったり石で手を切ったりすることがなくなった。


 土を掘り返すというのはシャベルのような道具がないととても大変なのだ。


 そんな時に比較的近くの森で森林火災が起こった。


 別に俺たちが何かしたわけではなく落雷による物であったようだが森の一部が焼けて広々とした空間ができていたのだ。


 そもそも人類が火を使うことを覚えたとしても暫くの間はこういった火災から火を取っていたらしい。


「ふむ、せっかくだから芋やバナナをここで育ててみるか」


 フローレス人達は無論賛成。


「そだてるー」


「そだてるー」


 サピエンスたちは首を傾げていた。


「育てるですか?」


 俺はうなずく。


「ああ、バナナや芋は割りと株分けが簡単だからな。

 焼けた土地は灰のおかげで育ちやすし」


 サピエンスたちは意味がよくわかっていないようだ。


「まあ、口でいうよりやったほうが早い。

 早速取り掛かろう」


 フローレス人達は石器のナイフや木の掘棒などを手に取る。


 堀棒は原始的な農具の一つ、よく土を掘ることができるように石器で削って先をとがらせた棒だ。


 土を浅く耕したり、種芋やバナナの吸芽を植える穴を掘るために用いるが、根っこを掘って食べるというのは原人の時から行われていたりする。


「かかろー」


「かかろー」


 サピエンスたちはオロオロしてる。


「お前さん達は最初はみているだけでいい。

 やり方がわかったら手伝ってくれ」


 サピエンスたちは頷いた。


「は、はい、分かりました」


 俺も石器のナイフや堀棒をもって洞窟を出る。


 以前やったようにバナナの木の横にたけのこのように突き出している吸芽をなるべく大きめに切り取る。


 そして俺はサピエンスに説明する。


「バナナはココを切り取って別の場所に植えれば育つんだ。

 なるべく根っこがいっぱい生えてるように切り取らないと駄目だけどな」


「なるほど、そうなのですか」


「それはよいですね」


 俺やフローレス人のみんなで堀棒で穴をほって切り取った吸芽植えて土を被せればあとは放置。


 半年から一年で実がなるようになるはず。


「あとは芋だな。

 こういった葉っぱのところを掘って芋の一部を取る。

 あとはヤムイモの葉の付け根にできる球芽もとって地面に巻けばいくつかは芋になるはずだ」


「なるほど、そうなのですね」


 サピエンスたちにはむかごを手でもぎ取らせている。


 フローレス人は芋があんまり好きでないので手伝ってくれない。


「お前達芋は嫌いか?」


「きらーい」


「きらーい」


 お前達は子供か!と思わなくもないがフルーツに比べれば味もないし美味しくないのは事実だしな。


 フローレス人達はバナナを埋め終わってるのでヤム芋やタロ芋を埋めるのはサピエンスに手伝ってもらう。


「半年もあればたくさん増えるはずだからそれまでは、バナナや貝を中心にしよう」


 サピエンスたちが頷く。


「はい、本当に有難うございます」


 東南アジアでのバナナや芋の焼畑農業は米や麦などの穀物の栽培よりずっと早くから行われていてスンダランドが沈んだ時に黒潮にのって日本にやってきた者が栽培に成功したものが里芋や山芋になったという。


 焼き畑がいつごろから始まっていたのかははっきりしないのだが、焼き畑という原始的農業は意外と古くから有ったのだ。


 焼畑は水田の灌漑のような特別な技術や農具がなくとも森林を耕地化できる唯一の方法で、木を焼くことで酸性の土地を中和し、バクテリアや害虫、雑草を死滅させることができる唯一の方法でもある。


 規模が大きくなれば森林が失われる原因でもあるのだが、水田などに比べれば環境への負担はむしろ小さいらしい。


 だから多少なら問題もないと思うのだ。

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