暇つぶしにハンモックをつくって使ってみようか
さて、俺がここに来て幾日かたった。
サバイバルと言うかワイルドライフというかという生活ではあるのだが、最低限の水分と食料の確保はできているし、熱帯であるため体温の心配はしなくていいのは助かる。
シェルターとなる洞窟はちゃんと雨風をしのげるのも良い。
家も衣服もないっていうのはなんだかなって思わなくもないけどな。
そして服は外出時以外では身につけるのはやめた。
石鹸もないし体温維持の意味で服を着ないといけないわけではないからな。
たまに洗濯しないとむしろいろいろやばい。
そして俺はのんびり横になってるがフローレス人達は足をバタバタさせながら俺の方をみている。
「ひまー」
「ひまー」
俺が食ってるものをフローレス人たちも食べるようになって、彼等の行動は結構活発なものになった。
本来の彼等はバナナやいちじくなどのフルーツなどを食べておとなしく過ごしていた事が多かったように思うのだが貝やナマコ・魚などのタンパク質や塩分を多く摂るようになって、その消化吸収に伴い腎臓での尿素排泄のために多くの水を必要とする用になったのかもしれないな。
後は単純に食いすぎなんだろう、本来は食わなくても済むように環境に適応して小さい体を維持していたのだろうけど、後は俺は彼等の栄養と好奇心を満たしているらしい。
「うーん、たまにはのんびりしたいんだが」
落ち葉ではなくココナッツファイバーを地面に敷くようになって寝心地も大分改善された。
まあ、トカゲやら虫やらが洞窟に入ってくるのはどうしょうもないけどその程度を気にしていたら生活はできないからな。
「ひまー!」
「ひまー!」
「うーむ、おとなしくしてられないらしいなぁ」
「ひまー」
「ひまー」
うむ、楽しいことを覚え体力が余ってるフローレス人は体が小さいことも相まって遊びをせがむ子供のようである。
「じゃあ、ハンモックでもつくってみるか」
俺の言葉にフローレス人達は首を傾げる。
「もっく?」
「もっく?」
「ああ、暇つぶしにはいいんじゃないかな。
まずはココナッツファイバーから長いロープを作るぞ。」
ココナッツファイバーを撚ってロープをまず作る。
フローレス人たちも楽しそうに作業をしている。
「それから自分が横になるのにちょうどよい程度の丈夫な木の棒を2本探す」
「さがすー」
「さがすー」
森の中を歩き回って適当に木の枝を探す。
みんな見つけたら洞窟に戻る。
「で、自分の背の高さくらいの間を枝と枝の間を空けてその間をロープで結ぶ」
俺は2m位必要だけど彼等は1mちょっとでいいんじゃないかな。
「むすぶー」
「むすぶー」
「で、あとはそこに網状にロープを結んでいく」
網目に結んでいけばその上に乗れるようになるからな。
「むすぶー」
「むすぶー」
「最後に外側にきに結ぶためのロープを結べば完成だ」
そういって俺は簡単なロープ式ハンモックを掲げてみせた。
「できたー」
「できたー」
フローレス人たちも楽しそうにできたハンモックを掲げている。
「じゃあ外に出て実際に使ってみようか」
「みよー」
「みよー」
俺達は洞窟を出て適当な木の幹にロープを結んでハンモックを間にかけ、そこに尻を乗せる。
「まずはこうやって」
そしてハンモックの上に全身を載せた。
ココナッツファイバーは意外と丈夫なので乗っても切れたりはしないのだ。
「こうやって横になれば結構快適だぞ」
俺の様子を見てフローレス人たちも真似してハンモックを木の幹の間に吊るしていく。
「やってみるー」
「やってみるー」
そしてみなハンモックの上にのって揺らしてみたり横になってみたりしている。
「おもろー」
「おもろー」
そしてハンモックに横になってるうちに軽く眠ってしまったようだ。
「ほんと子供みたいだな」
ま、ハンモックで寝るのは床に寝るのとはまた違った快適さがあるので、寝たくなるのはよくわかるけどな、俺もちょっと居眠りするか。




