マリンスノー 四人の女王と一人の優しい男のお話2
今年も冬が来た、いつもならうれしいはずなのに今回はそうではない去年の喧嘩別れが原因だと思う、有ったら最初に謝ろう、謝って精一杯、気持ちを伝えて、分かってもらうんだ、そうしたら彼女とも冬の女王とも仲良くなれるはずだから、今日も季節塔の扉をたたいてみる、
「こんにちは、今年もきました。冬の女王に仕えているものです、こんに、、、、、、」
そこには一人おびえている冬の女王、と言うには若すぎる少女が居た、おびえながら一人で泣いている少女、どこか冬の女王の面影と似ている気がする、彼女はとにかく怯えていた
「なんで、なんで、あなたはおびえるのですか?いつもの様に笑って迎えてくださいよ、そんなおびえないでください、前回の季節、私はあなたを傷つけました、でもそんな風におびえないでください、私はあなたが大切なのです、だからあんなことを、言ってしまいました、すいませんでした、お願いします、許してください」
「すいません、私が何をしましたか、私には、記憶がないです、私はただ怖いのです、怖くて仕方がないのです、死ぬのが怖いのです、ただ恐ろしくて、人は私に何故死を求められなければならないのですか?」
余りにも残酷だった、前回までの彼女は記憶があった、記憶がそんなに大切な、支えになって、居たなんて、私がこんな子に八つ当たりみたいに当たるなんて、なんてきっと俺のせいだ、ダメだ俺はもう彼女の近くに居る資格なんてないんだ、俺はここに居てはだめだ、そうしようもう私は彼女の前に居てはならない、去ろうそして、もう彼女の前から消えよう、大切な者を気付つけないために
そして季節は続いてもう珍しく冬が六ヶ月も続いている、
「国王、もう穀物など動物などが死んでいってます、ここまで人が死んでいくのも時間の問題です、王よ冬の女王に塔から出て春の女王に変わって貰うように、進言してください」
「仕方がないか彼女に変わって、頂かないと国内にお触れを出そう
{冬の女王を春の女王と交替させた者には好きな褒美を取らせよう。
ただし、冬の女王が次に廻って来られなくなる方法は認めない。
季節を廻らせることを妨げてはならない。}」これでいいだろう、何とかなるといいが、変わらないだろう彼女には彼が必要だしかし彼はそれに気が付いていない、前回私は彼に、いや他人事の様に言うのはやめよう、息子に変なことを言い過ぎたこれは私の過ちでもある、これで解決するのであれば、それに越したことはない、期待しよう、ダメなら息子に託すしかないのだろう、それは仕方がないことなのだろうか、この世界はいっその事滅んだほうが良いのではないのではないか、四人の女の子に世界の存続を託すような世界など
次は日曜日、たぶん日、水曜日の更新になる