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第07話 「兄・妹・対・面」

コンコン


來海の部屋のドアにノックする。この姿を見られる…ドキドキしてきた。

きっと妹は驚くだろうな…。



「ん?お兄ちゃん??開いてるよ~入って~」


來海に許可をもらい、ドアを開けて部屋に入る。


ガチャ!


僕の部屋と違って來海の部屋はとても可愛い部屋だ。

淡いピンクの色で統一して、派手さはなく可愛いイメージを醸し出している。

所々、可愛いぬいぐるみを置いてあって、そのぬいぐるみはとても可愛いんだよね!

來海とは趣味が合う感じ!


さすがは優等生!学校が休みでも勉強している、來海は頭もよく運動もできる。

僕と違って…僕は勉強は出来ないほどじゃないけど運動がまるでダメだった…。

そう考えていると、椅子に座っている來海がこちらを向く。



「…どうしたの?おにいちゃ……って…え!?どちら様?」


そうなるよね…僕のこの姿を見て、朝比奈 瑞樹って分かる人がいたら教えてほしいよ!

そう悔しい思いをしながら、妹には当たるわけにも行かずこう答えた。


「あなたの…兄の瑞樹です」


「へ!?お兄ちゃん??嘘!どう見ても女の子じゃん?」


「朝起きたら…こうなってました」


「そうなんだ…」


來海がずっとこちらを見ている…恥ずかしいよ…。

僕はたまらず下を向いて、モジモジしてしまった、顔は真っ赤だと思う。

來海のほうを見てみるとすごくニコニコしてて、こう言ってきたんだ。


「ふふふ…本当にお兄ちゃんだ~♪」


「へ!?どういう事??」


「仕草を見てると解るよ~姿が変わってもお兄ちゃんはお兄ちゃんだよ」


良く分からないけど…信じてくれたって事かな?

でもちょっと複雑な気分……。嬉しいような悲しいような…はぁ~。

僕はどう反応して良いか分からず、その場で立ち尽くしてたんだけど、

來海はさっきから変わらずニコニコしながらこっちを見てる。


「で?可愛いお兄ちゃんが私に何か用かな?」


「えっ!?可愛い??」


僕の事が可愛い??いきなりそう言われても…とても恥ずかしい…。

そう言えば、自分の姿をよく見ていなかった…そんな余裕もなかったしね!

だから余計に可愛いとか言われても、自分では判断できないよ…。


「うん!女の私から見ても可愛いよ~お兄ちゃん…赤くなっちゃって~本当に可愛いな~」


これ以上、僕をいじめないで欲しいよ…話が先に進まない。

話を切り替える意味も含めて、話を切り出した。


「あっあのその…それでね?ちょっと今から愛生ちゃんのところに行かなきゃいけないんだけど…」


「うんうん、それでどうしたの?」


「あの…そのね、僕、こんな体になっちゃったから、今持ってる服じゃ全然合わなくて…

だから、その…ね」


「…そうだね、愛生さんのところに行くには、その格好では行けないよね…さすがに、

それで私の服を貸して欲しいと?」


「うっうん、急なお願いであれなんだけど…」


「どれどれ…お兄ちゃん、ちょっとこっちに来て?」


「あ…うん」



なんだろう?來海に呼ばれて、何をするんだろう…

分からないけど、ここは従っておこう、話も進まなくなるし。


僕は來海の側に近づくと、來海も椅子から立って隣に並んで立ってみた…。

嘘だ…妹に身長を負けている!?確か身長を測ったときは150cmだったっけ?

いつの間にか來海よりも背が低くなっていた…マジショックだよ…。


「お兄ちゃん、背とか小さくなっちゃったね~可愛い~♪」


來海はすごく嬉しそうだ…反対に僕はすごく悲しいよ…。

身長もっと欲しかったのに、以前より低くなるし、妹には負けるし…

良いことないってこれぽっちもないよ!

落ち込んでる僕を横目に、來海は終始ニコニコだ…悔しい!


「うん!分かったよー私の服、貸してあげるね」


「…ありがとう、來海。助かるよ。

それで…ね、ズボンとかある?」


服を借りるとしてもいきなりスカートは僕には無理だよ…

せめてハーフパンツぐらいなら我慢できるかな?

そう淡い期待をいとも簡単に裏切られた。


「あー私、スボンは持ってないよー」


ええ!?僕がスカート??すごくやばいよ…。

男の下着しか持ってないのに…スカートは着られないよ!


「さすがに、スカートで男物の下着はダメだよね……良いよ!下着も貸してあげるね」


「へ?あーうん、ごめんね」


何て事?下着まで借りるとか…。

僕はどうなってしまうんだよ!色々ときついよーもう!!

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