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第64話 「家・族・会・議」

ボクの真剣な顔を見ていてなのか、先程までの…にこやかな顔から打って変わり、おばさんも真剣な顔をしながら…。


「…分かったわ。愛生ちゃん、そこの椅子に座って…」


「…はい。」


ボクはおばさんに勧められるように…テーブルの椅子に腰掛ける。ボクの対面におばさん、その横に來海ちゃんが座って…ボクが話し始めるのを待っているようだ。…さて、どう説明すれば良いかな?遠回しに言っても…何時かはバレる事だろうし……ストレートに伝える方が良いかな…。

…うん、ボクらしくないな…ありのままを伝えよう!



「瑞樹は…今日、2人の男子に襲われました……ボクが何とか助けに入って…事なきを得ましたが、少しケガをしてしまって…今は部屋で休ませています。」


「え!?瑞樹が!?…襲われた!って…どう言うことなの?…愛生ちゃん!」


「…うそっ!?……お姉ちゃんが…お…そ…われた…?」


おばさんは訳が分からなくて…大きな声を出して、ボクに問い詰めてくる…。一方、來海ちゃんは…真っ青な顔して震えだしていた……無理もないよね…ボクもこんな事になろうとは…思っていなかったんだから…。ボクは、おばさんの問いに答える。



「瑞樹は、小さい時から女の子っぽくて…ずっとイジメられてきましたよね?…大体のイジメは、みんなの成長と共に無くなってきてたんですけど…。今回の主犯である、2人の男子に中学からずっと…イジメられていたらしいのです。」


「…確かに、中学の頃…あの子は…何かを隠していたようだったわ。…それがイジメの事だったなんて…。愛生ちゃんもそのイジメの件について…全く気が付かなかった…って事かしら?」


「…はい、今日、瑞樹からすべて話を聞いて…分かったぐらいです…。中学の頃は…全然、気づきませんでした。すごく…ショックでした…。」


「それは私たちも同じよ?…瑞樹はずっと…1人で苦しんでいたのね……そんな苦しみに気付いてやれないなんて…母親失格だわ…。」



そう言うと…おばさんは悔しそうに…涙を流しながら俯いてしまった…。隣で來海ちゃんが…おばさんを慰めている。


「……お母さん。ううん、お母さんは、母親失格じゃないよ!私たちの為に…いつも、すごく頑張っていたもん!!」


「…來海…ありがとうね…。…あの子は…瑞樹は、私たちに心配をかけまいとして…イジメを一生懸命…隠そうとしていたのね…。ホントに優しい子で…不器用な子ですよ…。」



…瑞樹は、本当にみんなから愛されているよね…おばさんと來海ちゃんの態度で良く分かる…。それなのに…瑞樹と来たら…そんなボクらの思いを感じずに、自分だけで悩みを抱え、1人で苦しんでいる…。そう考えていると…何かだんだん腹が立ってきたよ!その様子を見た來海ちゃんが…。


「あっ愛生さん!?…何かあったんですか?」


「…え!?何でもないよ…気にしないで。」


あぶない、あぶない…。ボクはすぐ顔に出るから、気を付けないと!特に今の2人には、余計な心配を増やしたくはないしね…。

おばさんが少し落ち着いてきたのか…気を取り直したみたいで、ボクに再び問いかけてきた。


「…それで、愛生ちゃん?その…イジメていたと思われる2人組の事なんだけど…詳しく教えてくれるかしら?」


「…分かりました、ボクの分かる範囲ですけど…。」



ボクは、自分が分かる範囲内の…あいつらの情報をおばさんたちに話した。瑞樹だけではなく、ほかの同級生をイジメていた事や、普段の態度が悪く、不良行為で周りに迷惑をかけていたことなどなど…。

その後に、今回の事件の内容を簡単に説明して…その2人組と争った結果、ボクが勝利したこと…あいつらに、もう2度とボクたちに近づかないように…釘を刺したことを説明をした。


「…それで…大人しく引き下がるのかしら?今までの話を聞いていると…逆恨みしてきそうだわ。」


「…はい、ボクもそう思います。」


「……愛生ちゃんは…その2人の事を含めて、これからどうするつもり?」


「えーと…ママに相談しようと思っています。具体的な事は決めていませんけど…ママなら何とかなりそうな気がして…。」



おばさんが、ボクのママの事を言うと…何か閃いた様に、手でポンと叩く……何て古いジェスチャー何だろう…ツッコまないとダメなんだろうか?……何か…しちゃいけないような気がしてきたよ…止めておく!


「…そっか、朱美ちゃんなら…何とかできるかも…。分かったわ!この件については、私たちに任せておいて!!あなたたちは、何も考えずに…普通に学校に通えば良いからね!!」


おばさんから不敵な笑みがこぼれている……何か…任せた方が良さそうな雰囲気だよ!さすがは、ママの親友、ここは任せておこう、うん。ボクが胸の内でそう納得していたら…。



「それよりも、愛生ちゃん?あなたは、瑞樹の未来の旦那さまなんだからね?いつもの様に接して良いのよ?…何なの、今日に限って、他人行儀なんですけど!?」


「え!?そうです…か?…そんなつもりは…ないんですけど。」


瑞樹に怖い思いさせたり…ケガをさせてしまったのも…ボクの所為でもあるし、何か気まずいんだよね…。それよりも…未来の旦那さま!って、ママと言い、おばさんと言い…ボクたちの未来はもう決まっている!?みたいな話になっているんですけど……まぁーそれは良いか。


「まぁ良いわ…。兎に角、この件については、私たちに任せてちょうだい!」


「分かりました、お願いします。…ボクは、少し瑞樹が気になるので…様子を見てきますね。」


ボクはそう言いながら…気まずい雰囲気から…逃げるように瑞樹の部屋に向かった…。後ろで何かおばさんが言っていたみたいだけど…うん、聞かなかったことにしよう!




あれ…ここは何処だろう…ちょっと休むつもりが、いつの間にか…ぐっすりと眠っていたみたい。ぼやける視界が少しずつ、はっきり見えてきて…見覚えのある天井…。私の部屋だ、ベットで横になっていた。部屋には私以外、誰もいなくて…シーンと静まりかえっている。


(…愛生ちゃん、もう帰っちゃったのかな…なんかすごく寂しい……会いたいな…。)


そう愛生ちゃんの事を考えていたら…ふと、ある事を思い出す。…そう言えば私…愛生ちゃんからキスされちゃったんだった…。


(…私のファーストキス……愛生ちゃんに奪われちゃった…。)


そんな事を考えていると…だんだん恥ずかしくなってきて、頭の中がショートしそうになる!…やばい、やばいよー!!愛生ちゃんに…私、どんな顔で会えば良いの!?ベットの中で一人悶えていると…私の部屋の扉が開いた。



「…瑞樹、起きてる?」


え!?愛生ちゃんの声だ!…嘘!?てっきり帰ったと思っていたのに…どっどうしよう!?今恥ずかしくて…顔を合わせられないよ!!…返事をしない方が良い?でも、たぶん近くまで来るだろうし…困ったよ!とにかく返事しよう!!何て…返事すればいいの?あーもう、訳が分かんないよ!!


「あの…その…おっ起きて…ます!」


「…良かった…もう大丈夫?少しは落ち着いてきた??」


そう言いながら、愛生ちゃんが私の側まで近づいてきた。私は…とっさに布団で顔を隠し、真っ赤になった顔を見られないようにした。



「ん!?瑞樹…何してるのさ?布団に潜っちゃって…顔を見せてよ。」


そう言って、愛生ちゃんが布団をはぎ取ろうとする…今はダメだよ!恥ずかしいし!!私は抵抗するように布団を持つ手に力を込める……でも、愛生ちゃんに力で勝てる訳もなく…あっけなく布団をはぎ取られた!


「やー!顔見ないでー!!」


私は、そう叫びながら…両手で顔を隠す。愛生ちゃんの顔を…まともに見ることが出来ないよー!


「どうしたのさ!?何、恥ずかしがってるの??…でも、恥ずかしがる瑞樹…すごい可愛いな~♪」


そう言いながら、愛生ちゃんが私の左頬に右手を当ててくる…んー愛生ちゃんの手がすごく冷たくて…気持ちが良いよ…。



「んー少し腫れも引いてきたかな?熱もだいぶ引いたみたいだし…良かった…。」


「…愛生ちゃん…。」


私は、愛生ちゃんの右手に左手を当てて、すごく胸の中が暖かくなっていた…。先程の恥ずかしい気持ちはどっかへ行ってしまったようで…自然と顔がにやけてしまう。そんな私の姿を見た愛生ちゃんが、クスッと笑いながら…。


「ほんと…瑞樹を見ていると飽きないな~コロコロ表情が変わって…こっちまで楽しくなってくるよ。…さてと、その様子だと…もう大丈夫だね!そろそろ、ボクは帰るよ…。」


そう言うと愛生ちゃんが私の左頬に当てている右手を離す…。私は堪らず、離れていく右手を掴んで…思わず口走っていた…。


「やだ……まだ…帰らないで。」

すみません…大変、お待たせしました!

色々と書きたいことがありすぎて…上手く纏めれなくて時間がかかってしまいました(>_<)

ラストに向けて…これからも少し時間がかかるかもしれませんので…ご了承ください。


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