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第59話 「戦・闘・開・始」

今回は、華奈と愛生視点で書いています。読むときはご注意ください!

いきなり植草くんからの電話の内容で、すごくビックリしたけど…あの2人の事となると話は別だよ…。中学の頃の瑞樹ちゃん…虐められてた事を必死に隠していたからね…愛生ちゃんは気づいてなかったみたいだけど…。私は…中学の頃は何も言えなかった…今思えば、見て見ぬ振りをしてたのかも知れない…自分に降りかかってくるかも!?それが怖かったのかもしれない…。


(私に…もう少し勇気があれば。)


瑞樹ちゃんを救えたのかもしれないのに……でも、過去の事を悔やんでいても…あの頃には戻れない。…だから、今回は何とかしてあげたい!瑞樹ちゃんを今度こそは救ってあげたい!!私は、左手に持っているスマホのセキュリティを解除して再度起動する…。



愛生ちゃんにさっそく連絡を取ってみることに…。チャットアプリは…当然、反応なし…うん、相変わらずだよねー期待はしてなかったけど。次に電話をかけてみる…うん、やっぱり出ないね……これは困ったわ。

…でも、何となくなんだけど…あの子、危険察知だけのカンは鋭かったりしてたから……それで何回か、私も助けられたりもしてたの思い出した。


(確か…曲がり角で他の人とぶつかりそうになった時も…愛生ちゃんに突然、止められたりしたんだよね。他にも…野球のボールが私の方に飛んできた時も教えてくれたし…)


もしかしたら、愛生ちゃん…瑞樹ちゃんのピンチに気付いているのかも!?


(うん…それを信じて、私は…私の出来る事をしよう!)


そう思い立つと、この近くにあるドラッグストアへと向かって走り出していた…。





はぁはぁはぁ…ようやく屋上にたどり着いたよ!瑞樹は…どこだろう!?頭の中で見た映像では…確か屋上の入り口から出て右隅の方だったはず…そちらに目を向ける。


男が1人立ってこちらを見ている…確かあいつは、葦原だったかな?不良の片割れだ!…もう1人、矢城がいたはずなんだけど……ん?あれはー!?



1人の男が瑞樹に覆い被さっている!?瑞樹の状態をよく見てみると……制服のシャツが引き裂かれて…中の下着が見えている!?今にでも瑞樹に襲い掛かろうとしている!させるかー!!


「ボクの瑞樹に何をしている!?さっさと瑞樹から離れろー!」


そう叫びながら、ボクは瑞樹の元へ走り出す。…そこに葦原がボクの前を立ちはだかる。



「どこの誰だか知らねえが…俺たちの楽しみの邪魔はさせないぞ!?…おらぁ!」


葦原がボクの顔に目掛けて、右パンチを繰り出してきた!って…あれ!?葦原の繰り出すパンチがスローモーションに感じ、まるでコマ送りのアニメーションを見ているみたいだ。ボクは難なく左へとかわすことが出来た。…いったい何が起きたんだろう?こんな感覚、初めてだよ!


「ヒョロヒョロの優男が…俺のパンチをかわすだと!?テメエ…舐めてんじゃねーよ!!」


葦原は、ボクにパンチをかわされたのがよほど腹が立ったのか…顔を真っ赤にしながら、再びボクへ殴りかけてきた…。まただ…葦原の動きがスローモーションになり、動きが手に取るようにわかる!

先ずは右パンチ!…左にかわし、次は左パンチ!…右にかわし、最後は大きく振りかぶっての右パンチを繰り出してきた!!


(何て単調な動きなんだ…スローモーションじゃなくても、これは分かりやすいよ!)


ボクは左側に移動して…パンチをかわし、葦原の横側となり、葦原の腰辺りに左足で回し蹴りを加える…相手はかわすことなく…まともにボクの蹴りを受けた!バランスを崩し、その場に跪く。…おし!!葦原をそのままにして、瑞樹の元へ急ぐ!!



「葦原!お前、何やってんだよ!?…ったく、仕方ねーな!!」


そう言うと矢城は、瑞樹から離れて…ボクの方に向かってきている!…良かった、やっと瑞樹から離れてくれたよ!!…これで瑞樹の事は一安心かな?まだ矢城を倒してないから、安心はできないけど…。さっきの葦原の時は、相手が怒りに我を忘れてくれたおかげで、攻撃が単調になり対処しやすかったんだけど…ね。気を引き締めないと!!



「お前…誰だよ?俺らの楽しみを邪魔しやがって……ただじゃ済ませねーぞ!!」


「ボクの瑞樹に…手を出したことを後悔させてやる!」


「…ボクの!?そうか、お前は…おかま野郎の側にいる男女だな!男に変わったと聞いていたが……本当だったんだな。」


「…そんな事は、今はどうでも良いよ!…瑞樹を返してもらうよ!!」


今度は、ボクの方から仕掛ける…。相手の出方を伺うために、軽く右パンチを出してみる。矢城はボクのパンチをかわすことなく…前に出て来て、ボクの顎を目掛けて左でアッパーを出してきた!

…さっきと同じようにスローモーションに切り替わる……ボクは慌ててパンチを止めて…後ろに軽くジャンプした!…矢城の左アッパーは空を切った……ボクはそれを見逃さなかった!!


「…もらったよ!」


矢城のがら空きになった左わき腹に、ボクは思いっきり右足で回し蹴りを放った!矢城はかわすことも出来ずに、まともに蹴りを受けた!!


「ぐはっ!」


その場でわき腹を押さえながら蹲る…これでしばらくは矢城も動けないはずだ!…ボクは気にせず瑞樹の元へ向かった…。



ようやく瑞樹の元にたどり着いたボクは慌てて、制服のシャツを脱ぎ瑞樹の肩にかける…破かれた制服のシャツがすごく痛々しい…すごく怖かったと思う。…そう思うとボクは瑞樹に抱きついていた…。ようやく今の状況に追いついたのか…ボクだと分かると涙を流しながら…。


「…愛生…ちゃん!…ぐすっ…愛生ちゃぁぁん!!怖かったよぉぉぉぉー!!!」


そう叫ぶながら、ボクの胸のあたりのシャツを両手で掴み、泣き出してしまった…。ボクはそんな瑞樹を安心させるために…背中をポンポン叩きながら…耳元で。


「もう…大丈夫だから…。ボクが来たからね?瑞樹は…何も心配することはないよ…。」


それを聞いて安心したのか…瑞樹は小さく首を「ウンウン」と2回頷いた。ボクは急に瑞樹の顔を見たくなって、少し離して瑞樹の顔を見てみる…。目からは大粒の涙を流しながら、ボクの顔を見つめている…左の頬が赤くなって…少し腫れているように見える…矢城に叩かれたのか!?……ボクは頭の中で…何か切れる音がした…プチンッっと言う音共に。



そんなボクの変化に気付いたのか!?瑞樹が心配そうに…ボクを見つめている。そんな瑞樹をボクは愛おしくなって…右頬に軽くキスをした。


「…え!?」


「瑞樹…もう少しここで待っててね?すぐ…終わらせてくるから。」


ボクは瑞樹から離れて、あの不良共の方へ向かって行った…。ここで決着をつけてやる!!

瑞樹はようやく救われました!やったね~♪ヽ(^o^)丿

次回、決着です!!

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