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第47話 「駅・前・騒・動」

駅前のバス停留所に着く。バスの中で私は愛生ちゃんから色々と弄られたおかげで、街に来たばかりだと言うなのに…すごく疲れたよー!…ホントに愛生ちゃんは意地悪なんだから!!


私たちが行こうとしている雑貨屋さんの道順は、愛生ちゃんには軽く説明をしておいた。愛生ちゃんは、ある程度の位置は分かったらしく…私が案内をしなくても、その場所に辿り着けるみたい。


なんだか駅前が騒がしい…。バス停の近くにある駅前公園で、何かのイベントをやっているみたい。そのイベントがすごく気になってしまいその場に立ち止まって、会場の方に目をやると…色んな出店とかもあって、すごく賑わっている…何だか楽しそうだ!

ふと、愛生ちゃんに声をかけようと思い目をやると…私の前にいるはずの愛生ちゃんが…いない!?えー!?私とはぐれちゃったみたいだよ!困っちゃったよ…下手に動くと余計に会えなくなっちゃうから、近くにあるバス停のベンチで待ち合わせるように、チャットアプリで呼び掛けよう…。そう考え、駅前のバス停へ向かった…。


ベンチに座り、スマホのチャットアプリを起動する。愛生ちゃんも私とはぐれたのに気付いたのか、チャットアプリで愛生ちゃんからのメッセージが数件来ていた。


『瑞樹、今ドコにいる?』のメッセージと慌てている猫のスタンプが送られていた。この猫のスタンプが可愛いんだよね~♪って…そんな事を考えている場合じゃないよ!私の今の状態をメッセージで送信しないと…。

えーと、なんて書こうかな?…『駅前のバス停のベンチに座って待ってます』って書けば分かるよね?早く送信しなきゃ!って焦れば焦るほど、誤字とか脱字をしてしまい、なかなかうまく文字を打つことが出来ない。スマホに悪戦苦闘をしながら、何とか文章を打つことができ、送信をタッチする。ふ~これで分かるかな?ここで待ってれば良いよね??スマホから目を離して前を向くと……え!?…何か見たことのある大学生の2人組が、私のそばまで近づいていた。…あれ?この人たちって、もしかして!?


「ねぇねぇ、彼女…もしかして1人?おっ!?君~可愛いねー!俺らと一緒にどっか行かない??」


…私、また同じ人に、ナンパされているんですけど。でも、どうしよう…私1人じゃ怖くて動けないよ…。



「あれ!?この子、どっかで見たことのあるような…気の所為か?」


「こんな可愛い子、一目見たら、忘れる訳ないだろ?」


「それもそうだ、俺の…気の所為だな!」


そう2人は何かを納得したように…さらに私に近づいてくる、怖い、怖いよー!もうダメ!助けてー!!愛生ちゃん!!!私は恐怖のあまり、両目を思いっきり瞑った。そうしたら…誰かが私の手を取り、そっと耳元で…。


「…瑞樹、すぐに立って。急いで、この場所から離れるよ。」


目を開けて、声のする方向に目を向けると…愛生ちゃんだった。私は「うん」と大きく頷いて、愛生ちゃんに手を引っ張られて、そのままついて行く。2人組は、こちらに向かって、何かを喋っていたけど…全然、頭に入ってこなかった。ただ、愛生ちゃんが助けに来てくれた…それが嬉しくて嬉しくて…たまらなかった。

 


急ぎ足であの場所から離れて…何分、歩いたのだろう…愛生ちゃんが急に立ち止まった。


「ふぅ~ここまで来れば…もう大丈夫かな?」


「……」


私は何も答えられずに、愛生ちゃんの顔をずっと見ていた…愛生ちゃんは、そんな私を見て少し怒った顔をしながら…。


「瑞樹!はぐれちゃったボクも悪いけど…もう少し周りに気をつけなよ!!前にも言ったけど、危機感が無さ過ぎる…君は女の子なんだからね!」


私の為に怒ってくれている…すごく有り難い事なのに、なぜかそんな言葉が頭に響いてこない。何故だろう…私はどうなっちゃったの!?それなのに愛生ちゃんの顔をすごく見たくて、ずっと眺めていたい…。ふと私は右手を愛生ちゃんの頬に向けて伸ばしていく…触れたい、その温もりを感じたい。


「瑞樹!?ボクの話をちゃんと聞いてる?」


愛生ちゃんが一生懸命、私に話しかけているにもかかわらず、何も答えずに手を伸ばす。指先にちょんと愛生ちゃんの頬に触れた瞬間、私は我に戻った……慌てて手を戻し、だんだん恥ずかしくなってきて、愛生ちゃんの顔をまともに見れなくなって下を向く。…え!?私は何をしようとしていたんだろう??やばい!すごく恥ずかしいよ~!!



「瑞樹!ホントに大丈夫??」


「ごっごめん…なさい、もう大丈夫…です」


「びっくりしたよ…何だか、いつもの瑞樹じゃないような感じだったからさー。」


「何か、その…気が動転しちゃって…私にも…良く分からない」


「ふ~まぁ良いよ、瑞樹が無事だったんだし…雑貨屋さんだっけ?そのお店に行くよ。」


「うん」


私がそう返事をすると、愛生ちゃんの左手が私の右手を繋ぐ……え!?



「またはぐれちゃうと困るから…さぁ行くよ!」


「はっはい!」


愛生ちゃんと手を繋いで歩く…。突然の事で、頭がついてこなくて…嬉しいのと恥ずかしいのとが混ざりあって、私…どうにかなっちゃいそうだよ!ふと、愛生ちゃんの方に目を向けると…何だか顔が赤くなっている!?ひょっとして、愛生ちゃんも恥ずかしいのかな?恥ずかしいなら手を繋がなきゃ良いのに…そう思いながらも、暖かいぬくもりを感じる手を…どちらも離すことが出来ませんでした。

だいたい、こんなペースで書いていきたいと思います。

よろしかったらご感想やご指摘などなどありましたら、書いてくださいね~。

これからも頑張っていきます!

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