第05話 「母・娘・和・解」
サブタイトルに変なルールを設けすぎました…考えるのは楽しんですけど!
「母・親」が瑞樹と愛生の母親で被ってるし…どっちの母親か分かりにくいかな??
途中で変更するかもしれません、ご了承ください。
「母・娘」に変更しました。
「それよりも…愛生」
「ん?どうしたのママ??」
ママが神妙な顔で、ボクに問いかけてきた。
「あなたの服、どうしようっか」
あーこれまた忘れていた…身長が伸びて今までの服が全て小さすぎる。
着れるはずもない、今のパジャマでさえ所々裂けて破れてるわ、丈が足りてないわ。
無残な姿でした…これはとても見れたものじゃない。
瑞樹に会うと言っても、さすがにこの格好じゃ会えないよ…。
困ったな~ボクが途方に暮れていると、ママはこう言ってきた。
「実はパパの服がいくつか残っているんだけど…試しに着てみる?」
え!?パパの服って??
和泉 明、ボクのパパなんだけど…
実はあまり覚えてない。ボクが小さい時にパパが交通事故にあって、その事故が原因で死んじゃったんだ。
その当時は、良く分かっていなくて、パパはどこか遠くにいて元気に働いていると思っていた。
ボクがママに「パパはいつ帰ってくるの?」ってしつこく聞いて、ママをいつも困らせていたんだ。
小学校高学年の時に、ママから真実を聞いたときは、ショックが大きくて
何日か伏せ込んだ時もあった…その時は瑞樹が側にいてくれて励ましてくれたおかげで
今はママとも仲良くやってきている、ホント瑞樹にも感謝だよね!感謝!感謝!
でも、パパの服ってママにとって思い出の品じゃないのかな?
もう何年もたっているのに、パパのタンスとか服とかそのままだったりする。
「えっと…ママはそれで良いの?」
「え?どう言う事??」
「…ボクが言うのもあれだけど…パパとの思い出の品じゃないのかなって
それをボクが身に着けたら、思い出しちゃうんじゃないかって…パパの事。」
そう言うとママは、少し涙ぐんでボクに抱き着いてきた。
「ありがとうね、愛生、あなたは本当に優しい子。ママにはもったいないぐらいだわ。
でも、いつまでもパパの事を引きずってるわけにも行かないの。あなたの今の姿を見て
そう思ったわ。」
え!?それってどういう意味なんだろう…。
すごく気になってしまい、つい聞いてしまった。
「ママ、それってどういう意味?」
そう言うとママは涙を拭って、とても良い笑顔でこう答えたんだ。
「愛生のその姿ね、パパの若い時にすごくそっくりなの!
初めてあなたを見たとき、すごくドキドキしたわ、
パパが…ううん、明さんが帰ってきたんじゃないかって。」
ママのこんな顔を見たのは初めてかも…いつもの凛々しいママじゃない。
そう!少女の顔をしていた、すごく初々しいとても良い笑顔。
…ホント、ママには敵わないな~。
「うん!分かったよ。パパの服を見せて」
「了解!パパの書斎に行くわよ」
パパの書斎もそのままだったりする、ママのパパへの愛はすごいなって改めて感じたよ!
ボクはママについて行って、1階のパパの書斎に向かった。
瑞樹、ボクの姿を見てびっくりするだろうな~それがとても楽しみで仕方なかった。