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第42話 「姉・妹・団・欒」

それから、愛生ちゃんと雑談しながら自宅に帰ってきた。


今日も色々とあったけど…愛生ちゃんと仲直りできた。うん、本当に良かったよ!華奈さんのおかげかな?今度、何かお礼をしなくちゃね~♪いつも助けてもらってばかりだし。お菓子とか作りたいな~母さんに相談してみようっと!そう考えながら…自宅の扉に手をかける。


「ただいま~」


そう言って家に入ると…いつもは來海がパタパタと走ってきて、私を迎えてくれるんだけど…今日は来ない。部活かな?あの子は陸上部のエースだしね~部活を頑張っているのかな?自慢の妹だからね~♪



そう思いながら靴を脱いで、キチンと揃える。それから部屋に行こうとすると…台所から。


「おかえりー瑞樹」


「ただいま~母さん。來海は部活かな?」


「そうみたいね~あの子…頑張っているみたいだからね。瑞樹が家事を手伝ってくれるようになったから、部活に集中しているみたいね」


「そうなんだ、私は運動部とか無理だし…その分、來海には頑張ってほしいよ。じゃあ私、着替えてくるから」


「待ってるわ~ある程度は、準備はできているからね」


私は「ありがとう」っと答えて、2階の私の部屋に行く。制服から部屋着に着替え、台所へ向かった。

あーそうだ!母さんにお菓子作りを教えてもらおうかな?相談しないとだね!



母さんと雑談しながら晩ご飯の準備をしていく…もちろんお菓子作りの話は相談したよ?最初はクッキーづくりから挑戦しようって事になった。母さんが買い物の時に材料をそろえてくれるみたいだから…近々、実行できそうだよ~みんな喜んでくれるかな?また楽しみがひとつ増えたよ~♪


晩ご飯の準備もほとんど終えて、明日のお弁当のおかずの仕込みを始めた頃に、來海が帰ってきた。いつもお出迎えしてもらってたから…たまには私がしても良いよね?そう思い、母さんにそう話をして、玄関に向かうことにした。


部活からの帰りで相当疲れているのか?來海は玄関の上り口に腰を掛けて、靴を脱いでいた。私の方に背中を向いているから…私が近づいてることも気付いていない。…よし、少し驚かしてみよう!悪戯心に火がついて、そーっと來海に近づき…。


「おかえりー來海!」


といきなり大きな声で、そう言うと…。


「わー!?…え?なーんだお姉ちゃんか、びっくりさせないでよ~」


「えへへ…ごめんね?來海、おかえりなさい」


「うん、ただいまだよ~お姉ちゃん♪」



そう言うと、來海は私に抱き着いてきた……最近は私に、こうやって甘えてくるようになった。來海に「お姉ちゃん」と呼ばれたあの日からなんだけど……本当に何があったんだろうね?この妹様は。私も特に嫌じゃないから、來海の好きなようにさせている。何だか…お互い、今まで疎遠になっていた時間を埋めているかのようだった。



いくつになっても來海は変わらないな~とそう思い、來海の頭をなでなでと撫でる。來海は嬉しそうに顔を惚けさせて、私の成すがままにされている。

…でも、そう言えば來海は、部活帰りなんだよね?汗もいっぱいかいてるだろうから、早くお風呂に入れさせないと風邪を引いちゃうよ!


「來海!?部活で頑張ってきたんでしょ?早くお風呂に入らないと…風邪を引いちゃうよ??」


「…んーもうちょっと、このままでいたいよ…」


「ダメだよ~來海がもし風邪を引いたら、私が困っちゃうよ?來海は…私を困らせたいの??」


「それはやだよ…分かった、じゃあね?お姉ちゃんと一緒にお風呂に入りたい、それなら離れてお風呂に入る」


もう~ホントに困った妹様だよ…。でも、それを許してしまう私はダメなんだと思う…ホント、仕方ないな~。



「もう~分かったよ、來海は先に部屋に戻って、お風呂に行ってね?私はまだ家事の途中だから、母さんと話をして、それからお風呂場に行くから」


「うん!ありがとうーお姉ちゃん~♪」


そう言うと私から離れて、満面の笑みを浮かべて、パタパタと2階に上がっていった。…ホントにもう、來海には甘いね…私って。…でも、あの嬉しそうな笑顔を見れたのなら、まぁ良いかな?って思ってしまう。じゃあ…母さんに話をしてくるかな?母さんも來海には甘いから…許しちゃうんだろうけどね!



台所に戻って、母さんにさっきの來海とのやり取りの話をした。母さんは即答で。


「良いわよ?晩ご飯の用意もできたし、明日のお弁当の仕込みだけだしね~私がやっておくわ」


うん、予想通りでした。…母さんも來海には甘すぎだよ!…まぁ良いかな?私も今日は色々とありすぎて…疲れちゃったし。今日は母さんに任せても良いよね?…そう思い、母さんに「ありがとう」と言って、私は部屋に戻ることにした。バスタオルとタオル、着替えの下着とパジャマを用意する、うん!準備はOKだね、來海の待つお風呂場に向かった。



脱衣所に入ってみると、來海は先にお風呂場に入っているみたい。私が来たのを気付いたのか…。


『お姉ちゃん!?待ってたよ~早くおいでよ~♪』


はいはい、そんなに急がなくても私は逃げませんよ!…実は「女の子」になった日から、來海とは何回か一緒にお風呂に入ってたりしている。髪の洗い方や体の洗い方など…私は何も知らないから、來海に色々と教えてもらった。その時は、髪の手入れの仕方など覚える事で頭いっぱいだったから…あまりその時の事を覚えていない…お互いに裸同士だったのにね!そう思うと少し恥ずかしくなってきた…。


でも…今更かな?妹とだし。そう思うと恥ずかしくなくなって着ている服を脱いでいく…部屋着と下着は洗濯機の横にある、かごに入れておく、あとでネットに入れて洗濯をしなくちゃね!裸になった私は、お風呂場に入っていった。



お風呂場に入ると、來海は湯船に浸かっていた。


「もう!遅いよ~お姉ちゃん。私、のぼせちゃうかと思ったよー」


「え!?そうかな?私、割と急いで来たんだけど…」


「お姉ちゃんは、そんな細かい事は気にしなくていいの!…じゃあさ、洗いっこしようよ♪」


何か來海は1人で納得してるけど…私にはさっぱり分からないよ!…まぁ良いかな?私はバスチェアに座り、軽くシャワーで体を濡らしておく。來海が浴槽から出てきて、私のそばに来る。


「じゃあ…私がお姉ちゃんの髪を洗ってあげる~♪そのまま座っててね」


そう言いながら、シャンプーの入ってるボトルをプッシュして手のひらに乗せる。それを両手に馴染ませて、私の頭につけて、頭皮の汚れを落としていく…。


「お姉ちゃん、痒いところがあったら言ってね~。…これぐらいの力加減で良いかな?」


「うん、大丈夫だよ…気持ちいい…」


「良いな~お姉ちゃんの髪、長くてとても綺麗……私、また伸ばそうかな~」


來海は中学に入るまでは、今の私と変わらない長さだったんだけど、陸上部に入ってから走るのに邪魔になって…肩ぐらいの長さにまで切っている。私はまだ來海に髪を洗われているので、目も開けられず、そのままの体制で、その疑問に答えた。


「走るのに邪魔になっちゃうから切ったんでしょ?」


「そうなんだけど…ホントは手入れが大変になってきたのが1番の原因かな?紫外線浴びまくりだからね…陸上は、髪がすごく痛んじゃうし!…だけどまた伸ばして、お姉ちゃんとお揃いにしたいな~♪」


そう言いながら來海は慣れた手で、シャンプーを洗い流し、続いてトリートメントをつけてくれている。


「ねぇ?お姉ちゃん…最近、気になっているんだけど…」


「え!?何?」


「お姉ちゃん、今、誰かに恋をしているのかな?…何かすごく女の子らしくなって、可愛くなってきているから」


「えええ!?…あの、そんな…ことは、ないよ?」


「嘘…お姉ちゃん、今、嘘をついているね!」


「え!?…そんな…嘘だなんて…その…」


「ふふ~ん♪すばり…愛生さんでしょ~?そうなんだよね??ねぇ~お・ね・え・ちゃん!」


どっきん!?口から心臓が出てしまいそうになる…まさにそんな状態だった。顔を真っ赤にして何も答えず、伏せている私に…來海はトリートメントをつけ終わり、タオルを頭に巻いて、長い髪をまとめてくれていた。


「これで、終わりーっと。…それで、お姉ちゃん?愛生さんの事、どう思っているのかな??」


「…そんな、あの…愛生ちゃんとは…ただの…幼馴染…だし」


「むー嘘つきお姉ちゃんには……こうだ!」


そう言うと、來海は私の後ろから胸を鷲掴みにしてきた!…え!?ちょっと!!


「にゃあー!くっ來海!?…ちょっと、やめてよー!!」


「それで、本当のところはどうなの?ねぇ~お姉ちゃん~♪言わないと…やめないよー!」


ん…何だか…変な気分に…なっちゃいそうだよ!


「わっ分かった、分かった…から……んっ…言う…から、止めてよ~!!」


「…は~い!本当にもう…お姉ちゃんは強情なんだから!」


はぁはぁ…何とか來海は手を離してくれたよ……姉妹で…こんな事は…いけないと思います!…と心で叫びながら、來海の方を向く。


「…とりあえず、次は來海の番だからね、座って。浴槽に浸からないでここで長話するのは、体を冷やして風邪ひいちゃうといけないからね…トリートメントして、湯船に浸かったら、ちゃんと話をするから」


「うん、わかった~じゃあ、お姉ちゃんお願いね~♪…後でちゃんと話してよ~」


「はいはい、シャワーかけるよ~」


それから來海の頭を洗い、同じようにトリートメントをして頭にタオルを巻きつける。

それから私たちは浴槽に入り、向かい合わせな格好で湯船に浸かる。…來海が期待した眼差しでこちらを見てくる…改めて愛生ちゃんの事を話しするのは、すごく恥ずかしい…けど、來海にはすぐバレるし隠しても仕方ないかな?…うん、覚悟を決めて、今日あった愛生ちゃんとのやり取りを話をした。

來海は、その話を真剣な眼差しでずっと聞いてくれていて…。


「お姉ちゃん、それは愛生さんに『恋』をしてるよ?」


「え!?…私が…愛生ちゃんに…恋…してる??私は、ただの…幼馴染…なのに?」


「うん!お兄ちゃんの時は、そうだったのかも知れないね~同じ好きでも…身近な人の好き……家族愛に近いものなのかな?……でも、今のお姉ちゃんの話を聞いていると…完全に恋する女の子だもんね~♪」



そう言いながら「お姉ちゃん、すごく可愛い~♪」って來海に抱き着かれたんだけど……私は未だに自分の気持ちが理解できなかった。それからお風呂から上がり、ご飯食べて、ベッドに入る。

來海との会話を思い出す…。私が愛生ちゃんに恋をしている…。私は今まで『恋』と言うものをしたことが無い。いつも隣に愛生ちゃんがいてくれていたから…寂しいと思ったことが無かった…。


でも、今は…愛生ちゃんの事を思うと…胸がすごくドキドキしてくる。今、何をしているのかすごく気になってしまう。学校では、いつの間にか目で愛生ちゃんの姿を追っている。…今まで感じたことのない「私の心」に、自分自身の事とは言え、戸惑いを隠せない。…どうしよう、私って絶対…顔に出ているよね?明日から愛生ちゃんとどう接すればいいのだろう…答えの出ない、この問題に悶々とするのでした…。

久々の來海の登場でした。來海、可愛いよ~♪書いてて楽しかったです。

それにしても…瑞樹は、イジメられてばかりの一日でしたね(笑)

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