第39話 「更・衣・騒・動」
ついに更衣室イベント発生です…。
瑞樹の運命は…いかに!?
おばさんと別れて、愛生ちゃんと私は教室に戻る。戻るまでの間、愛生ちゃんから「ママと何を話ししてたのさ?」としつこく聞いてくるけど、「ううん、別に対した話じゃなかったよ」と惚けておいた。
愛生ちゃんに聞かれたくないようにしたのは、たぶん愛生ちゃんを驚かそうとしてると思うから…その作戦に素直に乗ろうと思ったからで……たまには私からの反撃をしちゃうんだから!…そう思うと今度の日曜日が、少し楽しみになってきたよ~♪
そんなことを考えていて、すっかり忘れていました…体育の授業が近づいていた事に!
それは…私が榎本さんに捕まり、女子更衣室へと向かっているからです…。
「朝比奈くん、何処に行こうとしているのかな~?」
「え!?…あの、ちょっと先に、その…トイレに行っておこうかな~って」
「じゃあ…その手に持っている体操服とかは必要ないんじゃないかな?」
「あっあれ!?…ホント…だよね…あの、うん」
私がトイレで着替えようとしてることがバレてました…。
榎本さんの笑顔が怖いよ!これは絶対に逃げられない…どうしよう!?
「トイレは着替えた後でも行けるからね~♪後で一緒に行きましょう~」
「え!?あ…うん。でっでも、あの…良いのかな…。私、以前は男の子だったわけなのに…その、みんな…嫌じゃないのかな??」
「嫌って?何のことかな??」
「…その、みんなと一緒に着替えるってことは…私にも着替えるところを見られるってことだよね?嫌とか怖いとか…ないのかなって。」
「大丈夫だと思うよー。クラスのみんな、そもそも朝比奈くんのこと警戒はしてなかったしね~今更じゃないのかな?私もそう思っていたし」
え!?それって…もしかして。
「みんな、朝比奈くんの事…男の子と見ていなかったよ?」
…やっぱり、そうでした。今更ショックとかはないけど、そうじゃないかと思うところはあったから。
でも、榎本さんは私の事を「朝比奈くん」と君付けするのは何故なんだろう?気になって…。
「でも、榎本さんって、その…私の事を今でも君付けで呼んでるから、多少はそう思ってるかな~って」
「あーごめんね、いつもの癖でそのまま呼んじゃってて、朝比奈くんが変わった感じがしなくて…やっぱり嫌だよね?」
「ううん、嫌とかじゃなく…その、いつも通りに接してくれるのは、すごく嬉しいから。」
「そうなんだ…せっかくだからね!呼び方をここで変えちゃおっか?下の名前で呼んでも良い??」
「あーうん、私もその…名前で呼んでも良いですか?」
「うん!もちろん」
「じゃあ…華奈…さん?」
「はーい!これからもよろしくね、瑞樹ちゃん!」
私は「はい、よろしくお願いします」と答えた。すごく気恥ずかしかった…けど、華奈さんと仲良くなれて嬉しかった。色々と話をしながら華奈さんに手を引っ張られて、女子更衣室の前まで来てしまった…。
華奈さんとは仲良くなれたの良いんだけど…これはこれ、まったくの別問題です!…どうしよう。
もう許してください!まだ心の準備ができていません!!逃がしてください!!!
私の心の叫びは、誰にも届きませんでした…はぁ~。
更衣室に入ると、すでにクラスの女子でいっぱいだった…。
辺りを見渡すと…着替えが終わって雑談をしている人がいる…うん、…着替えをしている人…え!?
こっちを見ると…ええ!?、あっちを見ると…えええ!?色とりどりの下着が頭の中に入ってきて、パニック状態!未だに自分の下着姿が見慣れていないし、私以外だと來海の下着姿しか見たことがないわけで…。
それに…私は自分の体形に自信がなかった。…その、胸は大きく…ないし、何か…幼児体形だし…。
端っこに逃げよう!誰にも見られずにコソコソと着替えよう!!そう思い、隅に移動しようとしたら…。
「瑞樹ちゃん、どうしたの!?早く着替えないと授業に遅れちゃうよ?」
そう言われ、華奈さんに捕まった。
「え!?あの…その…」
(ふふふ、瑞樹ちゃんったら、恥ずかしくて着替えも出来ないのね…仕方ない!私に任せて!!)
「ほら!瑞樹ちゃん、時間もないんだから、早く脱いで~」
「え!?…えええ!!!」
もじもじしている私に華奈さんが近づいて来て…私の制服を脱がし始めた。
え!?ちょっよ、何なの…これ!?何故、私は服を脱がされてるの!?
それに…私のそんな声を聞き、周りで着替えてたクラスの女子たちも集まってきて…。
「なになに?何かあったの??」
「瑞樹ちゃんじゃない?まだ着替えてないの??」
「着替えを手伝ってる!?じゃあ…私たちも手伝っちゃおうよー」
「うん、そうしましょう!」
「えええ!!!」
いつの間にか、華奈さん他数名の女の子に囲まれて、制服を脱がされ、体操服に着替えさせられる…。
その際に、胸やお尻を触られました…。
「瑞樹ちゃん、ちっちゃくて可愛いね~」
「胸とかお尻とか触り心地、すごく良いよ~」
「ちょ…ちょっと!変なところ触らないでよ~!!」
「あ!ホントだ、すごくぷにぷにしてる~♪」
「肌とかもすべすべで羨ましいな~」
「やー!もうやめて~!!」
着替えに参加していた女の子たちは、満足して先に体育館に向かって行った…。
残ったのはすごく疲れた私と、とても満足そうにしている華奈さん…。
私は何かを失くしてしまった…そんな気分だよ!もうお嫁にいけないよ…。
もうお約束の展開になってしまいましたね…(笑)
瑞樹には、かわいそうだけど…書いてて楽しかったです~♪
瑞樹、ごめんね!




