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第36話 「男・女・問・題」

ピッピッピッピー!ピッピッピッピー!


目覚まし時計が鳴り響く…んー眠い、あと5分…。

そう言いながら、目覚まし時計のアラーム機能をOFFにする。


ピッ!


むにゃむにゃ……



コンコン!


「瑞樹!もう朝になってるわよ?さっさと起きてくる!!」


……んー!?突然のドアのノックと母さんの声で徐々に目が覚めてくる…。

慌てて時計を見る、起きる予定の時間から30分も寝ていたよ…早く起きなきゃ!


「ごめんなさい!すぐ起きるから!!」


「あなたは愛生ちゃんの愛妻弁当を作らないといけないんでしょ!?早くしないと遅刻しちゃうわよ?」


あいさい…べんとう…また、それを言いますか!?昨日から散々、聞かされてるんですけど…。

悶々しちゃってなかなか眠れなかったし、その上に変な夢を見ちゃったし…。

あの…その…愛生ちゃんが…出て…きて……私と…って、何を言わせるんだよ!!


兎に角、早く起きて準備をしないと!今日から愛生ちゃんの分のお弁当を作らないといけないから、ゆっくりしてる時間もないよ~幸いに昨晩、おかずの仕込みをしていたから…まだ何とかなるのかな?

急いで髪を梳かし、制服に着替えて、鞄を持って部屋を出る。


母さんがある程度の準備してくれている…これは助かるよ!感謝します!!…マイエプロンをつけて、さっそく準備に取り掛かる。


「おはよう!母さん、ごめんね…ここまで準備をしてもらって」


「おはよう!瑞樹。あなたが寝坊なんて珍しい事もあるものね…何かあったの??」


母さんが散々、私の事を弄るから…眠れませんでした……なんて事は言えません!!

時間も無いから、その辺は適当に誤魔化しておこうっと!

愛生ちゃんの弁当箱は、以前に父さんが使っていた弁当箱が余っていたので、それを使わせてもらうことになった…とりあえず今日だけね!…今日の帰りでも愛生ちゃん用を買いに行こうかな?


あれこれと考えながら、朝食と2人分のお弁当を作っていく…母さんにはサポートにしてもらって、私がメインで作っていく…。まだ慣れないけど、母さんがいるから安心だよ!

2つの弁当箱におかずを詰め、朝ごはんをテーブルに並べて…うん、上出来!

母さんと味見しながら作ったので、特に失敗はないかな?…愛生ちゃん、喜んでくれるかな…。



朝ごはんを食べ終えて、忘れずに2人分のお弁当箱をトートバックに入れて、家を出る。

うん、今日も良い天気~♪朝は少し寝坊をしちゃったけど…気分は上々!!

鼻歌を歌いたくなる気分を抑えながら歩いていると、後ろから愛生ちゃんが追い付いて来て、一緒に歩く。

2人で雑談をしながら、榎本さん、俊介と合流して、何時ものメンバーと登校となった。


それから授業が始まり、お昼休みが待ち遠しくて、ウキウキしながら授業を受ける。

そういえば、今日は午後から体育の授業があるんだった…愛生ちゃんのおばさんはいつ来るんだっけ!?

そもそも、私はどこで体操服に着替えるんだろう…そんな事を何一つ、考えていなかったよ!

休み時間に、愛生ちゃんとそんなことを話す。


「そういえば愛生ちゃん、おばさん…いつ体操服を持って来てくれるんだっけ!?」


「んーママの話だとお昼に!って言っていたから、お昼休みの時なのかな?」


確か…電話でも、そう言っていたよね……でも…それよりも、私には別の問題が…。



「あの…愛生ちゃん?私って、その…どこで着替えれば良いのかな?」


「ん!?女子更衣室じゃない?…あーそっか、場所を知らないんだっけ??」


「私が知るわけないよ!行った事ないんだし…」


「じゃあ、ボクが案内してあげるよ、ボクも着替えなきゃいけないしね!」


え!?愛生ちゃんは、何を言ってるの??

私がそうツッコもうとしたら、ずっと近くで話を聞いていた、榎本さんが呆れた顔をしながら…。


「愛生ちゃん…あなたバカなの!?今のその姿で更衣室に入ったら、最悪、停学になっちゃうよ?」


「あーそっか!いつもの癖で忘れていたよ…ボクは今、男だし!あははー」


…素で忘れていた感じだよ、愛生ちゃんは…ホントにもう!

「まいった!まいった!」ってな感じで苦笑いをしながら、愛生ちゃんは榎本さんのほうを向いて…。


「じゃあさー華奈ちゃん、瑞樹を更衣室に連れて行ってあげてよ」


「そうね、朝比奈くん1人だと入ることすら出来なそうだし…うん、任せといて!」


榎本さんが愛生ちゃんに笑顔で答える…。ホントに頼りになるお姉さん的存在だよ、榎本さんは。

…でも、ちょっと待って!……私、クラスメートの女子の中に混ざって着替えるってこと!?

えええ!!!無理無理!む~り~!!やっと、1人で着替えるのも慣れてきたというのに…みんなの前で着替えるとか…恥ずかしくて、死んじゃいそうだよ!!



「…朝比奈くん、また頭から煙が出てるみたいね、ぷすっぷすっ言ってる」


「ホント、瑞樹はいくつになっても初心だよね~可愛い♪」


私の気持ちなんか露知らず、言いたいことを言っているよ…ホント腹立つし!

そうだ!更衣室へ行く振りして、女子トイレで着替えようかな……うん、そうしよう!

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