第31話 「瑞・樹・抱・擁」
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「行ってきま~す!」
朝ご飯を食べて、早起きをして作った私のお弁当箱を持ち、いつもの登校。
昨日、嫌な思いをさせてしまった、愛生ちゃんにまずは謝らないと…。
そう思いながら学校に向かって歩いていると、走って私に近づいてくる足音を感じる。
何時ものように愛生ちゃんが後ろから走ってきた…私が後ろを振り返ろうとすると…。
「おっはよ~みっずき!」
「ひゃん!?」
へ!?何が起きたのか…私には理解できなかった。後ろから愛生ちゃんに抱きつかれたみたい。
心構えが出来ていない時に、いきなり抱きつかれたものだから…
恥ずかしくて、頭の中が訳分からなくなって、先程まで考えていた思いが全て飛んじゃったよ!
私は何も言えず、顔を真っ赤にしながらモジモジとしていたら…。
「ん?どうしたのかね?み~ずき~すごく顔が赤いよ?」
そう言うと愛生ちゃんは、私をさらに強く抱きしめてきた…。
「ん~瑞樹から、すごく甘くて…良い匂いがする…」
(何だろう…これ!?何かドキドキする…スキンシップで女の子に抱き着くことは、よくやってたけど
こんな気持ちは初めてだよ……男の子になった…からなのかな?)
愛生ちゃんが、私の髪に近づき、くんくんと匂いを嗅いでいるようだ。
え!?何で愛生ちゃんは、私の髪の匂いを嗅ぐの??意味が分からないし!すごく恥ずかしいよー!!
「あっあのその…そっそれは、その…は…ずかしいよぉ~愛生ちゃん~」
顔が余計に真っ赤になっていく…それと胸のドキドキがすごく鼓動している。
周りの人の目もあるのに…みんなこっち見てるよ!すごく恥ずかしい!!
困っている私を見て、余計に楽しんでいる…ほんと!愛生ちゃんは意地悪だよ!!
抱きつかれて…嬉しくもあるけど、恥ずかしいのと遊ばれてると思う悔しさで、とても複雑な気持ちで、頭の中がぐちゃぐちゃだよ!それなのに…。
「だってー瑞樹、可愛いから…つい抱きつきたくなったさ!」
え!?…かっ可愛い?…わっ私のことが??
聞き慣れない言葉が、愛生ちゃんから発せられて、私は余計にパニック!
以前に來海からも言われたことがあるが、私には全くの自覚ないわけで…。
未だに愛生ちゃんに抱きつかれているから、余計に恥ずかしくなり、訳が分からずに、しどろもどろに答えるのが精一杯だった…。
「え?あっあのその…かっ可愛いとかっあの…わっ私が?」
「うん、そうだよ~…ってあれ?瑞樹…今『私』って言ったね?」
え!?…あれ??意外な反応…まさかそっちの言葉に反応するとは思っていなかった。
『僕』が『私』って言うことが…そんなにおかしいかったのかな??
「あのその…えーと、その…おかしいかな…」
変なことを言ったのかな?…すごく気になって、そっと…愛生ちゃんの顔を伺って見てみたら、すごく満面な笑顔で私の事を見ていて、それから首を横に振りながら…。
「ん~ん全然!そっか~瑞樹もやっと『女の子』と認めたって事かな?うんうん!!」
何か一人で納得しているご様子…また愛生ちゃんに弄られた気分だよ…何か悔しいし!
もういい加減、抱き着きから解放して欲しいんだけど……すごーく!恥ずかしいから!!
そんなやり取りをやっていると、俊介がやってきた。
「おい~す!瑞樹に和泉ちゃん」
「おは~よう!植草くん」
「おっおはよう…」
何か俊介の顔がニヤニヤしてる…私はまだ愛生ちゃんに後ろから抱き着かれたままだし、顔を真っ赤にして下を向く私…もうネタにしかないよね!?弄られても仕方ないよね!?
私と愛生ちゃんを見比べながら…何か納得したように。
「うんうん、なんだ?朝から仲が良いね~お二人さんは」
「ん~そうかな?ボクはただのスキンシップだよ、幼馴染との」
スキンシップにしては…少し他人の目を気にして欲しいよ~愛生ちゃん。
てか、これってスキンシップって言うレベルを超えてるよね!?すごく恥ずかしいんだけど!…あと、もう私を解放して欲しいんだけど…。
「まぁ良いけどな!仲が良い事は、うんうん」
また俊介は一人で納得してるし!そんな事は、もう良いから…私を助けてよ!!
私のそんな願いも届くわけもなく、二人して笑いながら楽しく話をしている。
話のネタにされるのは癪だけど…まぁ良いかな?…みんなの笑顔を見るのは好きだし。
そんな事を考えていると、愛生ちゃんが話題を変えていた。
「ねーそれよりさ…植草くん、ちょっと聞いてよ!」
「…ん?どうした??」
「瑞樹が、自分のことを『私』って言ったんだよ」
「おーついに、瑞樹も『女の子』って認めたって事か!…まぁ『俺』とかじゃないし『僕』でも
別におかしくはなかったけどな」
またその話だよ…そんなに変なのかな?『僕』が『私』って言う事が。
…私にはよく分からないよ。結局、私の話をネタにしてるし…ホントしつこいよ!
愛生ちゃんは、まだ抱き着いたままだし…いい加減、私を解放してくださいよー!
嬉しいような、恥ずかしいような、悔しいような…何とも言えない複雑な気持ち。
もうこの流れから切り離したいから、ここは突っ込みを入れとかないと!
「んも…二人して…」
そう言うと、愛生ちゃんはさらにぎゅ~と抱きしめてきて…。
「また顔を赤くしちゃって…瑞樹、可愛いぞ~♪」
「ひゃ!やっやめてよ~ほんと…恥ずかしいか…ら」
…その後、榎本さんが私たちの所に来るまで、このやり取りは繰り返されたのでした。
とても恥ずかしかったです…。
あやせ ひなた 様から提案がありました「ネタ」を使用させていただきました♪
ちょうどいいタイミングに、この話がありましたので(笑)
ありがとうございました!!




