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第30話 「母・親・愚・痴」

ピッピッピッピー!ピッピッピッピー!


「うーん、もう少し…」


そう思い、目覚ましのアラームを切ろうとして手を伸ばし、目覚まし時計を見る…いつもより1時間も速い時間に気付く…はっ!そうだった…母さんとの約束、朝ごはんと私のお弁当を作らないと!!


ピッ!


目覚まし時計のアラームをOFFにする。…カーテンから朝日が覗き込む、今日もいい天気だ!



「ん~今日もいい天気♪」


ゆっくり体を起こして、両手を組んで腕を上に伸ばし、体を伸ばす。

昨日は私はとても疲れていて、ぐっすりと眠る事ができた。

最近、悪夢を見ることが無くなったてきた…うん、気分も晴々~♪


パジャマを脱ぎ、制服に着替える…この制服を着るのもまだ2日目というのに、慣れたというか…それが当たり前のように思える…そう、日常かのように。

なんだか愛生ちゃんの事のようには言えないよ…私も順応しすぎかも。

そう、自分に苦笑いしながら、部屋を出て1階に降りていく。



台所へ行く前に先ず、洗面所に行き、歯を磨く。鏡を見ながら髪がはねていないかチェック…うん問題なし。制服もチェック…うん、問題なし!顔を洗って、ニコッと笑う、うん!ばっちりと目が覚めた!!

準備OKだね!、母さんが待つ台所へ向かった…。


台所に行くと、すでに母さんは起きていて下準備をしようとしていた。

毎日、朝早く起きてご飯作って、みんなを起こして…改めて主婦の大変さを噛み締める、ホントに母さんには感謝だよね!今度は私が少しでも力になれれば良いな~っと、心の中で誓う…うん、頑張ろう!


「おはよう~母さん」


「あら?おはよう瑞樹。早起きちゃんと出来たようね…感心、感心!」


「危うく、2度寝しそうだったけどね…でも、その…母さんとの…約束だから」


「あら!?瑞樹ってば嬉しいことを言ってくれるわね~♪さすがは、私たちの自慢の娘ね!」


「…自慢だなんて…あの…照れるよ~」


いきなり何を言い出すかと思えば…すごく褒めてくるし…しかも「娘」だって…嬉しいけど…すごく恥ずかしい!朝から顔が真っ赤だよ!!

母さんは満足した顔で、「うんうん」と頷いている…これは流れを変えないと!



「…あの、それよりも、朝ごはんの準備しないと…その、私のお弁当も作らないといけないし」


「…そうだったわね!瑞樹の反応が楽しくて、ついつい…ごめんね瑞樹。さぁ、今日もびし!ばし!行くわよ~!」


母さんにまでも弄られる私って…はぁ~。

…落ち込んでいる場合じゃないよ!料理とか楽しくなってきているし、初のお弁当作りに頑張らないとね~学校のお昼休みが、すごく楽しみになるよ~♪



「ふんふんふ~ん♪」


「…瑞樹、あなたすごく楽しそうにしているわね?」


「うん!すごく楽しいよ~♪料理がこんなに楽しいなんて知らなかった。もっと早くから、母さんに色々と教われば良かったよー」


「たまに作る分には良いわよ?毎日なると…献立を考えるのも中々大変だからね。

あなたはまだ良いけど、何かと文句を言わない子だったから…來海もね。

でも、お父さんときたら…文句ばかり言うから……すごく腹が立つわよ!」


何か母さんがヒートアップしていく…これは余計なことを聞いちゃったかも。

これはダメな流れかも聞き流そう…うん、そうしよう!じゃないと朝ごはんとお弁当が完成しない…。


「…味が薄いとか、同じものばかりで飽きてくるだとか…素直に美味しいって言えないのかしら!?あの人は!口を開けば、文句ばかりだし!!…ねぇ!?ちゃんと聞いてるの?瑞樹!!」


「!?はい!聞いています!!」


どうして私が怒られないといけないの!?…とんだとばっちりだよ!

朝からすごく疲れるよ……ホントにもう!父さんのバカぁぁぁー!!



それからの母さんの愚痴は止まらず、でも料理をする手も止まらず!それはすごく器用だと思った…長年の主婦が成せる技なんだよね、きっと。どうにか朝ごはんとお弁当を作り終えることができた。

それから私が來海の部屋へ向かい、起こしに行った。…その時に今朝あった母さんの愚痴のことを話をすると…。


「何時もの事だよ?私が手伝う時だって、何時も同じ事を言ってるよー。

なんだかんだ言ってもお母さん、ホントにお父さんのことが好きなんだから…まったく妬けちゃうよね!」


…え!?私には、マジギレしているようにしか見えなかったのに…。

あれって愛情の裏返しだったの!?…母さん、なんていうツンデレなんですか??

それを聞く身にもなってよ……もう!学校へ行く前から、すごく疲れるって!!

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