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番外編その1 「來・海・困・惑」 朝比奈 來海 サイドストーリー 前編

第27話の後書きにも書きましたが、本編を少しお休みいただきまして、

來海視点の番外編を進めていきたいと思います、前編・中編・後編の3話となります。

今回の前編は、第7話 「兄・妹・対・面」と同じ時間となります、ご注意ください。

お兄ちゃんが「女の子」になっていました…。


そんな馬鹿げた話があるのかな?この現実社会に。

その現実を目の前で見せつけられている…。



私、朝比奈 來海(あさひな くるみ) 中学2年生、13歳。

ある土曜日の朝、お兄ちゃんを起こしに行ったんだけど、寝ていたのか

返事がなかった。学校も休みだし、もう少し寝させておきたいと思って

1階のいるお母さんに、その事を告げて、部屋に戻った。


私が朝食を作って、もう済ませちゃったからね。学校の宿題が出てたから、

朝のうちに済ませておきたかったのあったし。

宿題の準備をしてたら、隣のお兄ちゃんの部屋のドアが開く音がした。

もう起きてきたんだ…もう少し寝てたらいいのに。

お兄ちゃんも真面目な人だから仕方ないかな?習慣には勝てないよね。


お父さんは銀行員で支店長代理。そのポストのおかげで、ただいま単身赴任中。

良く寂しくなってか?私宛に電話がかかってくる。ホントはお母さんと

話したいはずなのに…この歳でもラブラブなんだから、私の両親は!


お母さんも元銀行員。お兄ちゃんを身籠って出産と同時に、専業主婦になったみたい。

同じ職場で出会って、恋愛して結婚したから、すごく憧れちゃうな~私もそんな恋がしたい。

小学生の時にお母さんから話を聞いて、ワクワクしながら聞いていたのを思い出すよ。


両親が銀行員とお堅い職のおかげか、規則正しく真面目に教育された。

それが嫌とは思わないし、両親が喜ぶことは私から自発的に行っていたかな?

お兄ちゃんもそんな感じだった、私がお兄ちゃんの真似をしてたのもあったんだけどね!


あれこれ考えていたら、隣の部屋のドアが開く音で意識を戻した。

時計を見ると…もう30分以上も宿題をせずに考え事してたなんて…

お兄ちゃんの事を考えると、時間たっちゃうんだよね……ダメな私。


「さぁ!気を引き締めて、宿題をやっちゃおう!!」


あえて声に出す、自分に喝を入れる意味も含めてね。




宿題を始めて、そんなに時間が立っていないと思う。

突然、ドアのノックの音。


コンコン


お母さんが部屋に来るときは、いつも声かけてくるから…お母さんじゃない。

ドアにノックするのは、必然的にお兄ちゃんになってくる。

だから、私は…。


「ん?お兄ちゃん??開いてるよ~入って~」


ガチャ!


返事もなく、扉が開く…あれ!?お兄ちゃんに何かあったのかな?

お兄ちゃんは必ず、一言断って入ってくるのに、無言って珍しい。

ホント、どうしたんだろう…そう思い、勉強机の椅子に座ってる私は

体ごと椅子を回転させて、扉のほうに向ける。



お兄ちゃんが部屋に入ってくる…でもよく見ると、私と歳が変わらない少女が立っていた。

あれ!?お兄ちゃんじゃ…ない?私は思わず


「…どうしたの?おにいちゃ……って…え!?どちら様?」


そう言うと、その女の子は顔を真っ赤にして下向き加減で…


「あなたの…兄の瑞樹です」



そう答えた…え!?どういう事??とても信じられなかった。

でもよく見てみると、女の子が着ているパジャマは、間違いなくお兄ちゃんのものだ。

余所の女の子が、そのパジャマを着ていて、この家にいるのは、どう考えてもあり得ない。

お兄ちゃん以外はあり得ない事…でも未だにこの現実が信じられない。



「へ!?お兄ちゃん??嘘!どう見ても女の子じゃん?」


そう言うと、お兄ちゃんと思われる女の子が、う~んう~んと頭を悩ませながら


「朝起きたら…こうなってました」


うまく言葉が見つからなかったのか、がっくりした様子。


「そうなんだ…」



私はそう答えながら、女の子の様子を伺う。

私との会話の受け答え、その間のモジモジとした仕草、顔を真っ赤にする純な所…。

どれをとっても、お兄ちゃんだ!女の子だけどお兄ちゃんにしか見えなくなってきていた。

私はそんな可愛いお兄ちゃんを見れて、すごく嬉しくなって…


「ふふふ…本当にお兄ちゃんだ~♪」


それを聞いてお兄ちゃんが驚く。


「へ!?どういう事??」


「仕草を見てると解るよ~姿が変わってもお兄ちゃんはお兄ちゃんだよ」


うん、もう私にはこの人がお兄ちゃんにしか見えない、そう確信した。

私の大好きなお兄ちゃんが、こんなに可愛くなったなんて夢にも思わなかった。

男の時でも、すごく可愛くて…でも頼りになるお兄ちゃんだった。


そんなお兄ちゃんが姿が変わったと言うのに、私の所に来るってことは

何か問題でもあったのかな?人見知りのお兄ちゃんが、自分から進んでここに来るはずがない。

ましてや、こんな状態だし…今でも顔が真っ赤!ホント可愛いな~♪

何か話しにくそうにモジモジしているから、私から切り出すかな?ホント…お兄ちゃんは♪


「で?可愛いお兄ちゃんが私に何か用かな?」


「えっ!?可愛い??」


お兄ちゃんは驚き、また下向き加減で顔をさらに真っ赤にしている。

頭から…ぷすぷすっと煙が出ているようにも見える、ショート寸前だね♪

そ~れ!もうひと押し~♪


「うん!女の私から見ても可愛いよ~お兄ちゃん…赤くなっちゃって~本当に可愛いな~」


それを聞いて、さらに挙動不審になるお兄ちゃん。目をキョロキョロしたり強く瞑ってみたり

指をモジモジしたり…その場でくるくる回ってみたり、見てて楽しい~♪

女の子になって小動物化が一気に進んだ感じがするよ~癒される~♪

でも、お兄ちゃんは覚悟を決めたのか、真剣な眼差しを私に向けてきて…。



「あっあのその…それでね?ちょっと今から愛生ちゃんのところに行かなきゃいけないんだけど…」


「うんうん、それでどうしたの?」


愛生さんの事で悩んでいたのか~うー愛生さんは嫌いじゃないけど…。

お兄ちゃんに最も近い人なんだよね…すごくかっこ良いし!女の子なのにね。


「あの…そのね、僕、こんな体になっちゃったから、今持ってる服じゃ全然合わなくて…

だから、その…ね」


あー何となく分かってきたよ。


「…そうだね、愛生さんのところに行くには、その格好では行けないよね…さすがに、

それで私の服を貸して欲しいと?」


「うっうん、急なお願いであれなんだけど…」


ふむふむ…愛生さんの事なんだけどな~。

でも、お兄ちゃんからのお願いは、私にとって断れるはずがない。

…まぁ良いかな?これは貸しにしといてあげるね、お兄ちゃん!


「どれどれ…お兄ちゃん、ちょっとこっちに来て?」


「あ…うん」


見た目から体形や背恰好は私とそんなに変わらないように見える…

私の服でも問題なく着こなせる感じ…とりあえず確認…っと。

うん!お兄ちゃん、私より背が低くなってる~可愛いな~♪

私は思わず心の中の叫びを口に出してしまった…。


「お兄ちゃん、背とか小さくなっちゃったね~可愛い~♪」


お兄ちゃんがショックを受けている…うん、分かっているよ!

背が低いのは、お兄ちゃんのコンプレックスだって事を…ごめんね!お兄ちゃん。

そう…心で詫びながら。


「うん!分かったよー私の服、貸してあげるね」


「…ありがとう、來海。助かるよ。それで…ね、ズボンとかある?」


ふふ~ん♪そう返してくることは百も承知さ~!

せっかくの可愛いお兄ちゃんを可愛く着飾るため、ここは…断る!


「あー私、スボンは持ってないよー」


お兄ちゃんは青い顔しながら、「あわわわ…」言いながらとかなり焦っている。

…ちょっと苛め過ぎちゃったかな?…ううん、ここはダメ!可愛いお兄ちゃんを見るために、

ここは心を鬼にしなきゃ!!


「さすがに、スカートで男物の下着はダメだよね……良いよ!下着も貸してあげるね」


「へ?あーうん、ごめんね」



ついにお兄ちゃんは観念した!さぁどんな服をお兄ちゃんに着させてあげようかな?

私のお気に入りのワンピースとそれに合わせるように買ったカーディガン…

ベースはこれで決まりだね!!下着は…さすがに見られることはないだろうから

無難に白の下着で良いかな?…うん、そうと決まったらお着替えだよ!お兄ちゃん~♪


赤い顔をしながら…今にも泣きそうな顔のお兄ちゃんを、

私は楽しく着替えさせた…うん、すごく満足したよ!

…それからお兄ちゃんは出かけて行った。


愛生さんの所に行くのか…この可愛いお兄ちゃんを見て、どんな反応をするのだろう?

余計にお兄ちゃんの事を好きになっちゃうかも!?…それはすごく困る!!

でも、お兄ちゃんが女の子になっちゃったわけだから…あ!これって同性になるよね!?

ってことは結婚は回避できる!!…あれ!?それって私にも言えることじゃない??

お兄ちゃんのお嫁さんになる私の夢が…。それから私は悶々する事になる…。

おかげさまで、累計15,000PV・ユニーク3,000人を超えました!

ここ最近のアクセス回数がかなり増えてきました!すごく嬉しいです!

こんな拙い自己満足なストーリーを読んでいただき、誠にありがとうございます!!

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