第22話 「日・常・風・景」
今度は僕が俊介に、これまでの僕たちの出来事を一部始終、説明をした。
それと日曜日の事も説明をして、黙ってたことを謝った。
愛生ちゃんは、当然その事を知らなくて、その話を聞いて少し怒っていた…
何で愛生ちゃんが怒るんだろう??何で僕は責められるのかな?分からないよ!
俊介も榎本さんと同じ反応…全く理解できていない感じ…あぁ仕方ないよね。
僕の姿を改めて見て、かなりビックリした様子だった…
あまりジロジロ見ないで欲しいけど。
「うひゃーマジかよ…この可愛い子が瑞樹なのか?」
「そうみたい…私もさっき2人を見て、植草くんと同じ反応したよ」
「で、こっちが和泉ちゃんか…」
僕と愛生ちゃんを交互に見て…未だに信じられない…と言う表情を浮かべていた。
しかも…僕の事が可愛いとか言うし…俊介に言われても…なんか複雑だよ。
「日曜日の時は急いでたから、あまりじっくり見てなかったからな~
さすがに分からなかったよ、來海ちゃんの同級生だと思ってたし」
「あ!その事、瑞樹!何でボクには言ってくれなかったんだよ!!」
「え!?何で僕は怒られているの?」
「瑞樹は女の子になった事、少しは自覚している!?もう少し危機感をもたないと!」
「そんなこと言われても…僕には…分からないよー!!」
2人に僕たちの事を説明するだけでいっぱいいっぱいなのに、
なんで僕は怒られないといけないんだよ!!理不尽!腹が立つよー!!
何か瑞樹と和泉ちゃんがケンカしている、「夫婦ケンカは犬も食わない」と言うし
放置しておこう。それよりも…俺は榎本ちゃんを手招きして。
「あの2人…姿が変わっちゃったけどさー
全然、違和感が無いのは…どうしてだろうな?」
「私もそれは思って2人に言ったんだけどね、それを聞いた愛生ちゃんがさ~
『性別が変わって、それに当てはまっちゃった感じ?』
ってこと言うから、私すごく納得しちゃった」
「おーそれ分かる、俺もそれ聞くとスッキリする」
「だよねー」
ホントに違和感もなく、いつもの2人で安心した。
性別が変わろうと、瑞樹は瑞樹だし、和泉ちゃんも和泉ちゃんだ。
何の問題もない、むしろお互い、本当の姿に戻っただけじゃないのか?
ってさえ思えてくる…未だに言い争っている2人を見ていると。
「瑞樹!ちゃんとボクの話を聞いてる!?」
「むー」
しつこいな~愛生ちゃんは。僕には愛生ちゃんの言う事が
理解ができないのに、納得できるわけもなく愛生ちゃんに顔を背けて
僕は膨れていた。
ふと、俊介と目があった。それを見た俊介がニコっと笑ったと思うと…
いつもの調子で語り出した。
「まぁ良いんじゃね?いつもの2人だし、ケンカするほど仲が良いと言うしな」
「そうだよね~ほら!愛生ちゃんも朝比奈くんもスマイル~スマイル~♪」
何を言い出すかと思えば…榎本さんもそうだし!!
僕は思わず、こう言っちゃったよ!
「なっなに言ってるの!こっちは大変なんだよ!!」
いつもの他愛もない会話…みんなの笑い声。
色々とあったけど、いつものように接してくれる2人がとても嬉しかった。
そう安心していた時に、榎本さんがスマホの画面を見ながらこう言った。
「まぁまぁそれより…少し急がないと遅刻しちゃうよ?」
「やべホントだ…みんな急ごうぜ!」
俊介の一言で、みんな我に返り、学校を目指して走り出した…。
何時もの通学、いつもの会話、何も変わらない日常がすごく嬉しかった。
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こんなにもたくさんの方々に見ていただき、誠にありがとうございます!!
瑞樹たちのストーリーはまだ続きますので、これからもよろしくお願いします~!!!




