第21話 「親・友・説・明」
愛生ちゃんからの突然の挨拶に、固まってる女子高生。
髪は肩までと短く、軽くパーマがかかっているようで毛先が跳ねている。
榎本さん曰く天然パーマらしい。
少したれ目のおっとりした、とても優しい雰囲気の女の子。
榎本 華奈さん、愛生ちゃんの中学の時から親友で、
すごく頼りになるお姉さん的存在…愛生ちゃんの暴走を良く止めている。
的確にツッコミを入れて、愛生ちゃんをうまく抑えている…ホント凄いよ!
愛生ちゃんが榎本さんに、僕達のこれまでの経過を一部始終の説明をしていた…。
榎本さんは終始、目が点な状態で…ずっと黙って愛生ちゃんの話を聞いていた。
仕方ないよ…僕たちでさえ理解できない事だから…。
「って、言う訳だよ」
「……」
まだ納得がいかないような表情を浮かべていた榎本さんだったんだけど
愛生ちゃんの後ろに隠れてる僕を見ながら…
「で、そっちが愛生ちゃんで…その後ろに隠れてる小動物が朝比奈くん?」
「あははー小動物ってかわい~♪、良かったね、瑞樹!」
「……」
元々、人見知りする僕が、このような状態になっている事自体が嫌なのに…。
ましてや仲の良い榎本さんに、余計に見られたくなかった。
どう反応して良いのか分からずに、そのまま愛生ちゃんの後ろに隠れていると
愛生ちゃんは僕をずいーっと前に出してきて…。
「ほらほら隠れないの…はい!瑞樹!!ご挨拶しなさい」
え!?そんな!いきなり言われても…。
心構えを何一つしていなかっただけに…動揺を隠せない…。
挨拶って言われても…何を言えば良いんだろう…普通で良いのかな?
とにかく挨拶しなきゃ!榎本さんがこっちを見てる…恥ずかしい!!
「あっあのその…おはようござ…います、みっみずきでちゅ!」
焦った勢いで思いっきり噛んでしまった!恥ずかしい!!
思わず下を向いてしまった…。
「かわいー噛んじゃってる♪はい、朝比奈くんおはよ~」
「恥ずかしい!!」
僕は顔を真っ赤にしながら、両手で顔を隠した。
もうそれしか言えないよ…すごく恥ずかしい思いをした…。
愛生ちゃんはすごくニヤニヤしているよ!
こうなると分かってて…愛生ちゃんのイジワル!
その様子を見て、愛生ちゃんは笑っているし、榎本さんも笑っている…。
恥ずかしかったけど、何とかぎこちない雰囲気はなくなった感じがする。
良かったのかな?とりあえずホッとした。
そう安心していたら、榎本さんがポロッとこう言った。
「でもさー何か愛生ちゃんと朝比奈くん、性別が変わった方が…
全然、違和感が無いのは何故かな??そのほうがとても自然に見えるし」
「んーボクは男の子な感じで…瑞樹は女の子のような感じだったからね…
性別が変わって、それに当てはまっちゃった感じ?」
「…何か納得した」
…何それ!?それで納得できるの??
愛生ちゃんもそうだよ…いくら僕が女の子っぽいからって、酷いよ…。
そう僕が少し落ち込んでいたら、向こうから走り寄ってくる人影が…。
あ!やばい…俊介だ。
日曜日に一度、顔を合わせているだけにすごく気まずい…
しかもその時に僕だと明かしていないし…。
いずれは会わないとダメなんだけど…まだ心の準備が出来ていないよ…。
思わず、また愛生ちゃんの後ろに隠れてしまった!
「瑞樹!?どうしたの?」
榎本さんを見つけた俊介が、こちらに近づいてきた…。
「おーい榎本ちゃん、おっはよーさん」
「おはよー植草くん」
「ん?いつもの夫婦はどこ行った??…てかその2人は誰?
うちの制服を着てるが榎本ちゃんの友達か?」
…へ!?俊介はいきなり何を言ってるの??めお…と??
すかさず愛生ちゃんがツッコミを入れてた…。
「だーれが、夫婦だよ!」
愛生ちゃん…いつものノリでそう返しても…誰も気がつかないよ…。
案の定、俊介はこちらを見て固まっていた……愛生ちゃんの馬鹿ー!!




