第13話 「兄・妹・対・話」
朝ごはんを食べ終えて、食器を洗って片づけを済ませた僕は、先程のお風呂場での事で
家に居づらく、來海に声をかけた。
「あの…來海?今日は用事とか…ある??」
「ううん、今日は部活もないし、特に何もないよ」
來海は中学で陸上部に入っている。運動神経も抜群でみんなから期待されているらしい。
足が速くてジャンプ力もあるし…ある意味スター選手だよね…すごく羨ましい。
僕は運動が全く駄目だから…運動部に入ったこともない、文科系ばっかりだったしね。
あまりその事には触れてほしくないかな…聞かないでほしい、思い出したくないし!
「お兄ちゃん?どうしたの??いきなりボーっとしちゃって…」
おっと!色々と考え事をしちゃった、ヤバイ!ヤバイ!
考え事するとすぐ自分の世界に入っちゃうよ…僕の悪い癖だよ。
「ううん、何でもないよ」
とりあえず良かった!出かけたいけれど、僕1人で出かけるのはすごく不安だったんだよね…。
特に慣れてない恰好だけに、絶対に嫌な思いしかしないし…挙動不審してそう。
昨日のお礼を兼ねて、駅のほうに出かけてみようかな?ケーキ屋さんにも行ってみたいし~♪
「じゃあね?今から駅のほうに出かけてみない?」
「お兄ちゃんと2人で?」
「うん、友達から聞いた話だけどね?駅の近くにおいしいケーキ屋さんがあるみたいなんだ。
そのお店に行ってみたいな~って…僕がおごるから、その…行かない?」
「え!?お兄ちゃんがおごってくれるの?嬉しい!行くー絶対に行くー!!」
來海はすごく喜んでくれたみたいだ、僕もうれしくなってきちゃったよ~♪
いつも助けてもらってばかりだし、たまには兄らしくしておかないとだね!
「私もねちょっと行きたい雑貨屋さんがあるの…そのお店は駅からちょっと歩かないとだめなんだけど
そんなに遠くはないから…寄っても良いかな?」
「うん、いいよ。僕もそのお店に行ってみたいな~。來海は何か欲しいものとかあるの??」
「うん!友達がね?そこで買った文房具がすごく可愛いの!私も欲しくなっちゃって…
他にもいろいろ可愛いものがあるみたいだから、見に行きたいの」
可愛いものって言われて、すごく興味が出てきたよ!來海とは趣味が合うから
來海の可愛いものは絶対に可愛いはず!ケーキも楽しみだけど…もう一つ楽しみが増えたよ!
「OKだよ!じゃあ今から準備して、リビングに集合しようっか?」
「うん!早く行こうよーお兄ちゃん♪」
そう言いながら、來海が僕の腕を引っ張ってくる。
「え!?自分の部屋に戻るのに?一緒って??」
「お兄ちゃんの服装は、私がコーディネートしてあげる~♪さぁ行くよー!」
「えええ!?良いよー1人で着替えれるし!」
「良いから!良いから!早く行くよ、お兄ちゃん♪」
そう言いながら強引に來海に引っ張られて、僕の部屋へ…。
それから妹が満足するまで、僕は着せ替えられるのでした…
もうやめて!僕の精神がもたないよ!!…行く前からすごく疲れました…はぁ~。