第01話 「瑞・樹・変・化」
はじめまして!アルシィアと言います。
TS物が好きで、読者側でしたが書いてみました!
2人の幼馴染が性転換するお話です、よろしくお願いします!
ああ…僕はまたいじめられている…。
やめて…僕を…いじめないで…。
男らしくない僕は、どこへ行ってもイジメの対象になる…。
今日もまた同級生に連れられて……。
「おい!女男!!」
「おかまちゃーん~おかまちゃーん~」
「ほんと、こいつ男の子か?女の子じゃないのか?」
えぐっ…やめ…て……
僕を…いじめ…ないで……
「こらー!!瑞樹をいじめるなー!!!」
「またお前か…邪魔すんなよ!」
「女のくせに…生意気だぞ!」
「いいや、やっちまえ!!」
「ボクの瑞樹に指一本触れさせないぞー!」
………
……
…
「…瑞樹、大丈夫?ケガはない??」
「ごめ…ね…あ…きちゃ…ん…」
「もう大丈夫だからさ!お家にかえろ?」
「…うん」
『瑞樹が…女の子だったら良いのに…』
夢を見ていた…。
小さい時の頃の記憶…。僕がいじめられていた時の事…。
…また愛生ちゃんに助けられた……。夢の中でも助けてくれるんだね。
愛生ちゃんに感謝しながら…ゆっくりと微睡みの中から目覚めていく…。
チュンチュン…
スズメの心地よい鳴き声で、翌朝になった事を気づく。
嫌な夢は見たけど…愛生ちゃんが来てくれた…それだけで救われた気がする。
ゆっくり体を起こして…体を伸ばしてみる。
いつもと変わらない朝…。今日も良い天気。
僕の名前は、朝比奈 瑞樹。今年、高校生になったばかりの15歳。
名前もさることながら女顔、背が低く色白と…男らしくない姿に
これまた男らしくない性格が重なって、どこに行ってもからかわれる対象に…。
小さい時からいじめられてばかりだった…夢に出るほどのトラウマになってる。
はぁ~朝から憂鬱になるよ、ホントに。
そんな僕に幼馴染がいる。そう夢に出てきた、愛生ちゃんだ。
和泉 愛生、僕と同じ年…あっ違うや、この間、誕生日だったんだ!16歳だね。
愛生ちゃんとは近所だったし、誰にでも気さくに話しかける愛生ちゃんとはすぐに仲良くなった。
どこに行くにも一緒、特に僕の母さんと愛生ちゃんのおばさんが昔からの親友だったから
家族ぐるめで仲良かったのもあった。
僕がこんなだったのもあったのか、愛生ちゃんは活発で男の子ぽっかった。
いじめられてる僕をいつも助けてくれた、高校生になって女の子らしく…少しはなったのかな?
再度、愛生ちゃんに感謝をしながら、ベットから起きようとする。
「あ~よく寝た…」
ん!?何か違和感が…。
僕ってこんな声してたっけ??僕の声も声変りが遅く、少し高いけど
そんなレベルじゃない、透き通る高音だ、気のせいかな?
おかしいな~もう一度…。
「あ~あ~」
…僕の声じゃない。とても可愛らしい…そう、女の子の声だ。
これは夢じゃないよね?ちょっと頬をつねってみる…。
むぎゅ!!
「痛い!」
嘘…痛い…。
どうなっちゃったんだろう…。頭が混乱している…。
ちょっと冷静になろう…深呼吸してっと
「すーはー、すーはー」
深呼吸するときに頭を上下に下げると短いはずだった僕の髪が
一緒についてくる…あれ!?いつの間にこんなに長くなってるの??
それからずっと気になる僕の体…。
腕を見てみる…色白は前からだけど、なんか細い…。
触ってみるとぷにぷにと柔らかい、しかもすべすべな肌。
さっきから違和感のある胸を両手で触ってみる…。
あるはずもない胸のふくらみを感じる、しかも柔らかい
なんで僕におっぱいがあるの??あまり大きくはないけど…。
はっ!まさか下は??
…ない。僕、女の子になっちゃった!?
そんな馬鹿な…。どういう事なのかさっぱり理解できないよ…。
これからどうしよう…一人で考えてもどうしようもないけど
家族にどう説明すれば良いんだろう…。
僕の家族は、父、母、僕、妹の4人家族だ。
父さんは、いま単身赴任中でこの家にはいない。
僕以外は母さんと妹の2人だけになる。
今日は土曜日、学校がないけど、うちの両親は真面目で規則正しい。
母さんは朝食を作って待ってくれている。
休みだからと言って、朝ずっと寝てるわけにもいかない。
妹の名前は、朝比奈 來海、僕より2つ下の13歳、今年で中学2年生だ。
妹は、僕と仲が良く、近所でもよく「2人いつみても仲良いよね~姉妹みたい」…って
僕は男なんですけど!!ってツッコミすることもよくある話で。
本当によくできた妹で、僕の自慢の妹だ!家事もできて器量もよい。
僕よりも早起きをして母さんの手伝いをしているから、そろそろ起こしに来る時間かも!?
時計を見てみるともう午前8時だ!まいったな~妹に相談すべき!?
信じてくれないだろうな……。
コンコン
突然部屋のドアがノックされた。…たぶん妹だ。
「お兄ちゃ~ん、朝だよ~起きてる?」
「お母さんが、朝ご飯が出来たから降りてきてだって」
困った!非常に困った!!
気持ちの整理ができていない、とても話しできる状態じゃないし。
おし!ここは返事をしてはいけない…寝たふりしてやり過ごそう。
「…返事ないなー、まだ寝てるのかな?また後でこようっと」
スタスタスタ
足音が遠くなっていく…。
妹は行ったかな?兎に角、一難は去った。
でもホントにどうしよう…ここにいても問題は解決しないよね…。
怖いけど、どっちみちばれるし…母さんに相談してみよう。
僕は部屋を出た。