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「おこだでませんように」 くすのきしげのり 作 石井聖岳 絵
「ぼくはいつでもおこられる」
そんな少年の気持ちを描いた作品。
一年生になったぼく。家ではいもうとを泣かせたとお母さんにしかられ、学校では友達と喧嘩をしておこられている。でも、きっかけをつくったのはぼくじゃないんだ。
とても丁寧にぼくの心情が描かれ、わかってもらえないぼくの不満が伝わってきます。
おこられても我慢しているぼくの横顔。いじっぱりで強がりで。
だけど、本当はぼくはお母さんの怒った顔じゃない顔がみたいんだ。怒られたくないんだ。
そんな願いを、ぼくは一枚の短冊に綴ります。
「おこだでませんように」
その言葉に涙が溢れました。
つたない文字が、ぼくの本当の思いを表してくれています。
先生とお母さんの怒っていない顔が見られたぼく。
よかったね、と声をかけてあげたい気持ちにさせられました。
もしあなたが親の立場で子供につい怒ってしまいそうになったとき、この本を読んでみてください。