「はじめてのおつかい」 筒井頼子 作 林 明子 絵
みいちゃんの、初めての冒険。
みいちゃんはままに、百円玉を二つもらって買い物に出かけます。
途中、自転車が横切ったり、坂道で転んでお金を落としたり。
ようやくお店についたと思ったら、お店には誰もいません。
「ぎゅうにゅう ください」
緊張のためか、大きな声が出せず、小さな声になってしまいました。
誰も出てきません。
他のお客さんに先を越され、なかなかみいちゃんは買い物ができないまま。
しかし、
「ぎゅうにゅう くださあい!」
突然大きな声が出ました。
ようやくそれで、みいちゃんはお店の人に気づいてもらうことができたのでした。
安心したみいちゃんは、ぽろりと涙をこぼします。緊張や安心やいろいろな感情が、そこで堰を切ったのでしょう。がんばったね、と私もほめてあげたくなってしまいます。
某テレビ番組でもありますが、子供にとってはじめてのおつかいというものは、すごく緊張と冒険でいっぱいの出来事なのですね。
大人目線ではない子供目線で描かれるこのお話は、そんな子供の気持ちをよく表しているいい絵本だと思います。
林明子さんの、繊細で優しい絵柄がとてもまた素敵で、どこか懐かしい気持ちにさせられます。
そうそう。おつりも忘れてはいけませんね。
最後までがんばったね! みいちゃん。




