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「おまえうまそうだな」 作・絵 宮西達也
たまごから生まれたアンキロサウルスの赤ちゃんのところに、恐ろしいティラノサウルスがやってきていいます。
「おまえうまそうだな」
それを聞いたアンキロサウルスの赤ちゃんは、ティラノサウルスをお父さんと間違えてしまいます。
「ぼくのなまえウマソウなんでしょ」
父親と間違われてしまったティラノサウルスは、そのまま父親のふりをしていくことになります。
獲物と捕食者だったのが、疑似親子となって、不思議な愛をはぐくんでいく。
恐ろしかったはずのティラノサウルスは、実はとても優しい心を持っていて、その深い愛情に心が打たれてしまいます。
体を張ってウマソウを護り、そして最後にはウマソウのために身を退いていく姿。
ティラノサウルスは、本当の父親よりも父親らしい立派な父親でした。




