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「手ぶくろを買いに」 新美南吉 文 牧野鈴子 絵
とても優しい絵にまず惹かれます。
きつねのふんわりとした毛並みがいいですね。
きつねの親子のもとに寒い冬がやってきます。こぎつねは雪を見て無邪気にかけまわります。そんなこぎつねがお母さんに言います。
「お母ちゃん、お手々がつめたい、お手々がちんちんする。」
そこで、お母さんきつねは夜になったら町まで行って、こぎつねに手ぶくろを買ってやろうと思いました。
でも、町のひを見た母さんぎつねは町で以前にとんだめにあったことを思い出します。足が進まない母さんぎつね。
そこで、母さんぎつねはこぎつねのかたほうの手を人間の手に変え、その手を見せて手ぶくろを買うように言います。
幻想的で優しい世界。
冬の寒さのなかでこぎつねは一匹でちょっとした冒険に出かけます。
美しい月明かりと親子のきつね。
こどもの手にはかわいい手ぶくろ。
寒さのなか、ほっこりと温かい気持ちになれる、そんな絵本です。




